ソニーリピートカードプレーヤーCP-7000修理

CP-7000

ソニーリピートカードプレーヤーCP-7000修理

CP-7000の修理のご依頼でした。カードが正常に進まずにカードの再生もできないとのことです。

CP-7000は、こちらのページにて特に依頼に関して注意していただくように注意喚起しております。それとは、連続再生やリピート再生時に再生音量が突如小さくなってしまうという原因不明の故障があります。

故障なのか、そもそもそのような潜在的な不具合を潜めていた製品なのか不明ではありますが、ご依頼をお受けする際は、皆さまにこの点の修理不可能であるご了承をいただいております。

残念ながら今回の機種では、しばらく置いた際の初回のリピート再生時に再生音量が小さくなってしまう不具合が発現してしまいました。この点の修理は断念ということで、その他の故障は修理としてご依頼をお受けしました。※動画の撮影に成功しましたので、後述します。

さて、カードが正常に再生できない原因を探るべく調査します。

まず、届いた当初の動作確認で、既に再生時の音量が小さいです。

ぬぬぬ、(∵)

オイオイ、もう既に原因不明の修理不可能事案でしょうか!?

開封します。

修理経歴

因みに、デートシールが裏面に貼ってあるのですが、95年の8月に一度メーカーで修理対応がなされていますね。

開封してみると原因は直ぐ判明しました。

アジマス

磁気ヘッドのアジマスが狂いまくっております。

だーれーだー?

ヘッドのあたり

磁気ヘッドのあたり角度が目視でも明らかに変です。

変だよね

ゴムローラーとの接触開度も変です。

だーれーだー?いじった人は?

と依頼主様にお聞きすると、お住まいに地域のおもちゃ病院に持ち込んで修理不可能で返却されたそうです。

壊されなくて良かったとお伝えしました。

当初の不具合であるカードが正常に再生できない原因は、ゴムローラーが固化して滑っているのが原因だったのに、なぜか磁気ヘッドのアジマス調整用のネジを回しまくったという始末です。

担当したおもちゃドクターは、だーれーだー?

初めて見た時、潰れるはずのないネジの溝が目に入ったので、おっかし―なーと思っていたんですが、訳も分からずにネジを回したんですかね。。。

まぁ、しかし手早く諦めてくださったので、こうやって当医院で修理できるようになったわけでもあります。

では、アジマスも調整します。測定器と治具はもちろんないので、お手製のテストカードと周波数カウンターと耳で調整します。

まずは、調整前の状態です。

音量MAXでも全く音が出ていませんね。

これを調整して正常に音が出るようにします。

びっくりするぐらい改善しますよね。

まぁ、往年のカセットテープのプレーヤーを修理される方なら当たり前なのでしょうかね。

ところで、カード002の再生終盤でカードがひっかります。このひっかかりも原因を調べて修理します。

アジマスの調整はできたので、ネジ止めと施しサクサクとゴム系部品も交換してしまいます。

固化ゴムローラー

ゴムローラーは、カチコチに固まって割れる始末です。

ゴムベルト

ゴムベルトも伸びてきていますね。交換します。

さて、ゴム系部品を交換し終え再度再生確認したところ、ここでなんと!例の症状が発現してしまいました。

電源を入れカードを再生すると、カードの再生は無事問題ないのですが、リピート再生させると音量が小さくなっています。しばらく繰り返すと自然治癒してしまい、その後は再度発現しなくなります。

業界初!

撮影に成功!

CP-7000の不具合現象。

当医院に依頼のあった過去のCP-7000で同様の不具合は、約1割で発現しておりました。結構な割合なので、恐らく何か製品に潜在している持病なのかと推測されます。

ですが、突発的に起きるし一度観測できても、その後全く現れなくなるような事態なのです。

基板を取り出しリピート再生を永遠繰り返し再生経路にプローブをあてて不具合現象が発現するのを待ちにまったのですが、発現することもなく解析終了して過去があります。

なんか、ダイオウイカを初めて撮影したカメラマンの心境に似ています。

ご依頼者様に状況をご説明したところ、この点については了承とのことで修理を完了させました。

修理完了

おっと、忘れるところでした。カードのひっかりが出ていたので調査します。

段差

本来は、このような段差はないはずなのですが、多い隙間と黒い溝の位置がズレてそこに段差ができています。

固定位置を再確認しましたが、もうどうにもこうにもなりません。

これは、設計誤差の位置関係が一番悪く出た例かもしれません。購入当初からこのズレはあったと思います。

段差をルーターで削りひっかりを回避します。

まずはひっかる現象からです。

ね?

時々ひっかかりでしょう。

で段差を削ると解消できました。

これにて修理完了となります。


この度はお世話になり、ありがとうございます。

CP-7000のカードが進まなくなり、修理は無理かと諦めかけていた折、ネットで瀧下さんのサイトを見つけました。

依頼方法もわかり易く、診断や修理後の様子をメールと動画で説明してくれて、安心できました。

修理の対応の速さにも驚いています。 本当にありがとうございました。

~依頼者様のご感想より~