トミカ 3way オートやまみち どうろセット 電池ボックス電極腐食修理

3WAY オートやまみち どうろセット

トミカ 3way オートやまみち どうろセット 電池ボックス電極腐食修理

今回の記事も、地域のおもちゃ病院にて外来担当した修理内容の共有となります。

トミカのこの手のシリーズには、やまみちドライブのようにミニカーを高所にあげるベルトコンベヤーがあります。今回のオートやまみち どうろセットも同じように高所へミニカーを上げるベルトコンベヤーとなります。

実は、やまみちドライブのピニオンギア割れも来院されていたのですが、他のドクター様の引継ぎをさせてもらいました。

さて、3way オートやまみち どうろセット ですが、電池ボックスの電極が液漏れで腐食し導通不良と電極が折れて脱落して動作しないという症状です。

腐食

トミカシリーズの液漏れ修理のご経験があれば分かるかと思いますが、正極は、ニッケルメッキの銅板が、筐体の壁にリベット付けされております。負極は、スプリングタイプではなく、板バネタイプの負極が、正極同様にリベット止めされております。

電極連結

電極の渡りの連結には、ヒューズが付いています。

負極側は、リベットの穴箇所に電池の出し入れによる金属疲労で穴部分で折れて電極部が取れています。

さて、修理方針を検討します。

錆びた電極をそのまま修復するか、丸ごと新品に交換するの選択になります。丸ごと新品の電極に交換する場合、手持ちの電極は、単三乾電池用しかなく、このオートやまみち どうろセットは、単二型の乾電池なので、電極としてはサイズが小さいです。後述の画像右に映っている電極サイズを参照。

しかも、電池ボックスに仕込むには、電極の加工も必要になり、加工後に縁に接着固定する必要もあります。

うーん、それでも、いいちゃ、いいんですが、修理をするという意気込みとしては、できれば元の形に近い状態に修復したいですね。

ということで、現状の腐食した電極は、隅々まで錆を落としきり、折れた電極も強度を保ったまま修復することにしました。ただし、腐食がかなり進んでしまった電極は、錆を落としても強度が弱くなるような場合は、電極を新品に交換しましょう。

取り外し

固定してあるリベットは、ルーターで頭を削り取り電極を外します。錆は、全て綺麗に研摩します。

折れた電極もM3のナットを電極に丸ごと半田付けして固定してしまい、電極もろともにネジ止めしてしまいます。

こんな感じのイメージ

さて、リベットで固定していた穴止めは、M3のネジを使用します。

ここで注意です。

半田付けは、銅の電極相手なので、熱容量の大きいコテを用意します100Wあれば十分です。さらに、M3のナットは、鉄製を選んでください。ステンレス製では半田が付きません。

M3ナットの半田付け
折れた電極

穴部分で折れてしまった電極もM3ナットを半田付けして固定してしまいます。

再度の注意ですが、100Wのコテを使用するので、固定台、作業用の手袋など火傷にはくれぐれも注意してください。導線の半田付けとは訳が違って、かなりの高温が必要です。

最終的には、リベットの穴をM3のネジで止めますが、市販のなべネジや皿ネジでは、ネジの頭が、リベットの穴から頭が飛び出てしまい乾電池に干渉しますので、超低頭ネジを使います。

超低頭ネジ

M3 x 6mmあれば十分です。これでリベット穴のくぼみにすっぽり収まって乾電池にも干渉しません。

ネジ止め

ネジは緩まないようにロックタイト648でネジ止めしておきます。嫌気用なので、もたもたしていると、早々にくっついてしまうので、てきぱきとネジ止めします。

電極修復

完璧に修復できました。強度も問題ありません。

あえて言うのなら、研摩して銅が抜きだしになった電極は、ニッケルを再メッキできればなおいいですね。

廃液処理など不要なお手軽版はこちらで購入できます。

さて、本題の電池ボックスの修理で無事稼働できるまで修復できました。

今回は、時間もあったのでベルトコンベヤーの滑車にグリスを塗布し、ギアボックス内のモーターもオーバホールします。

ギアボックス

おや!?誰かに外された形跡があるね。。。

ない!

( ,,`・ω・´)ンンン?

ノイズ取り用のコンデンサーが外されているし。まぁ理由は、置いといてコンデンサーは、手持ちの0.1uFのセラミックのコンデンサーを付けておきましょう。

コミテータ

酷いわけではありませんが、グリスが黒くなっているので、パーツクリーナーで洗浄しタミヤのモリブデンの接点グリスと塗布しておきます。

いい感じに静音化できました。

以上、組み立てて修理完了です。