ソニーリピートカードプレーヤーCP-7000 不安定故障修理

CP-7000

ソニーリピートカードプレーヤーCP-7000 不安定故障修理

CP-7000の修理を時々受けることがあります。

以前の修理記事にも紹介しておりますが、CP-7000には原因不明の故障があります。

  • カードを連続再生し続けるとカードの再生音が小さくなってしまう。
  • カードを連続再生し続けるとリピート再生のみ音が小さくなってしまう。

原因不明でしたので、どちらの故障についてもこの点については修理不可能としており、発現した場合は電源を入れなおすなりしていただき対処をお願いしておりました。

今回の紹介記事は、この原因不明であった故障原因が究明でき、以下のような故障症状に対して修理可能となりました。いづれも症状の再現性が高いわけでもなく、電源を入れなおすと改善したりするといった厄介な症状です。

  1. カードを連続再生し続けるとカードの再生音が小さくなってしまう。
  2. カードを連続再生し続けるとリピート再生のみ音が小さくなってしまう。
  3. カードの再生が終了してもゴムローラーの回転が停止しない。
  4. 電源OFFボタンが効かなくなる。
  5. 電源OFFしてもOPR/BATT LEDが消灯しない。
  6. カードを差し込んでも引き込みしない。

他のカードプレーヤーでも同様ですが、ゴム系部品の経年劣化にてカードを引き込みできなくなってしまう故障は、部品の交換で対処できるのですが、上記のような不安定な故障原因は、発現率が低く、例え発現しても解析を開始したとたん症状が止んでしまうような事態で、なんとも困った状況でした。

では、原因究明からご説明します。

DWE 両面デジタルプレイメイト テープ剥がれ故障修理

DWE 両面デジタルプレイメイト テープ剥がれ故障修理

両面デジタルプレイメイトの修理依頼がありました。

フリマから購入後1週間は使用できていたが、その後突然カードが通せなくなったとのことです。ご自身でSDカードの入れ替えやゴムローラーのメンテなどを行っても効果ないとのことでした。

カードを挿入するとスライドはしないが、LEDが点灯はするそうです。

ということ、診断を開始します。

到着してすぐ動作確認をしましたが、電源投入時のLEDの一瞬の点灯とカードを差し込んだ際のLEDの点灯は確認できましたが、やはりカードを引き込まず、うんともすんともでした。

LEDが3回点滅する場合は、SDカードに何らかの問題があり起動時のSDカード認識エラーですが、LEDは正常に点灯しているようです。

ゴムベルトが切れるか外れるかで正常に動いてはいるが、ただ単にゴムローラーが回転できないためかもしれません。

では、内部を確認します。

内部

これといった不具合は目視で確認できません。

ゴムベルトも切れていたり外れてはいないようです。

ゴムベルト

この状態でもカードの引き込みをしません。

ゴムローラーに何か噛んだような形跡もありません。

ではではモーターを確認します。

テープの噛み込み

おおお!

ケーブルを固定するテープが噛んでいます。これでモーターも回転できなくなっていますね。

原因はこれですね。

あれ?

このテープが、恐らくどこかに張り付いていて、何かの拍子に剥がれ運悪くプーリーに噛んだようです。

調べてみるとモーターのすぐ近くに貼ってあったテープでした。

テープのあった位置

以前修理を行った他のプレイメイトの画像で確認すると、モーターのすぐ横に噛んだテープが張ってあります。

このテープが落ちたんでしょうね。

テープを除去しますが、糊が付着しているのでアルコールで拭きとり綺麗にします。

犯人

このテープは、モーターの導線を筐体に固定するための固定テープなのですが、粘着力がなく両面テープなどで再度貼りつけてもいいのですが、筐体のツメですでに固定もされているので、再発防止という観点からテープは除去したままとします。

テープのあった位置
動作確認

問題ありませんね。

以上で修理は完了です。


中古のため修理が簡単にできないことを覚悟して購入しましたが、購入後1週間で動かなくなり絶望しておりました。

どうしようかしばらく悩んでおりましたが、悩んだ時間よりもすぐに治していただき、瀧下様にお願いして本当に良かったです。

ありがとうございます。

~依頼者様のご感想より~

ソニートーキングカードプレーヤーCP-1000 磁気ヘッド研摩修理

CP-1000

ソニートーキングカードプレーヤーCP-1000 磁気ヘッド研摩修理


30年ほど前の音を再現出来て感激です。

本当にありがとうございました。

ネットでいろいろな事が可能となり便利な反面、用心深くならざるを得ない昨今。 でもどうしても思い入れのあるモノを再現したくて、こちらに辿り着きました。

最初から最後まで、確実、丁寧、親切、迅速なご対応に感謝申し上げます。

また、お世話になる際にはよろしくお願い致します。

知人等にも教えてあげたいと思います。

本当にありがとうございました(^^)

~依頼者様のご感想より~

ソニートーキングカードプレーヤーCP-1000の修理のご依頼がありました。

ご自身で開封した際にゴムローラーが劣化でボロボロになっており、ゴムベルトも溶解しているとのことです。

CP-33とCP-1000であるあるの故障事象ですが、ゴムローラーが劣化してボロボロになると、必ずといっていいほど、密着している磁気ヘッドにゴムが粘着し、磁気ヘッドのコアを浸食します。

この浸食という表現は、粘着したゴムが綺麗に除去できずに、力任せに強引に剥がすとコア材も剥離してしまうという厄介代物です。

また、よく観察するとコア材同士をサンドイッチして接着している接着剤も経年で溶解し盛り出てしまいこれも一緒に除去しないとイケません。

ダメ元での作業になるのですが、失敗すると磁気が拾えても特に高音域が拾えず、カードを再生しても籠った感じの音声になってしまいます。

では、診断を開始しましょう。

液漏れ

電池ボックスに液漏れの形跡がありますね。

液漏れの粉除去と変色した電極の箇所を研摩しておきます。

ボロボロ

劣化したゴムローラーは、依頼者様で除去されたようですね。

ですが、奥にある磁気ヘッドが悲惨な状況です。

てんこ盛り

長らく劣化したゴムに密着していたためゴムの残骸が無残な状況です。

取り敢えず、磁気ヘッド以外の不具合も確認しましょう。

ゴムベルト

ゴムベルトも溶けまくって、方々に飛散しています。

ゴムの残骸

このゴムの残骸は、こちらの記事の通りエタノールで除去します。

残骸

物理的にこそぎ落とせる部分は除去し最後に粘着した部分は、エタノールで除去します。

除去済み

次にプーリーやフライホイールも綺麗に除去します。

綺麗

プーリーやフライホイールの溝に入り込んだ残骸は、ホントたいへんです。

少しでも残骸を残してしまうと、交換したゴムベルトに粘着しカードの再生不良を起こしますので、念入りに作業をします。

お掃除が済んだところで、ゴムローラーとゴムベルトも交換してしまいmさう。

ゴムローラー

次に液漏れの電極の粉を掃除し変色し箇所を研摩しておきます。

腐食研摩

ここまでは、サクサクっと作業を完遂させます。

では、懸案の磁気ヘッドの修理を行います。

まず研摩後の再生音質です。ほぼ元通りに修理できました。

音質確認

粘着したゴムの残骸を見た時はどうしようかと途方にくれましたが、研摩修理を実施してよかったです。では、研摩手法について以下ご紹介します。

DWE アナログプレイメイト ハウリング故障修理

アナログプレイメイト

DWE アナログプレイメイト ハウリング故障修理


DWEのプレイメイトが故障していたので 購入元に問い合わせても2011年に修理を 終了していると言われ、一度は諦めました。

でもどうしても諦めきれず検索し続けて 瀧下様のホームページに出会うことができ、 早速問い合わせた所、丁寧に詳しく的確に 対応していただき幸せなことにプレイメイトは修理可能とのお返事。

修理から戻ってきたプレイメイトで当時の 子供達の声も聞けて家族で喜んでいます。

昔のDWEですが、瀧下様のお陰でミニーマウスが好きな孫にプレゼントすることが出来ました。

私にとっては二重の喜びです。本当にありがとうございました。

~依頼者様のご感想より~

DWE製アナログ版のプレイメイトの修理依頼がありました。

カードを挿入しても自走してスライドせず、もちろん音声の再生はしないとのことで、今回は同時にハウリング音がするという症状でした。ただ、差し込んだ際にブーンという音が本体からしているそうです。

カードが自走しない原因の多くは、経年で溶解して切れたゴムベルトが大多数です。

カードを差し込んで本体内部からブーンと音がしているのであれば、恐らくモーターは回転していると予想されます。ただし、ハウリング音がする症状は初めての症状なので、故障原因の解析を含めて診察します。

サクサクと開封します。

ゴムベルト溶解

やはりゴムベルトが溶解してドロドロになっています。

まずはカードを差し込んでカード再生テストするためゴムベルト交換まで作業を完遂させます。

ドロドロ

これはいつも通りのアルコールで拭きとり綺麗にします。

こびり付いている箇所は、ピカールでピカピカに磨きます。

プーリー

毎回たいへんですが、修理のため綺麗にします。

磨いてツルツルになっても若干黒い汚れが残ってしまいます。これは仕方ないです。

手も真っ黒です。

その他の関連部品も外し暫定掃除をして組み付けます。

さてさて、カードを差し込んでいませんが、通電起動するだけでハウリングがしますね。

ハウリング

次にゴムベルトを装着しカードを再生させてみましょう。

カードハウリング

カードの有無に関係せずにハウリングが生じます。

いろいろ試行して原因を考察します。

ソニーリピートカードプレーヤーCP-33修理

CP-33

ソニーリピートカードプレーヤーCP-33修理

今回のご依頼は、お持ちのCP-33 2台を基に1台を完成させてもらいたいというご希望でした。

CP-33は、こちらのスタッフブログ記事のように溶解してボロボロになってゴムローラーが磁気ヘッドのコアを浸食して修理不可能になることが多いです。

さて、今回の2台の機種の調査から開始しましょう。

2台の機種の状態と調べましたら、2台とも磁気ヘッドは無事だったのですが、①番機は、古い設計のようなゴムローラーの交換ができない設計でありました。

スペーサー

金属製のスペーサーが軸に圧入されており取り外しが困難です。

②番機は、過去の修理履歴が多くモータードライバが交換された形跡がありました。その影響かもしれませんが、ゴムローラーの交換が可能でした。

修理履歴

ということで、ニコイチという修理方針ではなく、②番機をそのまま修理することにしました。

因みに、②番機の方が、シリアル番号も新しく筐体の外装もより綺麗でした。

交換可能ゴムローラー
磁気ヘッド

磁気ヘッドは綺麗ですね。ゴムローラーがボロボロになっていませんので浸食はありません。

左:劣化ゴムローラー、右:新品ゴムローラー

ゴムローラーは、表面が劣化でくすんで汚れていますね。新品に交換してしまいましょう。

②番機のその他の不具合箇所を確認します。

溶解ゴムベルト

CP-33あるあるですが、ゴムベルトが溶解して切れまくっています。

腐食電極

電池ボックスの負極に液漏れによる腐食がありますね。研摩して対処します。

カードで手で押してスライドさせ、音声の増幅を確認します。

スピーカーや電子回路にも不具合は無さそうですね。

ACアダプターでモーターもきちんと回るので、その他の不具合箇所はなさそうですね。

では、修理作業に取り掛かります。

ゴムベルトの除去

溶けたゴムベルトを念入りに除去します。

パーツクリーナーとエタノールが一番綺麗になります。

ふき取るとゴムが広がって、またふき取っての繰り返しです。

また、プーリー軸の古いグリスが固着しており、プーリーがカチコチに固まっています。

CP-33は、プーリーの軸がカシメられており外すことができないのでカシメられた状態で洗浄しプーリーの軸隙間の古いグリスも洗浄します。

洗浄

かなり大変でしたが、溶解したゴムを取り切り洗浄完了しておきます。

電極研磨

錆部分をルーターで研摩し抵抗値を確認しておきます。

ゴムローラー

ゴムローラーも接着固定し修理作業完了です。

動作確認

動作確認も問題ありませんね。修理完了です。


CP-33はデジタル時代にあって、今なお貴重なアナログ学習機器です。

貴病院におかれましては、引き続き入院加療を続けられることを期待致します。

ありがとうございました。

~依頼者様のご感想より~

ランゲージパル マイクロスイッチ故障修理

ランゲージパル

ランゲージパル マイクロスイッチ故障修理

カードを差し込んでも起動せず、カードも引き込みスライドもせず音声の再生もしないという状況です。何度か差し込みを繰り返すと引き込み再生してくれることもあるので、過去の修理でも経験しているマイクロスイッチの故障と思われます。

届いて直ぐ動作をみましたが、やはりカードを差し込んでも、うんともすんともでした。

では、開封してマイクロスイッチの状況をまずは確認します。

マイクロスイッチ

やはりマイクロスイッチの接触が悪くなっております。

スイッチの導通部分を短絡してあげると無事にカードを引き込み再生をしてくれます。

まずは、マイクロスイッチは故障なので交換をします。

交換マイクロスイッチ

このマイクロスイッチは、分解できないので、接点復活剤ごときでは接点までしみ込むこができないかもしれません。例えできたとしても接点を研磨でもしないかぎり、直ぐまた接触不良が再発します。というか、2,3日で直ぐ接触不良が再発しました。

その他の不具合は無いか確認します。

スポンジ

ランゲージパルあるあるですが、スピーカーを固定するスポンジが劣化でボロボロになります。

本体内部に崩れた粉が散らかっています。

スポンジの粉

飛散した粉やその他のホコリや汚れもまとめて綺麗にお掃除します。

劣化スポンジ除去

ボロボロのスポンジを取り除き隙間用スポンジをサイズカットし張り合わあせておきます。

スポンジ

スポンジは厚さに注意しましょう。

ゴム系部品のゴムベルトもやや伸び気味だったので新品に交換します。

伸びたゴムベルト
交換ゴムベルト

ゴムローラーは、磁気ヘッドと一緒にアルコールで拭きとり綺麗にしておきます。

部品交換および内部清掃とメンテナンスを終え動作確認をします。

動作確認

先生モードも生徒モードも問題ありませんね。

ボリュームもガリノイズもなく良好です。

今回は、ACアダプターもご希望とのことでしたので、規格仕様に合致するACアダプターもお付けして修理完了です。


スムーズに動いています。

ACアダプターも便利ですね。

おかげさまで孫たちにもランゲージパルを活用して 楽しみながら学んでもらいます。

家内もたいへん喜んでいます。

本当にありがとうございました。

~依頼者様のご感想より~

ソニートーキングカードプレーヤーCP-1100修理

CP-1100

ソニートーキングカードプレーヤーCP-1100修理

カードを差し込むと自動でスライドするが、音が全くでないということで修理の依頼がありました。

届いて直ぐ再生確認したのですが、まったく音が出ていません。

ボリュームを増減させてもノイズすら出ていません。スピーカー故障の線が強いのですが、アンプ回路や断線の懸念もあります。では、早速分解して原因を探ります。

まずは、一番懸念されるスピーカーを確認します。

スピーカー

導線を外しインピーダンスを測定します。

インピーダンス測定

DC測定にはなりますが、O.Lのままですね。ボイスコイルの断線のようです。

スピーカー故障以外にも不具合はないか暫定的にスピーカーを交換接続して動作を確認します。

やはり経年のためゴム系部品が劣化しており、辛うじてカードはスライドしますが、スライドのスピードが不安定でしかもプーリーも何かに擦れているようなガサガサノイズが出ています。音量も調整すると、ガリノイズが出ていますので、ボリュームも交換してしまいます。

ゴムベルト

伸びきってゆるゆるになっています。

長年のホコリもいっぱい溜まっています。

交換部品

では、粛々と作業を進めます。

清掃

分解し本体内部の隅々をお掃除します。

カードの挿入を検知する推知ももっさり感があるのでマイクロスイッチの接点を研摩します。

マイクロスイッチの接点

長年ON/OFFを繰り返し、その度にスパークしていますので、接点が黒く焦げてします。

ヤスリで表面を研摩しておきます。

一式掃除

その他の部品類も一式取り外しアルコールで拭きとり綺麗にしておきます。

交換スピーカー

交換用スピーカーは、筐体にすっぽりと収まらないので、台座を作成してぴったり収めます。

ボリュームも交換

ボリュームも交換します。

ボリュームのガリノイズは、接点復活スプレーぐらいでは、一時的な改善はできますが、数日でノイズが再発しますので、ボリュームの交換が必要です。

修理完了

磁気ヘッドのアジマス確認とカードの再生速度チェックも終え修理完了となります。


もう使えないと、諦めていて捨てようかと思っていたところ、修理を手早く行なっていただき、鮮明な音声にびっくりしました。

懐かしい思い出も蘇ってきて、私たち家族、喜んでおります。

今後は孫の成長と共に使っていきたいと思います。

ありがとうございました。

~依頼者様のご感想より~

ソニートーキングカードプレーヤーCP-1100 磁気ヘッド研摩修理

CP-1100

ソニートーキングカードプレーヤーCP-1100 磁気ヘッド研摩修理

今回の修理は、経年劣化のゴム部品交換修理以外に磁気ヘッドの研摩を実施した修理のご紹介になります。

修理完了時の動作

かなり古いもので状態も悪かったので半分諦めていたのですが、とっても早くて丁寧なご対応で、修理結果にも大満足でした。

またの機会にはぜひお願いしたいです。

~依頼者の感想より~

ご実家に眠っておられたCP-1100とのことで、久しぶりに稼働させてみたら、カードの引き込み自走せずとのことです。手でカードをスライドさせてみても、何かしら音がスピーカーからはしているが、モゴモゴという感じだとのことです。

ほぼ確実にゴム系部品の経年劣化でカードがスライドできなくなっていそうですね。

ただ、手で押してあげても音は出ているようですが、音量が小さい場合は、磁気ヘッドのアジマスの狂いや増幅回路の故障などもあるので、それらも含めて診断します。

長年のホコリや汚れが目立ちますね。

乾電池の液漏れの形跡もあり電池ボックス負極の腐食と本体内部に染み込んだ粉があります。

バネの腐食

やはり液漏れは負極側が多いですね。

腐食のメカニズムと乾電池の構造上、負極側からの液漏れが起き、漏れた電解液は、電池ボックスの隙間から本体内部に染み込み方々を腐食させます。

液漏れ粉

幸い液漏れの範囲は、限定的だったので粉のお掃除で綺麗にできそうです。

ゴム系部品を確認します。

ゴムローラー

固化してカチコチになっています。表面もツルツルで摩擦が全くなくなっています。

ゴムベルトも伸びきってプーリーを回転できなくなっておりベルトが滑っております。

劣化ゴム系部品

まずは、このゴム系部品を暫定交換してカード再生確認してみます。

交換ゴムローラー

ボリュームを最大値にしてもカードの再生音量が小さいです。

磁気ヘッドか増幅回路なりにも不具合がありますね。

では、故障を切り分けるために磁気ヘッドの信号を取り出し治具で増幅再生してみると、治具でも再生音量が小さいです。

磁気ヘッドでカードの磁気を拾えていないようです。

そこで磁気ヘッドのアセンブリを外し目視確認します。

磁気ヘッド

まぁ、経年での摩耗がある程度予想されましたが、何やら黒い異物が粘着していますね。

異物

これでは磁気を拾えないため、再生音量も小さくなって原因ですね。

今回は、この磁気ヘッドを修理します。

ランゲージパル CR-80 腐食電極 マイクロスイッチ交換修理

ランゲージパル CR-80

ランゲージパル CR-80 腐食電極 マイクロスイッチ交換修理

1991年にお子様に購入された物を、お孫様へということで修理のご依頼がありました。

電池ボックスの電極の腐食は目視で確認できておられるそうですが、まったく動作せずという状態とのことです。

腐食電極
電極

まぁ、この状態では導通が取れないので、まずはこの腐食が故障原因のひとつということで間違いないでしょう。

電源は、外部電源からの供給できるので、その他の故障の有無を確認します。

マイクロスイッチ

以前修理をしたランゲージパルと同じマイクロスイッチがONしても導通しません。一時的に接点復活剤で改善しても、すぐまた導通不良を起こしていますので、マイクロスイッチを交換してしまいます。

マイクロスイッチ交換

この状態でひとまずは動作できるところまで確認します。

ゴムローラーは、表面をアルコールで拭き上げておき、磁気ヘッドをカードの磁気テープのクリアランスも調整をしておきます。

暫定動作確認

その他の致命的な故障は無さそうですね。

では、その他も確認しましょう。

スピーカー固定用のスポンジ

もうボロボロで触れるだけで脆くも崩れます。

新品のスポンジに交換しておきます。

新品のスポンジ

次にゴムベルトを確認しますが、現状でもカードの駆動はできておりました。ですが、1991年から既に32年経過しておりますので、ゴムベルトは新品に交換しておきます。

劣化ゴムベルト
新品ゴムベルト

では、最後に腐食の電極を研摩します。

電極研磨

腐食によってバネの先端が脆くも取れておりますが、残りを研摩して心持ち伸ばしておきます。

さて、今回の修理にて同封いただた動作確認用のカードに保管時に付いた反りがありました。

カード反り

この反りによって磁気ヘッドへの当たり不良が出ておりましたので、歪みを補正しておきます。

今回の依頼内容にACアダプターも必要ということでしたので、市販の規格が合致するプラグと極性のアダプターもお譲りすることになりました。

プラグ規格は、センターマイナスで外形Φ=5.5mm, 内径Φ=2.5mmになります。

恐らく市販されているほとんどのプラグ規格ではないので、流用はもちろんですができないでしょう。今回も誤ってプラグが抜けてしまわないように収縮チューブで固定しておきます。

プラグ固定


30年前に買ったトーキングカードリーダーでしたが、 まだ未開封のカードがたくさんあり、このたび孫に使わせたいと思いました。

しかしやはり機械は動かず、処分するしかないかと、がっかりしていました。

新品か中古で同じような機械がないか探してみましたが見つかりませんでした。

検索するうちにこちらのサイトでまさに同じ機種の機械の修理の動画と記事にたどり着き、 これだ!と思いおねがいすることにしました。

ホームページから依頼をしましたが、 修理依頼する際にいろいろな注意書きや同意書があり、それらを読みこむのはちょっと大変でしたが その後はとてもスムーズにお取り引きできました。

送付のやり取りや修理の工程でも随時丁寧な連絡を下さり、安心しておまかせできました。

料金も部品代+工賃でとてもリーズナブルでした。

返送後、孫がとても気に入って夢中になって遊ぶ姿を見て 修理にだしてほんとに良かったと思いました。

修理をすることで、機械も30年前の思い出もよみがえりました。

お世話になりありがとうございました 。

~依頼者のご感想より~

ソニーカードリピーターCP-55A修理

CP-55A

ソニーカードリピーターCP-55A修理

CP-55Aの修理のご依頼がありました。

カードサイズの大きいカードもリピート再生できる機種となります。

CP-55・・・カードサイズが小さいカードしかリピート録音できない

CP-55A・・・大きいサイズのカードもリピート録音再生できる

CP-55でカードサイズの大きいカードを録音再生すると、メモリがオーバフローし先頭アドレスから音声データが上書きされてしまいカードの冒頭が録音できません。

さて、故障の症状は、電源が入らないとのことです。

では、早速診断を開始します。

液漏れ

故障の原因は、すぐ判明しました。

電池ボックスを覗き込むと負極のバネに液漏れの形跡があります。

原因は、これでしょうね。

液漏れ

液漏れした粉と電解液が電極に付着しカッチコチに固まっています。

半田付けされている導線の半田部分にも影響が出ていましたので、負極バネを外して掃除と研摩します。

取り外し

このバネは、接着で固定されているので、外すには少しコツが要ります。

綺麗に掃除と研摩を行い元に戻しておきます。ちゃんと、研摩後の抵抗もチェックしておきます。

研摩
抵抗計測
研摩後

さて、バネの対象は以上で、その他の不具合は無いか確認します。

電源は、無事入るようになりましたが、カードが滑って正常にスライドしません。

ゴムローラーが経年で固化して滑ってしまっています。

ゴム系部品

ゴムベルトも曲がり癖が付いていますので、ゴム系部品は一式交換してしまいます。

新品ゴムローラー

その他のメンテナンスとして、プーリーグリスの交換とフライホイール軸受けが剥がれているので、接着しておきます。

プーリー洗浄
軸受け接着
組み付け完了

組み立てし、カード再生速度をチェックします。

動作は問題なさそうですね。これにて修理完了です。


直していただけるものなのかどうか、少し不安もありましたが 丁寧にそして敏速に直していただき、ありがとうございました。

改めて修理していただいた製品で、子供がカードを通す姿をみて、 大切に使っていこうと思いました。

~依頼者様のご感想より~