たまごっち 5個修理

たまごっち 達

たまごっち 5個修理

今回は、以前にも依頼のあった方から、新たにお持ちの5個のたまごっちの修理依頼を受けました。今回もそれぞれの症例についてご紹介をします。

デビルっちのたまごっち 白

ハングアップ状態

届いた状態では、液晶が全反転したままハングしているような状態でした。

裏蓋のネジの頭が取れてしまったそうです。

ネジ折れ
左側

左側のネジは、頭部分が取れてしまっていますね。

デビルっちのたまごっちですが、ネジ径の折れがホント多いです。

製造段階でのネジ締めを多分電動ドリルで絞めているのか、白、黒、ピンクどれもネジを開けようと回すと、たいがい頭が折れてもげます。

今回の依頼も、残った右側のネジを外し動作確認という内容ですが、既に折れてしまった右側は、以前のケースと同様にネジ穴を再建しましょうかと思っていました。

※この時までは、、、

では、どちらにしても右側のネジを外します。

が、あえなく失敗しました。( ̄▽ ̄;

というか、既にネジが弱っていました。

ネジ折れ

右側のネジも開封しようと挑戦してもあえなくぽきっと折れてしまいました。

ボタン電池も液漏れを起こしています。

ネジの残骸

両側のネジが折れてしまった場合、ネジ穴の再建はできません。

ネジを絞めるだけの強さがないため、電池の蓋を閉めることが恐れく難しいでしょう。

では、方針を変え本体裏面の筐体は、外せるか調べます。

開封

無事裏面の筐体を外すことができました。

ではでは、この裏面の筐体を丸ごと交換してしまいます。

表面は、意匠系のデザインがあるので同じデビルっちのたまごっちからでないと移殖は難しいのですが、裏面の筐体であれば、意匠系のデザインがないので、同じ白のたまごっちから移殖できてしまいます。

左:ネジ折れたヤツ、右:新種発見たまごっち

ちょうど、以前部品取りとして入手していた新種発見たまごっちの白があります。

金型が同じなのでそのまま移殖できます。

圧電素子の半田を外し、チェーンも外して交換してしまいます。

換装成功

新品のネジも装着し換装完了です。

で、で、で、肝心の動作確認をします。

でき漏れは起きておりましたが、電極の腐食もなく、押しボタンの接触も問題ありませんでした。

動作確認

修理完了できたので良かったのですが、蓋ではなく筐体を固定しているネジも折れてしまった場合を考えると恐ろしいですね。

後日談として、換装できる部品取りが無い場合は、やむなくネジ穴を再建せねばなりません。再建を試行してみたので、こちらのスタッフブログでご紹介しております。

次、行こう!


てんしっちのたまごっち ピンク

てんしっちのたまごっち

裏蓋のネジが固くて開けられず、そのため電池も交換できずで動作確認もできていないとのことでした。

ネジの状況を確認します。

左側
右側

ネジの溝自体の潰れはそれほどでもないのですが、強固に本体に食い込んでいるためビクともしません。

この状態で力任せにドライバーで回してしまうと、ネジの溝を削ってしまいます。

依頼者様が、このレベルでご依頼いただいたのは、大正解でした。

この判断は、吉と出ます。

無事開封

ネジ溝を潰さないように慎重に開封します。

無事開封に成功しましたが、ボタン電池からの液漏れがあります。

腐食

腐食が電極の接点に広がっていますね。

では、研摩前にそれ以外の動作の状況を確認します。

外部電池

外部電池からの起動は問題ありません。ビープ音も正常です。

基板のパッドとシリコンボタンの接点をアルコールで拭きます。

押しボタンの感度も良好です。

ということで、電池の腐食部を研磨しますが、電極確認でボタン電池をボタン電池の接触部の電極が腐食で折れているのが分かりました。

左:折れた電極、右:交換電極

液漏れでの腐食があると、電極の折れ曲がっている箇所が脆くなるらしく、よく折れます。

手持ちの電極にサクッと交換してしまいます。

研摩

ルーターでびっしりとこびり付いた粉の部分を研磨して綺麗にします。

ボタンの接点も綺麗にアルコール拭きしておきます。

修理完了

ネジを交換し動作確認をします。

動作確認

問題ないですね。

次、行こう!


てんしっちのたまごっち 銀

てんしっちのたまごっち 銀

てんしっちのたまごっち ピンクと同じくネジが固く開けられないというのと動作確認もできていないとのことでした。

ネジ

ネジ溝は無事ですが、こちらも強固にネジの溝が食い込んでおり非常に固いです。

同じく慎重に開封します。

無事開封できボタン電池からの液漏れの影響もなく綺麗な状態でした。

ボタンの感度接触も問題ありませんでした。

動作確認

どんどん行こう!


緑のたまごっち

緑のたまごっち
ネジの状態

こちらもてんしっちのたまごっちと同様にネジが固くて開けられないとのことです。

こちらも強固に食い込んでおりましたが、ネジの溝がある程度無事であったので、無事開封できました。

やはり、ネジ溝が残っている状態で依頼されるのと、ネジの溝が無くなる程こじってから依頼されるでは、開封成功の確率が段違いです。

ネジ出てきた

ボタン電池からの液漏れで電極が腐食していますね。

液漏れ

ルーターで研摩し綺麗にしておきます。

研摩完了

押しボタンの電極接触箇所もアルコールで拭きとり綺麗にしておきます。

動作確認

では最後です。


スケルトン青のたまごっち

スケルトン青のたまごっち
起動

こちらのたまごっちは、押しボタンが効かないとのことでした。

起動してみると、押しボタンに全く反応しません。

分解して接点を確認します。

ボタンのパッド

多少の汚れなどはありますが、致命的ではないので、アルコールで拭きとり綺麗にしておきます。

ボタンの接点

ボタンの接点もアルコールで拭きとるだけでは、Aボタンの接触不良が残りました。

そこで、必殺技で接触を回復させました。

ところで、液晶のレンズが汚れています。

レンズの汚れ

液晶面は、ガラス面に貼られた偏光フィルターなのでアルコールで拭きで綺麗にしますが、このプラスチック製のレンズは、アルコールで拭くとえらいことになります。

やっちゃった方は分かると思いますが、レンズが溶けて濁ります。

このレンズの素材はアルコールに弱くすぐ溶けてしまいます。

なので、水拭きで綺麗にしますが、それでもダメな場合は、中性洗剤で良いと思います。

以前のような何かを溢してしまいレンズ周辺が溶けてしまった案件もあります。

サクサクと組み立て動作確認をします。

動作確認

無事押しボタンの感度が戻りましたね。


今回のご依頼5個も無事修理完了できました。

メデタシ、メデタシでした。