仮面ライダーギーツ DXヴィジョンドライバー修理

仮面ライダーギーツというヒーローの変身ベルトであろう、DXヴィジョンドライバーという変身ベルトの修理依頼がありました。

たぶん、この商品です。

全面電飾のカッコイイ変身ベルトです。

不具合は、付属のカードをスリットに通して効果音と光で反応するのですが、しばらく遊んでいるとカードを通していなくても反応してしまうそうです。

ここで、カードを検知するスイッチの接触不良を疑ったひとが多いかと思います。

自分もそうでした。

でも違いました。

ー_-;ざんねーん。

では、分解し不具合の症状の再現をしてみます。

電池ボックスの右側奥に基板があります。

本商品も過電流防止用のヒューズが電池ボックスの渡りに仕込まれていますね。

カードの検知は、スリットに稼働ツメが設置されておりカードを通すとツメが押し込まれ基板に実装されたマイクロスイッチも押下されるという仕組みです。

基板のボス穴の位置です。

ボス穴の裏面にマイクロスイッチが実装されており本体はこれになります。

依頼者様のお話では、2~3分の稼働で不具合は発現するということでしたが、なかなか発現しません。

すこぶる快適に動作します。

誤動作しない

動画の時点でも既に5分程稼働させた後で、すこぶる快調です。

おやおや、どうしょう。。。(˘•ω•˘)

再現しないなぁーと基板の抑えを装着してネジ止めしてみると、

なんとー!

再現しました。

誤動作

突発的にカード検知スイッチを操作しなくても検知の効果音と光ります。

そこで、検知スイッチを押してみると、その押下にも正常に反応します。

おっやー?

カードの検知スイッチは正常そうです。

検知スイッチ以外の回路経路で短絡が起きていそうです。

これは厄介な故障です。

カードの検知用のマイクロスイッチは、検知信号をHiにするように設計されております。

恐らくCOB内部のIC内部IO回路でプルダウンされていてマイクロスイッチが押下されるとHi側になり検知するというメカニズムです。

COBモールドの際から、マイクロスイッチに直に配線されており、経路中には他の回路はありません。

おー、IC内部の故障であれば、修理不可能になります。

今回の症状としては、誤動作が発現すると、しばらくその状態が続き、一旦電源を落とし時間をおくと正常になるそうです。

そこで、しばらくまた遊んでいると再発するといった具合です。

当医院に到着してから誤動作が発現しなかったのは、配送の時間などしばらく時間をおいた間隔が長かっただけかもしれません。

COBモールド内のワイヤーボンディングの近接などの不具合と予想されます。

電源を入れてICが温まると近接し誤動作が発現し、電源を落として時間をおくと元に戻るという温度に関係する症状です。

ICのIO回路故障であれば、修理不可能ですが、試しに端子を温めてみると何か挙動が変わるはずです。

この配線を通じて何か挙動が変わればと思い再半田をしてみたのですが、後から考えてみると、近接していたワイヤーボンディングが完全に短絡してしまうとか、とどめを刺していたかもと気づきました。( ̄b ̄)シー

また、電源の挙動も気になっていたので、給電の電位も計測しながら故障解析をすすめました。

依頼者は、マンガン乾電池を使用していたので、もしかすると一時的な給電電位の低下かもと心配しておりました。※しかも、乾電池の容量も減っていたので、、、。

かなりの消費電力です。

効果音を鳴らすとみるみるうちに給電位が低下します。

が!

誤動作しません。

しばらく遊んでいても、誤動作しません。

心配なので、二日間に分けて30分連続稼働させてみましたが、まったく誤動作しません。

動作確認

確証はありませんが、マイクロスイッチの再半田で不具合が解消の方向になったようです。

結果論ではありますが、永遠経過観察を続けるわけにもいきません。

誤動作が発現しなくなりましたので、ここで修理完了としました。


この度は、修理いただき誠にありがとうございます。

根本的な原因は不明とのことですが、先述の通り誤動作もなく快適に動作しております。

~依頼者のご感想より~

余談になりますが、前面パネルの電飾は、基板に実装されたLEDです。

マトリックス上のLEDやバックライトのLEDの制御を全て基板上の制御ICとLEDドライバーで制御しているのですが、ここまでの凝った電飾をするのであれば、恐らく次回からは液晶で画像を映し出したて操作はタッチパネルにした方がいいような気がします。

いっそ、これからの仮面ライダーのベルトは全て同一形状にして、インターネットからアプリをダウンロードしてインストールすると、いろんな仮面ライダーのベルトを楽しめるようになります。

このような商品の企画は如何でしょうかね!?