たまごっちm!xって、みくすやミックスと表記する場合もあるのですね。
今回の依頼者様は、中古で購入して起動してみたら、たまごから孵らないという不具合があったそうです。
過去にも診断した経験があり、起動直後はたまごがゆらゆらとしますが、そのままゆらゆらのまま進展しないという事態です。
原因は、システム系の発振回路と時計の発振回路が別々になっており、たまごをゆらゆらする描画はシステム側が描画するのですが、時間の経過を計測できないため、そのまま次のルーチンにプログラムが遷移できないためです。
時計系の32.768kHzの発振回路を診断しましょう。
さて、届いてすぐに起動確認をしましたが、これもあるあるですが、しばらく電池を抜いて時間をおくだけで復活することがあります。
今回のたまごっちm!xも起動直後は時計が進んでいました。
このように時計は無事進み、たまごも無事孵ったりします。
が!
しばらく置くと、、、。
約7分後に時計が停止します。
発振回路の半田クラックやクリスタル部品内の接触不良などありますね。

まずは、このシリンダー型のクリスタルです。
発振回路は、基板の裏面にあります。
まずは、クリスタル部品を交換します。

まずは、クリスタルの交換のみで時計動作を確認しますが、時計は止まったままです。
発振回路のコンデンサーや抵抗側の半田クラックを懸念し溶かし直しします。

C27,C28がコンデンサーでR12が、ダンピング抵抗でr13が、帰還抵抗ですね。

まるっと、半田付け部分を溶かしなおしてみます。
すると、無事時計が進みはじめました。

が!
宅配おもちゃ病院は騙されません。
糠喜びをたくさん経験しています。
一時的に半田コテの熱で復活しただけで、熱が冷めると不具合は再発することが多いです。
しばらく経過観察します。

分解したままの状態で1時間問題ありませんでした。
では、組み立てます。

組み立ててさらに1時間も問題ありませんでした。
ここまで確認できれば、今回の時計が進まない原因は、発振回路の不具合で間違いなかったようですね。
心配性なので、お返しする直前にも起動と時計の進みの再確認をして返却しました。
動作確認を行なっておりましたが今も問題なく作動しております。
修理していただきありがとうございました。
~依頼者の感想より~