アンパンマン おしゃべりいっぱいことばずかん半田クラック修理

アンパンマン おしゃべりいっぱいことばずかん半田クラック修理

今回も地域のおもちゃ病院での診察の記事となります。

初期版のタッチペンで、起動時の音声やLEDも無事点灯するのですが、絵本の絵柄への反応がないということです。

この初期版もそうなのですが、ペン先を強く絵本に押し付けたり叩いたり、場合によっては口に入れたりということで、半田付け部の不具合が多いです。

乾電池の抜き忘れでの基板腐食が次に多い感じでかね。

さて、まずは地域のおもちゃ病院で開催場所で1次診察しました。

地域のおもちゃ病院だと限られた時間と工具で診察するには、以下をまず確認します。それでも原因が分からない場合は、入院扱いとして持ち帰り治具や測定器でじっくり調査します。

  1. 電池の電源が基板端まで給電されているか?
  2. スピーカーは生きているか?
  3. 電解コンデンサーなどの部品が取れていないか?
  4. ペン先の赤外線LEDは点灯しているか?

限られた時間と工具ではこの位はチェックできると思います。

今回の案件もペン先のLEDが点灯しないところまでは判明しました。赤外線LEDが点灯しない原因は、初期版特有のコネクタピンの半田取れ、赤外線LED自体の故障、赤外線LEDが制御できていないという感じかと思い明日。

コネクタピンの半田付け以外の故障は、オシロやチェッカーが必要なので、ペン先のイメージセンサーのモジュールとコネクタピンの半田付けのクラックを想定し再半田付けを行い復活するかどうか確認しました。復活しなければ、持ち帰りで精密検査をします。

結論から申し上げると、推測はあっていたのですが、目視では確認できないくらいの半田クラックでした。目視でもクラックもなく半田できているように見えました。

当日は、時間も限られていたので、コネクタのピンの根元の半田を一式溶かし直して復活しなかったので、そのまま持ち帰りました。だって、その他のおもちゃがどんどん来ているので、当日現地で処置できるものとそうでないもののトリアージをしないといけません。

持ち帰り再診察します。

カバー外し

カバーを慎重に外して赤外線LEDを剥き出しにします。

この状態でLEDの点灯を確認します。

片側

片側しか付いていませんね。ちょうど過去に結線をあらったメモがあるので、そのメモに沿って導通をチェックします。

ピン配置

といっても、ピーピーチェッカーのプローブであてるこのできる端子は、LEDのリード線ぐらいなので、正直LED以外の半田付け部の導通は、つながっているのかどうかはわかりません。

赤外線LED端子をオシロで調べてみると、信号のパターンはもとよりどちらの端子もVccに張り付いたままです。

このアンパンマンのタッチペンの赤外線LEDは、カソード側をトランジスタで制御しているので、その制御ができていないようです。

おもちゃ病院の会場でも再半田付けをしたのですが、目視レベルではわからないクラックだったのかもしれません。気を取り直しコネクタのピンと赤外線LEDの足を綺麗に再半田付けしましたところ、無事絵柄への認識がするようになりました。

暗がりで撮影

赤外線LEDの点灯は、リモコンチェッカーなどでもできなくはないのですが、搬送波38kHz用のセンサーを使っていたりするので反応が鈍く、最終的にはスマホのカメラでのぞき見してみるのがいいのかもしれません。ですが、日中は部屋の環境光もあり正直よく見えないんですよね。

オシロがあれば、リードの足に直接プローブをあてて電圧をパターンを目視もできますし。

明るい部屋でもサクッと点灯確認できる手段を考えてみたいと思います。

因みに、家電用のリモコンチェッカーとはパターンの仕様が違うのでこれも反応が鈍いです。

そうこういいながら無事修理は完了できました。

めでたしめでたし。


2023年4月3日(月)

後日談

タッチペンをお返ししてから三ヶ月、半田剥がれが再発してしまいました。

絵本へのタッチの際は、やさしくとお伝えしましたが、やはり小さいお子様には無理がありました。

半田剥がれ
半田剥がれ

初回の依頼時よりもかなり酷く剥がれてしまっております。

まずは、再度半田付けして動作を確認します。

半田大盛り

半田を心持ち大盛りにして再半田して動作確認をしました。

無事動作確認もできたのですが、さて再発防止はどうしようかと考えます。

ペン先の半田剥がれは、この初期版の持病のようなものなので、剥がれが起きないようにします。弾性のエポキシ接着剤でコネクタ部とペン先を筐体に接着固定してしまいます。

また、基板もグラつかないように筐体に同じく接着してしまいます。

ですが、接着固定してしまうと、今後同様の故障や新規の故障修理ができなくなります。

この点は、ご依頼者に説明し了承をいただき作業します。

コネクタ部
ペン先
ペン先

接着剤は、粘性の高いドロドロしたものを選びます。

イメージセンサー内部に染み込むと元も子もなくなるので、くれぐれも注意します。

間違っても、瞬間接着剤なんかは使ってはいけません。どうしてもなら、ジェル性の接着剤を使ってください。

これで、しばらく持ちこたえてくれることを祈るばかりです。

アンパンマン キラ★ピカ★いっしょにステージ ミュージックショー マイク断線修理

マイク

アンパンマン キラ★ピカ★いっしょにステージ ミュージックショー マイク断線修理

地域のおもちゃ病院で診察した記事となります。

鍵盤でメロディを奏でる際に各種の効果音などが楽しめるキーボードとなります。

今回のご依頼は、マイクが断線したらしく声が増幅してくれないとのことです。

よくある修理内容なのですが、接触不良など共有したい不具合がありましので記事として共有します。

既にマイクの声が増幅しないということで、増幅しない原因は、マイクの断線もありますが、コネクタの接触不良やアンプ回路の故障などもあります。

マイクのコネクタを確認すると、既にプラグ部の根元が曲がっているのが目視で分かったので、プラグの根元が折れて断線していると推測しました。

また、プラグとマイク内のコンデンサーマイクの端子の導通を確認しましたが、Hot側もCold側も導通がありません。

ほぼほぼ、この断線が主因と思いますが、まずは断線を修理してそれ以外の故障もないか確認します。

プラグ折れ

持ち込まれた際は、まだ内部の支柱の半分は付いていたのですが、目視でも曲がって折れているのは確認できました。折れ曲がりは、恐らくマイク端子が刺さった状態でケーブルをひっかけて引っ張ってしまった反動で曲がってしまったと思われます。このような折れは補修というレベルでは強度的に耐ええないのでコネクタの先を丸ごと交換します。

内部も確認すると、プラグ根元をコネクタ根元部も金属疲労で断線していました。

折れに断線

ここまで破損が大きいとコネクタの交換一択ですね。

ですが、今手元には3.5mmミニプラグのコネクタは、3端子のステレオタイプしかありません。モノラルのプラグが手元にないのですが、通販などで入手すると送料もかかるし、通販で調べてみると、なんとステレオとモノラルどちらも部品価格は一緒なんですよね。

ステレオプラグの方が高額かと思いきや同額であれば、その部品代のみでステレオプラグを代替えで取り付けたいと思います。

ステレオプラグをモノラルで使用するだけなので、R側とGNDをコネクタ内で短絡させて接続してしまいます。

因みに、L/R/GNDの位置関係は、こちらのページが参考になります。

接続

こんな感じで半田付けしておきます。

この時点でマイクのテストはしておきます。

このコネクタですが、ケーブル穴径が大きく今回ような細目のケーブルで取り付けるとブカブカです。いつもの熱収縮チューブとビニールテープでしっかり固定できるようにケーブルに巻き付けて固定します。

こんな感じ

しっかり固定できました。

で、差し込んで再度マイクテストをすると、

なんと!

声が出ていません。

なんでだー?

コネクタをくりくり回してみると、接触が悪いポイントがあるようです。

そうなんです。

このマイクピンのプラグの根元が当初、折れていたというのは前述したとおりですが、この折れが起きた際のケーブル引っ張りの反動が強すぎて本体側のジャック側にもその影響が出ていたんですね。

ジャック

調べてみると、L端子のバネ部が曲がっており、基板の半田付けもクラック入っております。

曲がりを調整して基板の半田付けも再半田付けをすると、無事どの角度で差し込んでも良好にマイクが使用できました。