ケーたまのぶるーデコレというたまごっちプラスの修理依頼がありました。
液晶故障で修理不可能となりましたが、液晶が故障した原因が筐体の歪みにあったという症例の紹介になります。
こんな感じに一列や一行が抜けるのではなく、とある箇所が部分的に並んでドット抜けが生じています。
過去の経験では、一列や一行が抜ける場合は、液晶のゴム電極と基板の電極の接触不良であることがいいのですが、ゴム電極の経年劣化で押し圧が弱くなっているので、押し圧を増してあげると復活したりします。
ですが、今回はどうも状況が違うようです。
指で電極周辺を押してあげても変化ありません。
一応、念のため液晶のゴム電極の表面と基板の端子部分をアルコールで拭き取りましたが、変化ありません。
そこで、在庫にあった、たまごっちプラスの赤いシリーズの液晶があったので、試しに交換してみました。
ドット抜けする本数増えて位置が変化します。
うーん、液晶と基板の接続に問題ありますね。
液晶を交換しても生じるということは、基板側に問題がありそうという見解でした。
この時点では。
そこで基板の端子を確認すると電極から伸びる配線に液漏れのような粉が付着しております。
少し期待しましたが、
綺麗に除去洗浄をしましたが、変化ありません。
ざんねーん。
チーン
_| ̄|o
基板については、ほぼ新品の状態でその他では何も導通の障害になりうる不具合はありませんでした。
そうなると、可能性として疑ったのは、液晶側のゴム電極側の導通不良でした。
しかも修復できない、液晶のガラス側の電極剥がれです。
もうそうなると液晶の交換しか手がありません。
そこで、中古の液晶が無事な同じぶるーデコレから液晶と基板を丸ごと移植してみようかと思います。
ちょうど、ボタンの接触不良という格安ジャンク品を見つけ移植してみました。
ドナーのケーたまが、これです。
液晶の描画は問題なくドット抜けもありません。
今回の依頼者様のケーたまは、ほぼ新品の状態だったので、移植するにしても外装はピカピカの方がよいと思うので、液晶と基板以外は、依頼者様の部品を残し移植することにしました。
まぁ、当たり前のことですが、移植して描画も問題なくしております。
なんか、修理というには申し訳ないのですが、これにて返送をしました。
が!
そんなうまくいくことはありませんでした。
ざんねーん。
チーン
_| ̄|o
返送してから、連絡がありドット抜けがあるとのことです。
なんだとー!
ドット抜けの位置が変化しまた、ドット抜けの箇所も少し増えています。
時間差で液晶のドット抜けが生じるような事態です。
そこで、気づいたのは、筐体とレンズに歪みがあり、この筐体とレンズに液晶を組み込むと液晶側のゴム電極に不具合が生じるという事態です。
なるほど、液晶の導通不良ではあるのですが、その原因が筐体側の歪みという流れです。
裏を取るため、手元に残っていた中古ジャンクのぶるーデコレの筐体に、もともと液晶のドット抜けを起こしていた液晶を、基板は、当医院在庫のケーたま モジモジオレンジに組み込んでみます。
まったく同じ箇所でドット抜けを起こしています。
これも持って完全に液晶部の導通不良と結論づけることができました。
残念ながら、依頼者様のぶるーデコレの筐体に液晶を組み込むと、液晶の導通不良が生じるということがわかりました。
しかも、その導通不良は、単に接触が一時的に離れるような軽微なものではなく、液晶のガラス面の電極とゴム電極が剥がれてしまうような致命的な導通不良でした。
今回の症例は、今まで経験したことのない筐体の歪みによる導通不良でした。
残念ながら、修理不可能という結論になりました。