
タカラ テプラ ルシールカーニバル バネツメ折れ修理
旧タカラ製のラベルライターのルシールカーニバルというテプラの修理のご依頼です。以前、ハローキティとのコラボのテプラを修理しましたが、全く同じ機種となります。
テプラなので、基本おもちゃではなく、文房具という位置づけなのですが、以前は、ハローキティとのコラボ商品だったので、おもちゃとして扱うか、、、としていたのですが、この手の製品も有料修理対象とするかは、悩ましいですね。
ということで、ご支援のご協力をとしてご依頼を受け付けることとしました。因みに、今後は、どなるかは分かりません。。。
故障の症状は、印刷をしても印字されないということです。ハローキティとのコラボ商品の時と同じ症状なので、十中八九、例のバネのツメが折れたのでしょうね。。。
最速開封します。

印字部は、テープカートリッジの直ぐ下に熱転写ヘッドに押しつけられているゴムローラーが見えます。このゴムローラーをヘッド側に押し付けているバネが手前のバネです。
もう既に何かツメが浮いているように見えますね。分解を進めます。
裏蓋のネジを外し電池ボックスの導線コネクターを抜きます。そうすると完全に表面と裏面に分かれます。
ゴムローラーの部品を上下に稼働させている軸のE型止め輪を慎重に外しレバーピンからも外します。軸のE型止め輪は、不用意に外すとぴょんと飛び上がってしまいどっかに紛失していまうので、気を付けます。
次にゴムローラーを抉って外すとバネが取れますので、目当てのツメを確認します。

やはり、ぱっかり割れていますね。ここが割れると、バネでゴムローラーを押し付けることができなくなるので、熱転写ヘッドにインクカートリッジのテープが密着できる印字もできなくなります。
以前の同じように銅板で補強板を作り、さらにワイヤー固定できるようにピンバイスで穴をあけワイヤーでぐるっと巻きます。


銅板は、形状に沿うように湾曲加工し密着するようにします。そうしないと、テープカートリッジの側面に干渉してしまいテープカートリッジが挿入できなくなるか、印字不良が出ます。

接着もエポキシ接着剤で盛っているのですが、この盛り高もできる限り低くしないといけません。そうしないと、ここもテープカートリッジの側面に干渉します。

良い感じに固定できました。折れた箇所のみを接着固定してもバネの応力で直ぐに割れてしまいます。というのも、このテプラを保管する場合、かならず表面のテープカートリッジの蓋を閉めます。ですが、絞めると必ず、先のゴムローラーが、熱転写ヘッドに密着するように押し付けの応力が働いたままになるので、その間ずーっとバネがこのツメを引っ張り続けます。
もうこうなると設計上の問題にもなるのですが、ツメが折れるのは、必然的になっております。おそらく、長期保管した未使用品でも折れてしまうでしょうね。
接着だけですと、すぐにまた割れますので、補強板などで補強しないといけません。

こんな感じに収まりますが、テープカートリッジ側面との干渉具合を確認します。

黄色枠の部分が、テープカートリッジの側面に干渉します。干渉自体は、発生しても程度によって印字できます。
純正のテープカートリッジでh、テープがスライドする隙間に余裕があるので、多少の干渉でも印字できました。

純正ではない、テープカートリッジでも干渉しておりますが印字できました。

ネットで本件同様に印字できなくお困りの方も多くおられるようなので、お困りの場合は、ご相談をください。
この度は修理をお引き受けくださりありがとうございました。
修理をしていただいただけでなく、壊れた原因や今後の管理方法など詳しく、分かりやすい説明をしてくださり届いた後は不安なく使用できました。
この度はお忙しい中お引き受けくださりありがとうございました。
~ご依頼様のご感想より~