スカルメモリ スイッチ接触修理

スカルメモリ CSM版

スカルメモリ スイッチ接触修理

スカルメモリという別にあるベルトに装着すると各種効果音と先頭のLEDが点灯するものです。今回のご依頼は、2点です。

  1. スピーカーの音量とDX版と同じようにしてほしい
  2. 装着時の反応が不安定

さて、まず1.についてですが、比較用としてDX版もご提示いただきました。確かに、装着時の効果音が心持ち大きいです。部品の製造誤差ともいえない有意差のようです。分解し調べてみましたが、部品や基板レベルでは不具合箇所はなさそうです。

実は、ETERNALというスカルメモリもお預かりしており、こちらの音量も小さいとのことで聞き比べてみるとやはりCSM版を同じ音量です。ですが、なんか変です。音量が小さい故障であれば、小さいなりでも若干の差があってもよさそうなのですが、ほぼ同じ音量です。

であれば、DX版の方が音量が大きくなる故障なのかもしれません、、、。分解し回路を比べてみると原因は判明しました。

DX版の制限抵抗(4.7Ω)
CSM版の制限抵抗(27Ω)
ETERNALの制限抵抗(27Ω)

DX版のチップ抵抗の表面が剥がれていますが、計測し4.7Ωであることがわかりました。ということで、スピーカーの音量差は、故障ではなく元々の製品仕様の差でした。やはりDX版といことで音量も大きくしていたのですかね。。。

次にベルトへの装着時の反応が不安定であった症状は、検知スイッチの接触不良が原因でした。画像を撮り忘れていたので、活字のみですが、接点をフラックスリムーバーで掃除をして接点回復剤を吹きスイッチを稼働させてみると、無事回復し不安定な接触も解消されました。


今回直らなかった物もありましたが、細かく見てくださったり、修理できない理由をしっかり説明してくださったので、納得して返却してもらいました。点数も多く面倒な物ばかりでしたが、対応していただきありがとうございました 。

~ご依頼様のご感想より~

コンプリートセレクション 仮面ライダー1号変身ベルト タイフーンCOB不良

仮面ライダー1号変身ベルト

コンプリートセレクション 仮面ライダー1号変身ベルト タイフーンCOB不良

まだまだ人気の仮面ライダー1号変身ベルトです。新品未使用をご入手されたとのことですが、LEDが光らないということです。以前、LEDが光らない事案で修理実績の記事を参照しご依頼されたとのことです。

まず、状況を確認します。LEDが光らないとのことでしたが、タイフーン中央部のみが光るという事象でした。

以前の修理記事では、モーターが市販品に交換をされており、回転力不足によりLED点灯の同期が取れずという原因でしたので、全く点灯していなかったのですが、今回は中央部のみ点灯という新しい症状となります。

まずは、駆動系を確認します。

純正モーター

モーターも交換されておらず純正のままです。ブラシも念のためカーボンを除去しメンテナンスしておきます。

コミテータ
研摩清掃

ここで再度動作確認をしますが、症状は改善しませんでしたので、回転数を調整しLEDの点灯に変化が現れるかチェックします。

モーターへの供給電圧と電流を微調整し回転数を上げ下げしてみました。症状は、変わりましたが、不安定要素が出てきました。テストを重ねると全く点灯しません。ご依頼様の症状と同じになりました。いろいろ試すと、初回の動作では、タイフーン中央部のみ点灯しますが、次第に全く点灯しなくなり、電源と落とし配線を外すと再度中央部のみ点灯し始めます。うーん、不可思議な現象です。どうも、機構ブロックの不具合ではなく、LED点灯制御側に問題がありそうです。

同期用赤外線LED

一応念のため同期用の赤外線LEDが無事照射しているかチェックしました。赤外線チェッカーで確認してみましたが、変身の効果音に連動してLD1とLD2が、順に点灯→消灯しています。恐らく赤外線LEDは大丈夫そうです。

さて、タイフーンの構造体を分解します。

受光LEDと回転体

タイフーンの裏側ですが、回転体の軸が、電源の供給路になっており、軸が正極でその奥に負極の軸があります。また、同期用のLED受光素子が、先程のLD1とLD2と対応するような位置で取り付けたあります。

過去にご自身で分解され、組み立て時にこの軸電極をショートさせたまま組み上げ、動作しないとご依頼のあった事例がありました。こちら

ご自身での作業は大きなリスクがありますので、くれぐれも作業を行わない方がいいと思います。

表面

表面の分解は、難儀しました。タイフーンのプロペアの外し方が分からなかったのですが、プロペア中央のダミープラスネジをこじると外れてプロペアを止めてあるネジ4本が出てきます。さてさて、ここから故障原因を探ります。厳密には、電源を与えながら回転体の赤外線受光素子に同期用の赤外線を照射しなければならないのですが、解析用なので常時照射し変化を確認します。

当初は、回転軸と電源供給用のバネの接触不良も疑ったのですが、問題ありませんでした。

最初の起動では、内側から1,2個のLEDのみ点灯、点滅してパターンを描いているようでしたが、やはり再度テストすると、光らなくなります。かといって電源を外して再度印加して再度テストすると、全て正常に光り出したりします。同じテストでも非常に不安定です。

ここまでで、プリント基板上の配線の断線や駆動素子の部分的な破損の線がなくなりました。

点灯の回路構成は、COB内にあると思われるICで、受光した赤外線の同期に従い、並んだフルカラーLEDの配色とタイミングを制御します。駆動は、チップトランジスタと電流制限抵抗が基板上に並んでいます。複雑でもない回路構成であるので、この不安定な症状の原因を探る術がもうありません。残すは、COB内のLED用のIOのドライブ能力が過渡的な劣化途中にあることしか浮かびません。

前の持ち主の方が、修理をご自身で行うなどで、IO端子に誤って電源などを印加しIOのドライブ能力を劣化を加速させたのかもしれません。

非常に残念ですが、今回の症状は、COB内の制御ICの不良という結論となりました。

やはり製品仕様もそうですが、今回のような回転体のテストを行う場合は、それ相応の解析治具も必要で、メーカー様の不良解析センターでもないおもちゃ病院での対応の限界と思われます。


今回直らなかった物もありましたが、細かく見てくださったり、修理できない理由をしっかり説明してくださったので、納得して返却してもらいました。

点数も多く面倒な物ばかりでしたが、対応していただきありがとうございました 。

~ご依頼者様のご感想より~