巷では、2nmプロセスの半導体を開発すると、インターネットやTVニュースでも目にすることが多くなってきた。
転職界隈でも、平均年齢50歳のラピダスが、年収1000万円以上を提示しているとニュース記事がにぎわっている。
政府がいくらいくらの支援を決めたとか、いろいろなニュースを見ているが、
今回も湯之上隆氏の記事をご紹介したいと思います。
私自身も90年代から第一線で半導体開発に従事していた身からも、湯之上氏の意見に大筋合意している。
というか、激しく同意している。
例えば、こちらのプレジデントオンラインの記事のように2nmプロセスを開発して何を作りどう儲けようとしているのか、サッパリ分からないのです。
もはや、2nmプロセスを開発することが目標になっております。※できるかどうかは別問題のようです。
製造装置でシェアを伸ばすことに激しく同意です。
文春オンラインの記事でもけちょんけちょんに批判されまくっています。
私もソニー時代に先端プロセスの開発に従事しており、厚木の設計部隊と長崎のFab部隊と一緒になって、半ば人質として長崎のFab近くのマンスリーマンションに住み込み歩留まりを日々改善するという毎日を過ごした経験があります。
既に製品の発売日が決まっているので、目標が達成するまでは帰れないという一方通行のような単身赴任のようでした。
それはもう、筆舌には書ききれない程いろんなことがありました。
さて、話しを2nmプロセス開発に戻します。
プロセス開発とは、ざっくり、モデリング、ライブラリ、設計技術、前工程、後工程、応用技術、品質、テスト、量産、不良解析etc…と多岐にわたる技術開発が必要です。
これらの技術以外に前工程の製造のため、Fabの立ち上げ、維持管理、後工程の立ち上げ、量産などなど、人・物・金のそれぞれ管理運用できる、組織が必要です。
知財とノウハウは、米国IBMからの支援を取り付けているようですが、恐らく期待してはダメだと思います。
私も、米国モトローラ時代に経験していますが、手取り足取り助けてはくれません。手取り足取りレクチャーしてくれるようなミッションと勝手に期待しているだけでしょうね。※残念ですが、、、。
因みに、モトローラは、シリコンインゴットの引き上げから自社でやっていたという、おおおと思ったことを記憶しています。
さて、技術の支援ではなく自ら習得するには、それなりのエンジニアを米国に送り込み、スポンジのように吸収しまくって帰国し、本国での立ち上げに移行しないとイケません。
過去の成功体験で、先端プロセス開発で再び!
では失敗すると思いますので、半導体製造装置・材料の開発に過去の成功大変を活かす!
の方がより現実味がありますよね。