アンパンマンおしゃべりいっぱいことばずかんDX 移殖修理

アンパンマンおしゃべりいっぱいことばずかんDX

アンパンマンおしゃべりいっぱいことばずかんDXタッチペンの修理依頼です。

このDX版ですが、今回のご依頼品は。、表カバーが白で裏のカバーが緑色です。絵本のカバー色が赤だったりするものあるのですが、何が違うのか正直分からなかったりします。

早速拝見しましょう。当初は、電源が入らないというご依頼でしたが、詳細をお聞きすると、まず電源が入らなくなったのと、言語切替もどうもできなくなったようです。ご依頼様ご自身で分解開封し電源スイッチと言語切替のスライドスイッチに接点復活剤を吹いて一旦は、接触が復活したそうです。

この時点では、絵本の絵柄へのタッチ反応も問題なかったです。ですが、時間が経つと次第に電源スイッチの接触不良が再発し、ご依頼に至ったとのことです。

まず、ことばずかんシリーズの電源スライドスイッチですが、過去の経験上、単に接点復活剤を吹き付けただけでは、一時しのぎにしか復活できないです。また直ぐ接触不良を起こします。

交換する新品の電源スイッチがなければ、スイッチ自体を分解し電気的な接点を研摩し接触を回復させるのがよいと思います。新品のスイッチがあれば、交換を強くお勧めします。

ということで、受け取り後、直ぐの動作確認を行っても同じように接触不良のため電源は入りませんでした。簡易的にスイッチの端子間を短絡すると無事起動音が流れたので、故障原因は、電源スイッチかと交換を行いました。

電源スイッチ交換

電源スイッチの交換で修理完了と高を括っていたら、電源スイッチの交換で無事電源が入り起動音声が流れるようにはなりましたが、絵本に反応しません。

早速ですが、その他の原因を探るべく基板を眺め調べます。

眺める
  • ペン先のイメージセンサーモジュールの半田剥がれなし
  • イメージ処理IC用の16MHzのクリスタルも無事発振
  • 基板上の配線腐食など目視確認で問題なし
  • 赤外線LEDも2個とも発光の目視確認
16MHz XTAL OUT

過去に経験をした不具合の多い原因を全て確認しましたが、どれも正常です。では、次にペン先のイメージセンサーモジュール側の不具合を疑いましょう。まず、正常に機能をしてるか確認します。

SEN_CLK
SEN_CLK vs SEN_D1

クリスタルも16Mhzを発振しており、イメージセンサーモジュールの4線端子の信号も確認しましたが、問題なさそうです。特にSEN_D0, SEN_D1の2パラシリアルが、イメージセンサーモジュールから出力されており、何らかの反応を返してはおります。ですが、この2線をオシロで観測しながら、絵本にタッチしても何ら信号に変化がありません。ずーっと、同じ信号を返してきます。詳しい仕様を知らないので、あれなんですが、絵柄にタッチするまでの待機中は、恐らく同じ信号を返し続けているのを観測してのだろうと思います。

波形を見ている間も、アンパンマンに『絵本にタッチしてね!』って急かされますので、イメージセンサーは、何の反応も返していないようです。

うーん、困りました、ペン先の内部に何か問題があるのかもしれません。レンズに汚れがついて画を認識できないのかもと思いペン先を分解します。というわけでペン先を開封します。

ペン先

開封の経験がなかったので、無理にこじ開けたせいでカバーが割れてしまいました。このカバーは、ねじ込み式なのですが、最後に強固に接着されてため、かなり強くこじる必要があり、そのため割れてしまいました。

再確認で、ぼやけてますが、赤外線LEDも発光しておりますね。

赤外線LED
レンズ穴とLEDの濁り

レンズの穴も拡大鏡による目視確認で、異物の付着もレンズの汚れもありません。念のため、アルコールで洗浄しておきます。とここで、気になったのですが、赤外線LEDの表面が異常に曇っています。隣にΦ=5mmの赤外線LEDを並べてみましたが、曇り具合が分かります。

実は、この時点でイメージセンサー不良で既に修理不可能である可能性高いを踏んでいたのですが、他の解決策が尽きたため、最後にこのLEDの交換をご依頼者にご提案しました。

このΦ=3mmの赤外線LEDの在庫が当医院にないため、入手しなくてはならないのですが、通販で送料を考慮すると高くつきます。そこで、フリマ、オークションで出品されている格安ジャンク品から移植しようと検討しました。特にフリマサイトでは、送料込みのお値段でかなり安く入手できるので、部品単体を購入するよりずっと安く入手できます。といっても、システムアカウントが必要ですし、システム利用料も別途かかることも考えると費用的には、トントンでしょうか。と調べていると、可動品もやや費用の追加負担で入手できることに気づきました。

直るかどうかわからない赤外線LEDの交換と費用の追加負担で中古可動品を入手し、まるごと移殖してしまうか、、、、。

ご依頼者様に上記のご提案をしたところ、確実性を重要視されるとのことで、費用の追加負担で可動品の丸ごと移殖をすることになりました。

タッチペン

今回は、修理というよりは移殖手術をご提供することになりましたが、ペン先内部の不具合に関するアプローチの少なさが露呈した形になりました。

因みに、移殖元のペンは、電源と言語切替のみですが、音声を楽しめるようにして、修理品とで2本をお返しすることにしました。

アンパンマン

イメージセンサー不良における、確実な診断方法を探しておかないと、モジュール内でもどこに問題があるのか分からず時間を多く費やしてしまうため、今後のためにも継続検討します。


無事、タッチペンを受け取りました。

早速、子供が楽しそうに遊んでいました。

修理していただきありがとうございます。

後日引き続き

アンパンタッチペン絶好調です。子供が毎日楽しんでいます。

~ご依頼様のご感想より~