![](http://www.takishita.jp/toy_hospital/wp-content/uploads/2020/06/IMG_20200604_212135-scaled-e1591419972763-705x1024.jpg)
アンパンマンおしゃべりいっぱいことばずかんSuperDX タッチペン LED修理
電源を入れて起動音と言語切替の音声は聞こえるが、肝心の絵本の絵柄にタッチしても無反応とのことです。過去の診察実績では、ペン先のイメージセンサーモジュールの半田剥がれか、クリスタル故障かといところでしょうか。では、早速診察します。
![](http://www.takishita.jp/toy_hospital/wp-content/uploads/2020/06/IMG_20200604_211028-1024x576.jpg)
三角ネジ用のドライバービットは、こちらで購入できます。
早速開封しましたが、ペン先のイメージセンサーモジュールの半田は無事でした。
![](http://www.takishita.jp/toy_hospital/wp-content/uploads/2020/06/IMG_20200603_205244-1024x584.jpg)
![](http://www.takishita.jp/toy_hospital/wp-content/uploads/2020/06/XTAL_OUT.jpg)
また、イメージ処理IC用のクリスタルも無事16MHzを発振しているのをオシロを確認しました。基板上の目視確認でも、これといった問題は発見できませんでした。さて、残すはペン先内のイメージセンサーに何か起きているか確認します。
赤外線LEDも2つ光っています。スマホで近接撮影なのですが、二つ光っており、コネクタの電位も問題ありません。
![](http://www.takishita.jp/toy_hospital/wp-content/uploads/2020/06/IMG_20200603_205509-1024x584.jpg)
イメージセンサーとイメージ処理IC間は、SEN_CLK, SEN_CMD, SEN_D0, SEN_D1の通信用の4線のラインと、イメージセンサー向けVcc電源、赤外線LED 2個用の電源、GNDなど合計12本の差し込みコネクタで接続されています。
コネクタ ピン番号 | 信号名 | 入出力 | 機能 |
1 | SEN_SD0 | I | シリアルデータ0 |
2 | SEN_SD1 | I | シリアルデータ1 |
3 | SEN_CLK | O | シリアル用同期クロック |
4 | SEN_CMD | I/O | シリアル通信用コマンド |
5 | AGND | G | アナログGND |
6 | VCC_3.3V | P | デジタル用電源 |
7 | VCC_ANL | P | アナログ用電源 |
8 | DGND | G | デジタルGND |
9 | LED0-WIRE_PWR | P | 赤外線LED用電源0 |
10 | LED1-WIRE_PWR | P | 赤外線LED用電源1 |
11 | DGND | G | デジタルGND |
12 | DGND | G | デジタルGND |
電源、GNDの電位、オシロを使って4線の信号を確認しましたが、問題なさそうです。
![](http://www.takishita.jp/toy_hospital/wp-content/uploads/2020/06/SEN_CLK_SEN_D1_2.jpg)
2パラのシリアルD0とD1の出力がイメージ処理ICに出力されています。認識した画像によって、異なるIDを出力しているのだと思いますが、絵柄をあてても変化がありません。うーむ、ペン先の内部で何か起きているに違いない。故障モードについてひとりブレストします。
- 常に固定ID値を出力するイメージセンサーの故障
- 赤外線LEDが故障していて赤外線の反射画を取り込めない
- イメージセンサーのレンズが汚れていて赤外線の反射画を取り込めない
どちらにしてもペン先を分解しないといけないなぁーと思いつつペン先内部を先の穴から覗いていたら、なんと!なんと!なんとー!
原因が分かりました。
![](http://www.takishita.jp/toy_hospital/wp-content/uploads/2020/06/LED_異常位置.jpg)
![](http://www.takishita.jp/toy_hospital/wp-content/uploads/2020/06/LED_正常位置.jpg)
正常な場合は、中央にイメージセンサーのレンズ穴が見えますが、なんと!赤外線LEDが、なぜか中央に曲げられており、それが原因で赤外線の反射画を取り込めないようになっていました。早速蓋を開けますが、ここで特に注意が必要です。
以前、他の修理でこじ開けた際、ペン先のカバーが割れてしまいました。今回は、慎重にこじって少しづつ回して外します。
![](http://www.takishita.jp/toy_hospital/wp-content/uploads/2020/06/LED曲がり.jpg)
![](http://www.takishita.jp/toy_hospital/wp-content/uploads/2020/06/IMG_20200604_202750-1024x576.jpg)
かなりこじったのか、LED表面に傷があります。これでは、流石に画像を取り込めないですね。早速曲げをなおし、LEDの点灯も確認します。
![](http://www.takishita.jp/toy_hospital/wp-content/uploads/2020/06/曲げ修正.jpg)
![](http://www.takishita.jp/toy_hospital/wp-content/uploads/2020/06/IMG_20200604_203222-1024x876.jpg)
ペン先のカバーなしでもが認識のテストは行えましたが、ねじり位置へ元に戻し動作確認を行い無事修理完了です。