2021.5.20 Victor S-777 修理に挑戦③(最終回)

2021.5.20 Victor S-777 修理に挑戦③(最終回)

構想から約三か月を要しウーハーの擦れ音の解消に向けた作業も最終回です。

前回までの2回の記事では、中低音(ウーハー)からの擦れ音が酷く、廃棄も含め検討していたが、結局自分で修理に挑戦するといった流れでした。

原因は、エッジの固化が有力でエッジの交換に挑戦したのが今回3回目の記事となります。これにて無事修理完了したという最終回をご紹介します。

まずですが、エッジ交換に際しては、インターネット上に数多くの記事やYouTubeにも動画が配信されておりますので、事前の予習は、ばっちりやっておきます。

基本的な流れは、交換ようエッジの用意→古いエッジと接着剤の残骸の除去→新しいエッジの接着になります。

では、古いエッジを除去します。

Victor S-777は、アルミフレームにエッジが接着されており、その上にゴム製のガスケットが接着されております。ガスケットは、ゆっくり外側へ押し倒して剥がしますが、自分のS-777は、比較的容易に剥がせましたが、一部強引に剥がそうとするとゴムが避けてしますので、この点も注意しました。

さて、次に残った接着剤を綺麗に除去しますが、これが本当に大変でした。

まず、カッターで古いエッジに切り込みを入れてコーンとフレームを物理的に切り離します。フレーム側を最初に綺麗にし、コーン側は後で綺麗にします。

使用するのは、事前勉強で知りえた、アセトンでコツコツ綺麗にします。アセトンは、アロンアルファなどの剥がし剤や除光液としてダイソーで購入できます。

で、比較的残存した接着剤が少ないと楽なのでですが、残りが酷いとアセトンを十分浸して時間をおいてコツコツ剥がしては、また浸しての繰り返しです。

今回のS-777は、LとRで接着剤の残りに大きな差があったのですが、Rで3日間、Lで丸一日剥がすのにかかりました。

剥がす際ですが、コーンにアセトンが付着しないようにホームセンターで売っている、養生用のテープ付きのシートでコーン全体を覆っておきます。

剥がす際の道具は、彫刻刀、ピンセット、使い古しの歯ブラシで作業し、画像の通りアルミフレームを綺麗にします。

次に、コーンの裏側を綺麗にします。

まず、残存エッジを物理的に剥がします。アセトンを乗せるとコーンに染み込みます。※自分は、少し失敗してしまいました。

次に、コーン側に残った接着剤ですが、どうするか少し迷いました。

新しいエッジを接着する際、剥がした部分だけでも接着固定できそうです。しかし、残存の接着剤が残ったままで新しい接着剤を乗せることに、根拠のない不安感があったので、全て除去をしました。こちらも物理的に剥離します。

この物理的な剥離によってコーンの紙厚が薄くなるので、もちろんですが強度的にも弱くなります。

また、新しいエッジを接着する際に気づくのですが、もともと付いていたフラット型のエッジに対し、入手できたアングル型のエッジの場合、ロールの内周距離に差ができ、接着後にコーン周辺が、シワシワになります。

無事全ての残存の古い接着剤を剥がし終わったあとで、新しいエッジを仮組します。ロール内径のサイズ感もギリOKというところでしょう。

Victor S-777用のエッジとしては、もちろんですが市販はされておりませんので、採寸の上サイズの合うエッジを選択します。

事前勉強で下調べした際に参考にしたサイトがこちらです。実際に交換エッジを購入したのは、こちらからです。

事前勉強では、サイズとして重要なのは、ロール内径となります。Victor S-777は、コーン外径が、250mmなので、ロール内径が、250mmより少し大きくなる程度とします。ファンテックさんの一覧にある、AM12というロール内径253mmを選択しました。

この時点で、コーンとエッジには、サイズ以外にもアッタチというコーンとエッジが角度をもって接合されているか否かという点が、接着作業を開始するまで知りもせず行っていました。Victor S-777は、フラットアタッチでして、今回購入したエッジは、アングルアタッチでした。

既に後の祭り状態でしたが、そもそも自分の検索能力では、フラットアタッチのロール内径が、250mm程度の交換エッジを見つけることができず、どちらにしてもアングルタイプのエッジで交換せざるを得ない状況には変わりありませんでした。また、もともと付いていたエッジは、クロスエッジでして、交換用のエッジは、以上の理由から選択の範囲も限られウレタンエッジで交換をしました。

※いろいろ勉強になりました。

実際にコーンと接着した画像がこちらです。

アングルが異なる点と、前述のコーンの紙厚が薄くなっているため、ご覧の通りシワシワになってしまいました。できる限り伸ばして接着してあげました。

ただ、接茶剤も乾くとある程度は密着しシワシワ感は少なくなります。エッジとフレームを同じように接着し最後にガスケットを接着します。

今回使用した接着剤は、エッジとコーン、エッジとアルミフレームは、エッジ購入の際に一緒に購入した専用の接着剤となります。

ガスケットの接着は、ボンド社のG17を使用しました。

さて、最後に最重要な音出しで無事擦れ音が無くなっているか確認します。結構、ドキドキでしたが、無事擦れ音が綺麗になくなりました。

もうなんやかんやで三か月かかりましたが、この擦れ音が無くなった音を聞いた時は、登山家が山に登頂した時のような達成感が半端なかったです。

当初は、廃棄を予定していたスピーカーですが、何なら修理に挑戦ということで半信半疑作業を開始しました。

組み立てを行いしばらくは、エイジングを行いますが、ここでさらに驚きの事象が起こりました。

重低音が半端ないです。

当初義理の兄から譲り受けたスピーカーですが、既にその時からエッジの不具合で低音が出ていなかったようです。エッジを交換してところ、今まで聞いたことのない低音が復活したらしく、ここでもエッジを交換してよかったと改めて思ったしだいです。

愛着もさらに増し末永く使用していこうと思います。

以上が、Victor S-777 低音の擦れ音修理でした。