アンパンマン おしゃべりいっぱいことばずかん SuperDX イメージセンサーカバー外れ修理

おしゃべりいっぱいことばずかん SuperDX

アンパンマン おしゃべりいっぱいことばずかん SuperDX イメージセンサーカバー外れ修理

今回は、外来勤務している地域のおもちゃ病院での診察記事となります。

タイトルの通り、カバー外れによる動作不良時の修理対応になりますので、同じ症状への対応として共有させていただきます。

まず、不具合の症状としては、無事起動はするのだが、絵本の絵柄に正常に反応したり全くしなかったりと動作が不安定とのことでした。

補足ですが、この依頼者様は、単四型の乾電池とニッケル水素の充電池を混合して使っておられました。それが今回の故障原因ではありませんでしたが、お子様が使うのなら万一のことも考え単四乾電池でお使いください。

こんな感じで不安定に反応したり突然しなくなったりです。

因みに、グリグリ回しながらペン先を当てている理由は、2個ある赤外線LEDの故障を疑っているためで、そうすると片側のみの反応に差が出るかどうかを見たためとなります。

では、状況から故障の原因を推測してみます。

起動は無事できており、正常に絵柄への反応することもあるので、ペン先の接触不良を疑いました。

旧式のペンの場合、コネクタが基板に半田付けされているので、その剥がれなどが起きているかもしれません。ですが、このペンは、SuperDXなので、新式の場合は、コネクタではなくフラットケーブルとなりますんで、他の要因かもしれません。

次に、絵柄のグリットドットは、ペン先より照射されている赤外線LEDの反射光をCMOSイメージセンサーで読み取ります。過去の修理事例では、この赤外線LEDが故障していたために無反応でありました。今回は、不安定であるとのことなので、片方のみが故障して赤外線を照射できていないかもしれません。※因みに、SuperDXは、850nm波長の赤外線LEDです。

他の要因としては、これもペン先に異物が侵入し入光穴を微妙に塞いでいるのかもしれません。

事前の検討はこのぐらいにして、原因を探ります。

内部

このSuperDX版では、本体のネジに三角ネジが使用されております。サイズは、▲1.4か▲1.6になります。自分が持っていた▲1.8は入りませんでした。以前は、ギリギリ入っていたのですが、近ごろのネジ穴は小さくなったのかもしれません。

さて、フラットケーブル版ですので、新規版となりペン先は、コネクタではない接続方法となります。ではペン先を確認すると、原因は直ぐ分かりました。

カパカパ

カパカパしてる!

そうです。イメージセンサーのICチップが実装されている基板に付いているカバーが外れています。

これではダメです。

モジュールに内部に設置されたレンズからの焦点が、イメージセンサーの焦点とズレてしまい赤外線反射光の認識ができなくなります。また、横の隙間からも入ってきた外乱光によって赤外線も多少乱されてしまうようにも思います。

焦点ズレ

本来レンズの焦点が、イメージセンサーの位置で像が結ぶように設計されているので、少しでもズレると像がズレてしまいます。

一応赤外線LED 2個がちゃんと点滅しているか確認します。

大丈夫ですね。2方向からの2つとも無事点滅しております。

次にパン先のカバー外れが本当の原因かと、カバーをずらした状態とハメた状態で絵柄への反応をみます。

やはり、レンズの焦点ズレで画像認識ができなくなっていそうですね。

歴然と絵柄への反応にカバーを絞めた際と開けた際で差があります。

では、取れたカバーを同じように接着しますが、これも厄介です。

イメージセンサーのチップ

直ぐ内部にイメージセンサーのチップがあるので、粘性の低い瞬間接着剤などを使うとIC側に流れ込んでしまい、終わりの世界になります。

そこで、粘性の高いエポキシ接着剤を使用します。

ですが、あくまでもカバーを被せた状態でつなぎ目に盛るだけですよ!

エポキシ接着剤

この状態をキープしそのまま時間をおきます。

まっすぐ

まっすぐ上に向くように固定します。

固まったところで本体に装着し動作確認です。

収まり
動作確認

動作確認もばっちりですね。

恐らくですが、ペンを絵本にタッチする際の振動で接着面が剥がれてしまったのでしょうね。