ソニーリピートカードプレーヤー CP-7000 電子回路修理

ソニーリピートカードプレーヤーCP-7000の修理依頼がありました。

※久しぶりのカードプレーヤー修理ですが、カードプレーヤーは常時受け付けしております。

故障の症状は、以下のような感じです。

  • 電池を入れると電源が入りっぱなしで電源OFFにできない。
  • カードを挿入すると音声が再生はされるが、音声が不鮮明。
  • ボリュームの増減はできる。

CP-7000については、過去にも同様の症状修理の経験がありましたので、早速ですが診断しました。

電子回路に多岐に渡る故障がありましたが、原因も判明し無事修理もできました。

修理完了動画

では、故障原因と修理の詳細です。


ソニートーキングカードプレーヤーCP-1000溶解ゴムベルト修理

カードの引き込みができなくなったということで修理の依頼がありました。

CP-1000は、プーリー軸のグリス固着などありますね。

では診断しましょう。

プーリー軸のグリス固着もありましたが、油断していましたゴムベルトの溶解でした。

CP-33やCP-55でもお馴染みのゴムベルトの溶解でした。

溶けたゴムが粘り付いていますね。

こう接着剤の如くカッチコチです。

綺麗に除去します。

手は真っ黒になります。

アルコールで綺麗にします。

その他に電池ボックスの電極の汚れや磁気ヘッドのアジマス調整します。

カードの再生速度も遅めになっているので調整します。

多少は摩擦も残っているのですが、ゴムローラーもこの機に新品に交換します。

本体も綺麗ですね。

修理をメンテナンス実施で今後も長く活躍してくれるでしょう。


動作確認も良好です。 どうもありがとうございました。

~ご依頼者様のご感想より~

ソニーカードリピーター CP-55 カラカラ音修理

ソニーカードリピーターCP-55の修理依頼がありました。

動作確認済みということでネットで購入した機種とのことですが、カラカラ音が出てしまい使えない状態とのことです。

やはりフリマなどで修理済みや動作確認済みという商品は、一時のみ動作しても、本商品のような発売から経年した商品は何らかの問題のリスクを抱えていると思います。

フリマで出品されている商品では、肝心の劣化部品すら交換していないにもかかわらず、本来ジャンク品扱いなのをメンテナンス品として販売されているような品物も多くありますので、皆さんご注意をください。

では診断をします。

今回は、お持ち2台のCP-55を診断し状況に応じて1台のみ修理というご意向でした。

1台目は、ほぼ新品の状態でネットで購入後にカラカラ音がし出したということです。

2台目は、カード再生時のみ再生音が小さくなるとのことで、リピート再生時は問題ありません。

診断の結果、状態の良い1台目のみ修理ということになりました。2台目は、ゴム系部品の交換や恐らくカップリングコンデンサーの交換などでより費用が掛かるため断念されました。

カラカラ音

カラカラ音しますね。

駆動系で何か干渉しているようです。

汚れもなく磁気ヘッドのコア摩耗も少なく状態がとてもいいです。

ゴムローラーの硫黄抜けがなく固化もしていません。

ゴムローラーはこのまま使用いただけます。

カラカラ音の原因は、このゴムベルトでした。

劣化で伸び固化した曲がり癖でカラカラ音を出しています。

ネットで修理した記事で、同じ素材のゴムベルトに交換したという記事を多く拝見します。

たぶん、隣国などから入手したであろうカセットテープ用の補修部品などなんだろうけど、そんな部品で修理してもいいのでしょうかね。

もともと、オーディオ用の部品かもわからないですし、実際当医院でも品質検査をしたことがありますが、1年以内に破断するという事故が複数起きておきます。

当医院では、まったく違う素材のベルトを使用しており、多数の修理実績と耐久性の確認もできております。すくなくとも5年以上は品質を持続しております。

プーリー部のメンテナンスも実施しておきます。

機構部の修理は以上です。

また、CP-55の持病である再生音が小さくなるという事例多いです。

カップリングコンデンサー一式を予防措置的に交換しておきます。

動作確認

カラカラ音も消え再生音質も良質ですね。

お孫様とカルタ遊びをされるとのことなので、楽しんでもらえたらと思います。

以上で修理完了です。


トーキングカードはフルセットで購入した とても思い入れのある玩具なので、またカードを聴けるようになりとても嬉しいです。

プレイヤーは今回修理していただいたもので歴代4台目です。

我が家にあった物は娘がくもん教室で使っていたものなので かなり劣化していたんですね。

今回修理していただいたプレイヤーは、我が家にあった物が壊れたので ネットで購入したものですが、あまり劣化のないものだったようで 早く修理が完了出来てよかったです。

こんかいカタカタ音がしていた、このプレイヤーも年代物なので 半分諦めていましたが、 こんなに早く、昔の鮮明な音によみがえらせていただくことが出来て本当に嬉しく思っています。

孫ときれいな音でカルタ遊びが出来ると思うととてもうれしいです

~依頼者様のご感想より~

ソニーカードリピーターCP-55A ゴム系部品交換修理

カードの自動引き込みがされず、手で押してあげると音声は変ですがスピーカーから音はするということです。

プーリーのグリス固着とゴム系部品の劣化と思われます。

グリス固着ですね。

カチコチというわけでないですが、ゴムベルトからの硫黄成分でプラスチック部品が濁ってしまっています。

ゴムベルトも伸びていますね。

交換をしますが、同じNBR系のニトリルゴムは耐久性や先の硫黄分の抜けなどを考え、交換は不適切と判断しています。当医院では、オリジナルの高耐久性の部品に交換をしています。

左が劣化ゴムローラーで、右が新品のゴムローラーです。

劣化のゴムローラーは表面がテカリはじめていますね。

これも新品のオリジナル部品に交換します。

フリマで、これらの部品を交換せず修理して販売している方が居られますが、メンテナンス如きでは滑りはすぐ再発します。既に硫黄分が経年で抜けているので交換が必須です。

ひょっとしたら、それを購入された方が当医院に修理依頼しているのでしょうか??

その他も診断します。

磁気ヘッドのコアは摩耗が見られますが、特に問題ありません。

付着した硫黄分もアルコールで拭きあげ綺麗にします。

駆動系の機構モジュールの修理は以上で完了です。

スポンジ類も劣化でボロボロなので交換します。

次に電子回路ですが、CP-55系の持病対策もありますので、電解コンデンサーは一式交換します。

カードのスライド再生速度を検査カードと測定器でチェックし調整します。

ゴム系部品を交換した場合は、カードとのあたりなどや経年での速度変化もありますので、速度検査は必須です。

動作確認

完璧ですね。

再生音質も最良です。

このP-55Aは、カードサイズの大きいカードも全域がリピート録音再生できます。

完全復活して活躍してくれるでしょう。


カ−ドがあっても、本体が壊れていては聞くこともできませんでしたが、今回修理をしていただき感謝しています。

今回は本当にありがとうございました。

~依頼者様のご感想より~

DWE デジタルプレイメイト SDカード故障

今回の記事は少々特殊というか修理という範疇ではないのですがご紹介します。

依頼者の方は、中古でDWEのプレイメイトシステム一式を購入されたらしいんのですが、使い方含め故障しているのかどうかということで依頼がありました。

まずは、このライトライトペンについてです。

前にミッキーマジックペンというグリットオンプットという仕組みを使った絵本の絵柄にペンをタッチして音声を再生するペンを修理したことがあったのですが、このペン型のアイテムも進化しております。ライトライトペンは、以前のバージョンになります。

今回依頼のペンは絵本に印刷された導通箇所にペン先をあてるとペン先の導通点2か所が短絡され、効果音とLEDで正解を知らせるという仕組みでした。

依頼者の方は電池を変えても絵本に何も反応しないということでしたが、実は絵本以外にも対となるDVDも一緒に見ながら質問に答えていくというものでした。

DVDの指示にしたがい、該当のページで質問の回答の絵柄の黒い点にペンをあてるという仕組みで試してみると問題なくペンも反応しました。

遊び方

こんな感じでペンをあてると反応します。

ということでペンは故障なしでした。

次にプレイメイト本体を診断します。


このタイプのプレイメイトは、SDカードをセットして使用するのですが、SDカードを裏面のカードスロットにセットしカードを差し込んでも無反応です。

以前の経験からSDカードに問題あった場合は、LEDが3回手滅ということを知っていたのですが、3回点滅しません。

ですが、なんかいつもと違う点灯と消灯をします。

何か起きている雰囲気がします。

その通りで、カードを差し込んでもうんともすんともです。

そこで当医院のSDカードを差し込んで動作確認をすると問題なく再生でき録音もできました。

付属の外付けマイクの動作確認もできました。

なるほど、SDカード故障ですね。

そこで、故障したSDカードを当医院のプレイメイトで可動テストすると、同じうんともすんともとなりました。

SDカード故障で決まりですね。

そこでパソコンでデバイスの状況を確認しようとしてもデバイスすら認識できません。

かろうじて認識できてもアクセスできないのでハングします。

依頼者様と相談をし、代わりのSDカードを別途入手し動作確認の上、返送となりました。

因みに、SDカード故障の修理はできません。※というかできるのかどうかわかりません。

これで、このプレイメイトも活躍してくれるとうれしいです。


迅速に対応していただきとても満足しています。

破損した部品を仕入れて直していただき色々な手間も省けてとても助かりました。

ありがとうございます。

届いてすぐ子供達も楽しそうに遊んでいます。

~依頼者様のご感想より~

ソニートーキングカードプレーヤーCP-1200 磁気ヘッド移殖修理

CP-1200の修理不可能であった事例紹介です。

立て続けに2件の事例でまったく同じ磁気ヘッドの故障でした。

過去に数件同じ症状を経験しているので、もう持病といってもいいと思います。

もちろんですが、磁気ヘッド故障の起きていない機種を修理できたことも多いので一概に言えないですが、症例としては多めですね。

アンプ回路にも故障があり故障部品一式を交換し、まずは音声を増幅できるまで修理を行います。

次に磁気ヘッドは治具で動作を確認したのですが、やはり音声が小さくボリューム最大で何とか使えるレベルとなり、サーというノイズも一緒に増幅されて使い物にならないという次第です。

因みに、磁気ヘッド故障の機種は全てCP-1200のマイナーチェンジ後のようです。

多数のCP-1200を診ていると分かるんですが、カードの駆動方針が量産途中のロットで仕様変更が入っています。

初期ロットは、カードを駆動するゴムローラーと磁気ヘッドにカードを密着させるピンチローラーがCP-1100と同じく一体化で制御されており、マイナーチェンジ前は、ゴムローラーがカード駆動と磁気ヘッドとテープの密着を兼ねているタイプとなります。

マイナーチェンジ後のロットでは、本記事同様に磁気ヘッドとカード駆動が分離制御されております。この方式での磁気ヘッド故障が多いです。

立て続けに2件で磁気ヘッド故障にみまわれてしまい少々意気消沈しております。

依頼者様のたってのご希望で磁気ヘッドの移殖も踏まえ修理に挑みました。

故障は多岐に渡り、いろいろたいへんではありましたが、思い出のお品物ということで、気合を入れて是が非でも修理をします。


故障箇所を一つ一つ診ていきましょう

まず、筐体のあちらこちらで割れや破損があります。

カードを差し込み挿入するスリット部に破損があります。

このスリット部もたいへん脆いです。

カードがスライドする際に正常位置にアライメントする役割も兼ねているので、このスリット部品は部品取り機から移殖します。

筐体の端も割れていますね。

CP-1200の筐体は、経年でとても脆くなりますので、落下や衝撃ですぐ割れてしまいます。ネジ締めだけでもすぐ破損してしまいます。

↓これです。

ネジを回したとき、バキっと音がすると支柱が折れていたりします。

しかも、、、

ネジも曲がっておりました。

これは落下か衝突時の衝撃でネジが曲りしかもネジ受けの支柱も折れてしまったという事態ですね。

曲がったネジは、部品取り機から移殖しますが、折れた支柱は接着などでは強度的にダメなので、カバー丸ごと部品取り機から移殖しようかと思い、依頼者様に相談したところ、できるだけ現状を残せるだけ残して補修して欲しいとのことでした。

やはり思い出のお品物なので、現状を残したいお気持ちは大事ですので、支柱の補修策を検討します。

補修は強度も兼ねないとイケませんので、折れた支柱を両側からネジ止めします。

UVレジンやエポキシ接着剤、プラリペアなどの補修材は無力です。

ネジ止めの力であっさり破損します。

鉄製のネジです。一度曲がってしまっているので、部品取り機からネジを移殖します。

筐体の折れた支柱の裏側にM3のタッピングネジを打ち込んで支柱を両面から固定します。

今までなかった場所にネジがあるので、依頼者様にはご了承をいただいておきます。

慰め程度ですが、接着剤を隙間に盛っておきます。

接着剤が固着するまでネジ止めして固化を待ちます。

こんな感じになりますが、補修後に問題が発見されました。

両側からねじ込むのでネジが奥までねじ込めなくなりました。

そこで、M4のスペーサーを適宜パイプカッターでカットして固定できるようにネジにハメてねじ込みます。


次に割れ箇所の補修をします。

まず、割れたスリット部品を綺麗に外します。

無理に外すと他の箇所も割れてしますので、慎重に作業します。

裏面が熱したコテで溶かし固定されているので溶解した突起を削り外します。

次に移殖部品も綺麗に外さないとイケません。

綺麗に外せました。

かなり神経と使いました。

ここも慎重にはめ込みます。

はめ込んだ後は、削った突起部に接着剤を流し込み固定します。

バッチリ綺麗に仕上がりましたね。

次に割れた破損箇所の補修です。

割れは、ワイヤー固定してエポキシ接着剤を盛って固定します。

割れの補修は以上で完了と思いきや、アルミのパネルの端が剥がれかけています。

CP-1200のパネルは、経年で接着剤が劣化し剥離します。

依頼者様で以前既に一度接着した痕がありますが、その痕ごと剥がれてしまっております。

接着剤の残りは綺麗に削り接着剤の食いつきをよくします。

アルコールで汚れも落としピッカピカです。

電池ボックスの乾電池を抑えるスポンジも交換します。

これで筐体側の補修は完了です。

次に本体内部の機構部の修理に取り掛かります。


まずは、当然のごとくゴム系部品の劣化があるので交換をします。

劣化で固化して伸びてもいます。

マイナーチェンジ後のCP-1200は、ゴムローラーのサイズが半分です。

これは、前述のカード駆動と磁気ヘッドのピンチローラーが分離されているからです。

このゴムローラーも表面がツルツルになっていますので交換します。

ゴムベルトの機構部も劣化したグリスを交換し金属部の汚れもルーターで研摩してピカピカにします。

ここまで作業し組み付けカードの音だし確認がやっとできるようになります。

依頼者様のところで、カードの引き込み以外にも音がでずボリュームを効かないとお聞きしておりました。

まず、磁気ヘッド、アンプ部、スピーカーなど確認します。

まず、電子回路の増幅回路に問題があります。

スピーカーは、インピーダンスを計測し音出しも問題ありません。

ですが、ボリュームMaxでもウンスンです。

これオカシイです。ホワイトノイズすら出ていません。

調べてみると、アンプに故障がありましたので、ACカップリングコンデンサー全てとパワーアンプ部の周辺コンデンサー、プリアンプ部のダーリントンのトランジスタ2個を交換してしまいます。

既に前述していますが、これでスピーカーからサーノイズが増幅され出てきました。

最後に、カードで磁気を読み取り再生確認します。

ざんねーん!

ほぼ聞こえません。

アジマスを調整しても、どーやっても音量が出ません。やっと出たと思っても音質が悪いです。

そこで、磁気ヘッドの動作確認治具で確認しましたが、音量がとても小さいです。

磁気ヘッドの故障ですね。

トーキングカードプレーヤー用の磁気ヘッドは新品が入手できません。磁気ヘッド故障の場合は、中古部品を移殖する以外方法がありません。

前述の通り、たってのご希望でということで、フリマで磁気ヘッドが生きているCP-1200を入手し移殖します。

どちらも摩耗が進行していますね。

左が故障品で右が新たに入手した無事な移殖品です。

磁気ヘッド移殖動作確認

無事再生できるようになりました。

音量も音質とも問題ありません。

アジマス調整の際にネジを折ってしまうなどハプニングもありましたが、なんとかここまで来れました。

調整後は、最適位置でネジ類とネジロックしておきます。

隅々まで綺麗にして組み立てます。

動作確認

いろいろ故障箇所が多岐にわたっておりましたが、思い出のお品物ですので、無事カード再生できるまでしゅうりできました。

しっかり修理しフルメンテナンスも済んでおりますので、これからもより一層活躍してくると思います。


再び懐かしいカードの再生音を聴くことが出来て感激しています。

音を聴いてそれぞれに昔の記憶が蘇ってきました。

子供4人が長く遊んだので、もう寿命だろうと思い、今回の修理が無理であればお別れをしなくては思っていたので、治療して頂いて感謝しています。

家族も喜んでおり、今度は孫たちが遊んでいます。

カードプレイヤーの修理を受けて下さり、ありがとうございました。

また大切に遊んでいきます。

~依頼者様のご感想より~

ソニートーキングカードプレーヤーCP-1200修理不可事例

当医院の得意としているソニー製のトーキングカードシステムがあります。

その中にCP-1200という商品があります。

今回の修理が難しかった事例を紹介します。

どのカードシステムもそうなのですが、故障部品で既に市場で入手のできない部品であったばあい交換ができないため修理不可能となることがあります。

今回は、その中でも特に多い磁気ヘッド故障で修理不可能となる事例です。

ご存じの方が多いとは思いますが、トーキングカードシステムは、磁気テープが絵柄の印刷された厚紙に貼られております。

この磁気テープを磁気ヘッドで読み出しアンプで増幅するといった仕様となっております。

既に20~30年前の商品なので、メーカサポートもなくもちろんですが保守部品も入手できません。

特に専用設計されたであろう部品が故障した場合は、ジャンク品からの移植でもいないかぎり修理不可能になります。

今回のCP-1200は、ゴム系部品の劣化以外にも再生音が小さいという症状がありました。

過去の修理経験でもCP-1200で使用された磁気ヘッドの故障確率が高く、どれも磁気の読み取り不良でした。記憶にあるだけでも数件おなじ磁気ヘッド故障です。

依頼を受けた際は、ゴム系部品の交換や各所メンテナンスを実施し再生音量も改善するかもと期待をしていたのですが、磁気ヘッドの故障でほぼ磁気が拾えていないという状況でした。

ただここまでたどり着くまで、その他の故障個所をすべて潰してからでないと最終判断を下させないという難しい状況もあります。

磁気ヘッドの故障は、検査治具を用意していたので治具側にヘッドを接続し磁気が読み取れているか確認したのですが、ほぼ読み取れておらずでした。

既に磁気ヘッドの摩耗もありますので、アジマスの調整でなんとか最適な位置にできないかと格闘したのですが、その甲斐なく修理可能という判断となりました。


ソニートーキングカードプレーヤーCP-1000 CP-1100修理

ソニートーキングカードプレーヤー2台の修理依頼がありました。

CP-1000とCP-1100でどちらもカードが自動引き込みされず音声の再生もされないとのことです。

早速、CP-1000から診断しましょう。


CP-1000

経年劣化でゴム系部品の交換が必要です。

フリマやオークションで、ゴムローラーを新品に交換していない商品を修理品と称し目にしますが、小手先のメンテナンスなぞでは、すぐまた稼働しなくなりますので、皆さまご注意をくださいね。

純正のゴムベルトが経年で伸び溶け始めています。

因みに、このゴムベルトも汎用品がネットで入手できますが、信頼性がなく、半年から1年で切れてしまったという報告を受けています。当医院では、オリジナルのベルト部品を使用しており数年というレベルでの破断などなきことも確認ずみです。

これが肝心のゴムローラーです。表面の固化でツルツルになります。

カードを直にスライドさせる、重要部品のひとつになります。

いづれも新品部品に交換します。

また、各所稼働部の劣化したグリスなども洗浄し再塗布します。

グリスメンテナンス。

今回は、磁気ヘッドへの溶けたゴムなどの粘着もありませんので、その他、各所も綺麗にメンテナンスしておきます。

スピーカーの台座のスポンジも劣化してボロボロなので、綺麗に除去しスポンジテープに交換しておきます。

CP-1000では、底面のゴム栓も劣化して外れておりますので、新品のゴム栓に交換しておきます。

動作確認

音質など問題ありませんね。これにてCP-1000は修理完了です。


CP-1100

CP-1100も同様にカードの引込自動再生ができないとのことです。

ゴムベルトが切れていますね。

1本が切れており、もう1本も伸びきっていますね。

このタイプのゴムベルトは、時間の経過でこのように切れてしまいます。

ゴムローラーはテカテカ光っていますね。新品に交換します。

長期間のご使用でフライホイール軸のフランジのネジが緩んでガタガタになっていました。

一応ネジ止め処理はされていたはずなのですが、やはり経年で取れてしまったのでしょうね。

真鍮など各所の錆あがりもルーターのブラシで綺麗に研摩しておきます。

箇所汚れなどもピカピカにしておきます。

各所ネジ止めも塗布しておきます。

動作確認

問題ありませんね。

どちらも無事修理完了です。


DWE デジタルプレイメイト録音故障修理

DWE 両面デジタルプレイメイトのマイク録音ができないということで修理の依頼がありました。

このデジタル版のプレイメイトは、カード裏面において録音機能が実装されております。

取説のとおり裏面のみになりますが、録音した音声を再生し聞くことができます。

本体内蔵マイクや外付けのマイクで音声を録音し再生できます。録音データは、SDカードに保存されます。

アナログ系の機種であれば、カードの磁気に違うトラックで音声を録音しますが、デジタル系では録音のメカニズムが異なります。

事前に症状として本体内蔵のマイクでも録音できないかのご確認をお願いしておりましたが、本体側の内蔵マイクでの録音もできないとのことです。

そうすると、本体側の内部回路の故障の線が強くなります。

マイクの断線なんかは、付け根の金属疲労で断線し他のおもちゃでもよく修理をするのですが、今回はどうも事情が違うようですね。

では、現物を拝見します。

届いてすぐ、念のため本体内蔵マイクおよび外付けマイク両方の録音テストをしてみましたが、やはり録音できません。というよりは、エラーなどではなく、無音が録音されているかのような動作です。

以前、SDカードの保存ファイルの破損で動作しない修理をしたことがあったのですが、その際は、SDカード内の録音データとカードとの紐づけファイルが破損しており、録音どころか再生もできないという症状でした。もしかしたら、SDカード内の紐づけファイルが破損してしまっていたのかもとよぎりました。

ということは、まず録音できない原因箇所の切り分けをします。

まず、当医院には動作確認用のデジタルプレイメイトのありますので、その機種で今回の依頼者様のSDカードで録音できるか確認します。

無事録再生できました。依頼者様のSDカードは問題なしです。

ということは、原因は本体機種内部にありそうです。※一旦外付けマイクは置いときます。

次に当医院のデジタルプレイメイトで録音したSDカードの音声を依頼者様のデジタルプレイメイトで再生できるか確認すると、これも無事再生できました。

あら!?できちゃったのね。。。

ということは、ほぼ断線の線が強いです。当初動作確認時の動作のように録音はされていたが、無音が録音されそれを再生していたのでしょう。

本体を分解しマイク回りの目視確認をします。

本体内蔵のマイクはLEDと一緒に基板につけられております。基板の下部には外付けマイク用のジャックがあります。

とりあえず、コンデンサーマイク部品の故障の線を疑いサクッと手持ちのコンデンサーマイク部品に交換をしたましたが、やはり録音できません。コンデンサーマイク部品の故障ではありませんでした。そうすると、基板とケーブルなどの断線も懸念されます。

調べてみると、マイクジャックの切り替え端子の接触不良でした。

使用されているジャックは、PJ-306で4番と5番ピンの接触不良があります。

イヤホンジャックとかでよくあるのですが、内蔵スピーカーとイヤホンの接続を切り替えるためにプラグを挿すと回路が切れてプラグ側が有効になるという仕組みです。

今回のプレイメイトのマイクも外付けマイクを差し込むと本体内蔵のマイクは無効化するため回路が切れ外付けマイクが有効になります。

が、接触不良で回路が常時切れており外付けマイクが有効になりっぱなしです。

恐らく、マイク端子を挿しっぱなしで長期間保管したので、接点表面に腐食膜があがったのでしょう。

早速小手先ですが、接点復活スプレーを吹いてプラグの抜き差しを繰り返しましたが、全く効果なしです。ジャックを外して分解清掃でもしようかと思ったのですが、工数もかかりそもそもコネクタ分解に際し壊してしまう危険性もありました。

ちょうど、当医院に部品取り用のデジタルプレイメイトがありますので、その機種から該当のマイク基板を移殖することにしました。

サクッと移殖交換したところ、無事本体内蔵側のマイクで録再生できるようになりました。

さて、肝心の外付けマイクに作業を移します。

前述のとおり、外付けマイクが常時有効で録音できなくなっており、状況からも無音の録音っぽいので、外付けマイクの断線かコンデンサーマイク部品の故障の線を疑います。

ですが、マイクは分解が厄介です。

ネジ止めではなくマイク上部に溝が切られておりねじ込んで接着されております。当初は、境界面でノコギリでカットしようかと思ったのですが、隙間を抉るとカパッと外れます。

画像のとおり、しこたま接着剤が塗られているので上部のカップを割らない程度にこじって外しましょう。

あとで再度ねじ込むので接着剤の残りとこじってボロボロになった溝を整えておきます。

さて、外付けマイクの故障を調べます。

すぐ分かりました、半田付け箇所が取れております。これですね。

これも策と再半田しテストすると無事録音できるようになりました。

緩衝用のウレタンスポンジとこじってはずした箇所をスーパーXで点付けしておきます。

組み立て後に最終録音テストで確認し修理完了です。


ソニー リピートカードプレーヤー CP-33修理

ソニー リピートカードプレーヤー CP33の修理依頼がありました。

CP-33は、製造時に使用されているゴム素材が原因で、経年すると溶けて粘着するということがほとんどです。

溶けたゴムベルトは除去し洗浄すればいいのですが、ゴムローラーは磁気ヘッドのコア部に密着しているので、粘着すると厄介です。

コア部のアモルファス合金の層間にあるこちらも接着剤に癒着し固化すると剥がせません。物理的に剥がすとコアを破損してしまいます。

過去には、研摩などを行って修復をはかったのですが、いづれも失敗しております。

このような理由からCP-33は難治であることをこちらのスタッフブログでも紹介しております。

依頼様より事前に粘着による不具合はない旨をお聞きしておりましたので、一安心し受け付けをしました。

昨年まで使えていたが、今夏突然カードの自動で引き込み再生しなくなったということです。

カードを手で押してあげるとスピーカーから再生音は出ているそうです。

磁気ヘッドおよび回路部には問題はなさそうですね。

では診断を開始します。

内部は綺麗ですね。

カード検知のスイッチを入れるとモーターは回ります。

おっやー!

プーリーのゴムベルトが無くなっていますね。

モーターが空転しています。

不具合の原因のひとつはこれですね。

ここに居た!

こちらも外れかかっています。

ゴムベルトが伸び伸びで柔らかくなっています。溶ける寸前のようです。

ゴムベルトのみを暫定交換して動作を確認すると無事カードを引き込み再生してくれました。

音質も問題なく再生速度も問題ありません。

最重要なゴムローラーも現状は引き込みできていますが、ご相談の結果交換することになりました。

今後の末永くご使用になる場合は、交換がお勧めです。

※フリマやオークションで、メンテナンス品と称し販売している方がおられますが、この最重要なゴムローラーを交換せずに出品されているのを見たことがあります。既に製造から数十年経過して硫黄成分も抜けきっていますので固化するのも時間の問題で、メンテナンス済みというのを勘違いして、不具合がすぐ起きてしまうかもしれません。。。売りっぱなしなのでしょうね。。。しかも、当医院の修理費用よりも、かなり高い。

話しを修理に戻します。

その他の不具合を確認します。

あらー、基板に腐食のような汚れが広がっていますね。

ここにもあった。

93年にメーカー修理をした履歴があったので、その痕かもしれません。

クリーナーで綺麗にしておきます。

コネクタの接点には復活剤を吹いておきます。

磁気ヘッドもきれいですね。

後は粛々と作業をします。

古い劣化したグリスは綺麗に洗浄し各所もアルコールで綺麗にします。

左:劣化ゴムローラー、右:交換ゴムローラー

ゴムローラーも新品に交換します。

本体内部も各所綺麗に清掃します。

動作確認

問題ありませんね。これにて修理完了です。


素晴らしい技術力でいらっしゃいます。 心より感謝申し上げます。

~依頼様のご感想より~