お恥ずかしながら、フラッシュキングを知らなく調べてみると、1986年から1987年に放送された、スーパー戦隊シリーズ「超新星フラッシュマン」に登場する巨大ロボとのことです。テレビ放送したヒーローもののキャラクターが玩具として発売されるといったのでしょう。確か、似たような構成内容のヒーローものが、手を変え品を変えで連続して放送されたような、、、。
さて、余談はこのぐらいにして、ご依頼の内容は、左肩関節の軸が折れてしまい、ご自身で接着を試みたのだが、失敗してしまいお困りとのことです。
この肩関節は、ロボ自体が合体変形するための一部分の機能も担っており、左足からにょきっと出ています。分解して中を拝見すると、腕をカクカクと回すために山を切った軸受けが、ばねを介して軸とねじ止めされます。また、ご依頼者様が、瞬間接着剤でこの軸の接着を試みた時に折れた軸と軸受けもろともくっついてしまい、目的の軸自体は接着できなかったようです。
経験上この手の折れに接着はNGですね。接着面積に対し強度が足りなくしかも回転する際のカクカクの振動にも耐えうる修復方法を検討せねばなりません。
折れた軸を調べてみるとバネを抑えるタッピングネジの穴が貫通しております。また、折れた根本の方にもくぼみがあり底に新たなネジをねじ込むことができそうです。
つまり、通常はバネを抑えるためだけのネジだったのですが、長いネジを用意してバネも軸も一緒に固定してもらおうという作成です。軸の中抜き穴は、Φ2.1mmでしたので、M2.6が使えそうです。手持ちにM2.6の皿ネジがあったのですが、バネを抑えるためにM3のワッシャを噛ませました。
実は、ご依頼者様から届いた際、折れた軸にタッピングネジがそのままねじ込まれただけで、あったであろうバネが付いて無かったのです。お聞きすると、最初からバネはなかったそうで、ただ普通に回転させていたそうです。( ̄▽ ̄;
なので、いっそのこと、紛失したバネも見つけてまとめて修理をすることにしました。
まず、軸の折れた左肩は、まず軸を直して、当初あったであろうバネは、右肩から移植します。なぜかというと、ネジをねじ込む際、前述のくぼみが浅く強度に不安がありました。そこで、嫌気系の金属向けの強力接着剤をネジを軸受けの根本に付加して強度を増そうという作戦でして、どうしても先にこの作戦の成果を確認したくバネが直ぐ必要でした。右肩からまずは移植し修理の強度を確認し、大丈夫そうだったら、もう片方のバネを別注して用意することにしました。
無事強度も確認できましたので、左肩は完了としはずした右肩のバネを探し出し注文することにしました。
ぴったりサイズではありませんが、近いサイズのバネをみつけ待つこと3週間。ペンチでサイズが合うように微調整し、外した右肩に再装着して、今回の修理は終了としました。
ひと昔であれば、このような部材の入手はたいへん困難で、ひとつ間違えば工場への特注で高額になろうかと思います。インターネットの時代に感謝です。