Furby Boom モーター交換修理

Furby Boomという商品です。恐らく、日本語ではファービー ブームと表記するのだろう商品の依頼がありました。修理のお問い合わせから修理完了まで三ヶ月程かかりました。

ファービーはファービーでも、2012年に発売された2012年版なのではありますが、この商品は日本未発売の商品のようです。外箱、取説とも英語で表記されており、スマホ用の専用アプリでアプリ経由でスマホのスピーカーから何やら音を鳴らすと、ファービーがそれを受信してくれるような絵が取説にに載ってました。

恐らくは、人間の耳に聞こえない周波数帯で音声を再生しマイクでそれを拾うと反応してくれるのでしょう。ただ、残念ですが、既に専用アプリの配布も終わっており、この機能を試せなくなっております。

さて、今回のご依頼は、電池を入れて起動させても、すぐ電源が落ちてしまうそうです。また、その間、まぶたも、お口も頭やお腹のセンサーにも無反応とのことです。

起動不良

届いてすぐ状況を確認しましたが、各センサーに無反応ではありますが、電源が落ちるというよりは再起動を繰り返しているようです。

実は、2012年版のファービーの故障修理の事前勉強をしており、その中の記事にモーター故障の記事がありました。

初代ファービーと同様に起動時にモーターが回転しないと各種センサーが反応せず、一大事だということで再起動しているような事態と予想されます。

では、ぬいぐるみを脱がし内部を確認しようと思いますが、以前にも同じ問題にぶつかりましたが、今回も同じ問題にぶつかりました。

簡単にぬがせることができません。

以前、ピンク色の2012年版のファービーのスピーカー故障修理をした際に、耳外しができないとぬいぐるみがぬがせられないという問題にぶち当たりました。

記事はこちらです。

スピーカーの交換だったので、ぬいぐるみはぬがせずに筐体を開きスピーカーを交換しましたが、今回は完全に分解しないといけないため、何とか耳を外さないといけません。

ぬいぐるみを脱がそうと試した方であれば、ご存知かと思いますが、耳周辺の固定にぬいぐるみの裏側にサポート材が縫い付けてあります。さらにこのサポート材には固定用にツメが複数箇所あり筐体に挿し込まれ固定されております。

ぬいぐるみを裂かずに脱がす場合は、耳の軸をぬいぐるみから抜かないといけません。そうなるとやはり耳自体を軸から外してサポート材から外さないといけません。

では、気合を入れて耳を外そうかと思ったのですが、この耳外しが、とてもとても大変でした。

片側だけの耳外しで約2週間半かかりました。両耳で約1ヶ月。

この付け根部分です。

耳の傘部分は、塩ビのようなシリコンのような素材で軸は樹脂製です。

パッと見、軸が差し込み接着されているように見えるのですが、なんとも接着の完成度が完璧すぎて透明になりどこまでが軸なのか分かりません。

少しこじって軸が簡単に抜けるかなと調べてみたのですが、もう強力過ぎてピンセットなどの工具でこじっても少しずつしか剥がせません。

恐らく、黄色の図示したような形状の軸先がはめ込まれて、かつ強力が接着剤で固定されていると思われます。

こじっても全然剥がれず、ピンセットや細いマイナスドライバーや平の彫刻刀も併用しましたが、手のひらが痛くて痛くて続きません。

外せた後から考えなおしてみると、綺麗に軸を外せるに越したことはありませんが、工数を考えると、耳の軸をカットし後で軸に金属棒でも埋め込み補修するか、耳を切り開き外した方が良かったと少し後悔しております。

耳を外すだけでひと月ほどかかるとなるとこれはこれで問題です。

これでやっとスタートラインに立てます。

では、ぬいぐるみを脱がしましょう。

お腹まわりのタッチセンサーのカプラーと外します。

お口と目の周りのサポート材は、1点ネジ止めされていますので外します。

ここからが次の難関です。

各所のサポート材は、ツメでとめられています。

あごのツメです。

各所のツメは、マイナスドライバーを差し込むとツメのロックが外れて簡単に抜けるようになっています。間違っても力任せで抜くと引きちぎれます。

お腹周りのタッチセンサーは、たぶんアルミ製のホイルがセロハンテープで張り付けられており、基板までの導線にはカシメられた電極に半田付けされています。

半田付け部の半田を溶かして導線は外してホイルを剥がしておきます。

耳周辺のサポート材は、一見外せないかとヒヤリとしますが、ピンセットでゆっくり引き抜けます。

下側と上部の2箇所にあり、上部のツメが耳を外さないとツメ自体も外せないようになっています。

頭頂部のセンサーも同じように外します。

やっと、やっとここまで分解できた。

長かった。。。

届いてから、もう一月以上経過しています。

ご覧の皆さん、2012年版のファービーで、おなじFuby boomを分解しようとする場合、耳の外し方を今一度検討ください。

そういえば、分解の目的は故障原因を探ることでした。。。( ̄▽ ̄;

夢中になってしまい、本来の目的は修理だった、、、、。

さて、起動するが、再起動を繰り返してしまう原因を探りましょう。

さて、駆動モーターはすぐ見えているので外します。

やはり、モーターが回りません。

覗き穴から覗いてみると、片側のブラシのテンションが無くなっているようです。

ブラシの先が削れてコミュテータに接触できていないようです。

また、残念なことに汎用性のあるモーターではなさそうです。

ネット修理記事では、CDやDVDの回転駆動用のモーターでも使用されているようです。

外形サイズとモーターのカバーに刻印された型番で検索してみると同じようなモーターがヒットします。

ヒットする商品のほとんどが軸の短いタイプなので、注意が必要です。

軸の長いタイプを探してみると、国内のAmazonなどでは高すぎて購入できません。

Aliexpressで物色すると何とか購入できるものが見つかりました。

ですが、電極の形状や取り付け仕様が異なります。

ノイズ対策用のチップコンデンサーが付いた基板がケースGNDされているのですが、この基板は正極と負極の電極に半田付けされ固定されています。

が!

入手したモーターは、筐体内部からケーブルで引き出されています。

じゃあ、そのまま付いている導線で接続してしまえばいいんじゃね!?

と思いますが、そうは簡単に問屋は卸しません。

ファービー側のモーターの収まる下部に何やら突起が付いています。

???

何だろうと思っていたらその目的がすぐ分かります。

なるほど、モーターを固定するために元々導線が出ていた穴は、今回のファービーのようにモーターの固定穴としても使えるようになっています。

それぞれ適応する製品によって、どちらのモーターを使用するかなのでしょうね。

困りました。どうしよう。。。

もう入手できるモーターはこれしかないので、入手できたモーターでどうできるか考えましょう。

おもちゃドクターの力の発揮どころです。

半日考えました。

突起を削りモーターを何とか収まるようにします。固定方法は他の方法を検討します。

チップコンデンサの基板は導線の接続位置の兼ね合いで上下逆位置になりますが、ケースGNDの半田付けで固定します。

プラスマイナス間違いようにします。でないと、回転方向が逆になってしまいます。

元々のモーターの電極はカットされておりますが、電極の端はむき出しなので、基板の正極と負極を逆にして付けるとショートの危険性があります。逆に付ける場合は、しっかり剥き出しの電極を絶縁する必要があります。

基板はケースGNDのみの半田付けなのでグラグラしているので、エポキシ接着剤で固定しておきます。

こんな感じで収まります。

実はケースGNDの半田の盛り上がりがモーターが収まる筐体の隅にぴったりハマりまして、先の突起状のボスがなくてもグラグラしなくなりました。結果オーライでした。

1点、注意ですが、ウォームギアのはめ込み位置は、モーター側ギリギリでないと回転時に干渉ノイズが出ます。

前述のボスは、上下方向の固定にも寄与しているようで、ボスがないと回転時に上下にグラグラしてしまうようです。

そのグラグラの上死点がモーターカバーに干渉します。ガガガと干渉ノイズを発しますので、すぐ分かります。

このような感じで収めます。

なかなか綺麗に収まりました。

この状態で仮り組み立てし動作確認します。

うまく動いてくれるでしょうか?

仮り組み立て動作確認

各タッチセンサーの反応もよさそうですね。

では、このまま組み立ててぬいぐるみを着せます。また、外した耳が接着剤で再度固定できるかも次の難関になります。

外したタッチセンサーのアルミ箔を取り付けます。

因みに、箔の途中が切れないようにします。でないと切れた先をタッチした際に反応しなくなります。

ツメの慎重に差し込みます。

アルミ箔も外した導線をカシメ部に半田付けし再度張り付けます。

とりあえず、耳以外までの組み立ては完了した時点で再動作確認します。

ぬいぐるみを被せる途中で何か問題は発生していないか確認するためです。

仮組み立て動作確認1
仮組み立て動作確認2

よさそうですね。

耳を再接着するので、耳の接着後に何か不具合は発見された場合は、また耳を外さないといけないという事態になります。

耳は、お馴染みの多用途のセメダイン スーパー X ハイパーワイドで固定します。

この接着剤は、弾性接着剤なので、耳軸まわりの毛に付着しないようにマスキングもしておきます。

接着剤が固まった後でぬいぐるみの毛に接触するはみ出た接着剤は綺麗に剥がしておきます。

剥がした軸部分の濁りは残りますが、しっかり固定できました。

動作確認

就寝中

さてさて、受け付けから二か月半、修理自体というよりは耳外しに時間を要しましたが、無事修理できました。

これからも活躍してくれるでしょう。

以上にて修理完了です。


この度は、本当にありがとうございました。

息子も喜んでおります。

良いクリスマスになりました。

~依頼者様のご感想より~