2020.9.1 半導体

とうとう、8月は、一度もスタッフブログを更新できずに終わってしまいました。ここ北東北の青森も猛暑が続き、幾分涼しくはなってきました。

さて、今回は、私の本業であった、半導体について少し書かせていただこうかと思います。

長年、主にロジックICの設計と出荷テストの開発のお仕事をやっていたおかげで、おもちゃ修理においても、特に電子回路回りのトランジスタやマイコンの挙動についての故障解析など得意です。

皆さんの中には、プリント基板上の黒いパッケージを見ただけで、拒絶反応を起こされる方が多いかと思います。昨今の高機能化されたおもちゃにおいては、私においても流石に手こずることや解析不可能になることが多いです。というのも、以下のような理由があるからです。

  • LSIなどの挙動は、解析用の仕様書が無い場合、故障しているのかどうかの判断は、ほぼ不可能。搭載されているインターフェースの仕様が必要。
  • 一般的に公開されているデータシートは、あくまでもプログラミングや製品設計・開発向けに公開されているインプリ仕様であるため、故障の解析には、不十分。
  • COB(Chip On Board)パッケージの場合は、端子レベルでの信号解析が極端に難しいことや、そもそもCOBの中身もなんであるか不明。
  • センサーやメモリとの通信を確認する場合、それ相応の治具や測定器が必要。

もちろんですが、これらの解析仕様は、企業の社外秘データですので、我々がお目にかかることは不可能でしょう。おもちゃ病院は、半導体メーカーの不良解析センターではないので、解析のスキルや設備は、無いに等しいでしょうし、また、運よく不良と結論づけれても、部品を交換できるわけでもなく、それ以上の進展もないのが現状となります。

おもちゃドクターの方々も頭を悩ませて居られるとおもいますが、おもちゃメーカー様も、新しいおもちゃ開発のため、センサーやICを駆使して居られる現状も理解できます。

おもちゃの変革も激しく、昔の竹とんぼが昨今のドローンへの変わりようを考えても、少し寂しい気持ちもしますね。

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