すみっコパッド USB給電基板交換 マイナーチェンジ版

すみっコパッド 黄色本体色のマイナーチェンジ版でのUSBコネクタ破損修理依頼となります。

緑色の本体は、コネクタが本体内部の奥に配置されており、コネクタが挿しづらくお子様ではグリグリやってしまいコネクタが破損します。

黄色本体は、恐らく本体のアプリなどのバージョンアップもあるとは思いますが、USBコネクタの配置も改善されました。

コネクタの位置を手前に移動し挿しやすくしております。

※因みに、何か溢したようですね。

ですが、やはりコネクタが破損してしまうケースが生じ今回のように交換が必要となります。

画像では見づらいですが、電極が曲がってしまっております。

当医院では、緑色/ピンク色/黄色のいづれのすみっコパッド用の基板を用意しております。

溢した(!?)ジュース痕も綺麗にしておきます。

動作確認

問題ありませんね。

以上で、修理完了です。


すみっコパッド USBコネクタ給電基板交換

すみっコパッド 緑色筐体本体側のUSBコネクタが破損しUSBケーブルからの給電ができないということで修理の依頼がありました。

当医院では、オリジナルにはなりますが、コネクタが実装された基板ごと交換することで依頼を承っております。また、通信販売として条件はありますが、こちらで緑色本体および黄色本体どちらのすみっコパッド用の基板も販売もしております。

まずは、コネクタ破損状況を確認します。

コネクタ内部の電極が明後日の方向へ曲がっております。

また、過去にケーブル側のコネクタも破損していたこともあったので、修理の依頼を承る場合は、ご使用のケーブルも同封いただき目視と動作の確認をします。

USBケーブル側は大丈夫そうですね。

ではサクッと基板を交換してしまいます。

基板交換後の動作確認としては、USBコネクタでの裏表両側での給電起動確認とパソコンとの通信確認をします。

また、基板にはHOMEボタンもありますので、HOMEボタンの動作も確認します。

動作確認

問題ありませんね。

以上にて修理完了です。


直していただいたおもちゃが届きました。
問題なく動作し、子供も喜んでいます。
治ってよかったです。
ありがとうございました。

~依頼者様のご感想より~

トーキングウッディ スイッチ故障と首取れ修理

いきなりの衝撃的な画像となりましたが、ウッディの首が取れてしまったそうです。

ご自身で接着されたそうですが、やはり取れてしまったとのこと。

また、背中の紐を引っ張っても発声せず、これもご自身で修理に挑戦したそうですが断念されたところで依頼がありました。

当時のメルマガ登録から既に半年以上経過しており、かなりお待たせしておりました。

早速診断しましょう。

アセトンでもみもみしたのですが、綿生地は柔らかくできましたが、接着剤が残ってしまいました。

白く粉々していますが、これは瞬間接着剤でいわゆるシアノアクリレート系の接着を使用したで、余分に付けすぎた接着剤が蒸発して空気中の水分と反応したためですね。

これって、補修が大変です。

ご覧のドクター様におかれては大丈夫と思いますが、接着する時に瞬間接着剤を使用する方がほとんどです。

なぜ、瞬間接着剤を使用するのかは不明なのですが、何かを接着する場合は、

  • どのような素材同士をくっつけたいのか?
  • どのようにくっつけたいのか?
  • 接着後の強度の持続性は十分か?
  • 接着が難しいようであれば強行せず他の固定方法はないか?

をはっきりさせることが重要です。とりあえず、瞬間接着剤でくっつけようとすると、思わぬ失敗になります。

ソフビの裂けた面同士をくっつけたかったのだろうけど、それはそもそも玩具を遊ぶという前提では強度的に不可能です。

接着面積が小さいため強度が足りません。

今回のウッディは、ちょうど首の内部に樹脂製の軸があるので、ソフビを軸側にくっつける方が自然です。

ですが、相手がソフビなので弾性が必要です。

今回は、赤ちゃんシリーズの骨折のようにワイヤーで固定し弾性のエポキシ接着剤で内部を固定することにします。

当初は、シリコンシーラントで充当しくっつけようかとも思ったのですが、ワイヤーで固定し内部に充当する術がなかったので、弾性のエポキシ接着剤をあらかじめ塗布しワイヤーを締め上げ固定することにしました。

首の補修方針は決定しました。

次に本体側を拝見します。

まず、電池ボックスの蓋ネジが異常に噛み合っています。

恐らく無理にねじ込んだようです。ネジ側の山が潰れてナットと噛み合いません。

もうこうなるとネジを交換する以外にありません。

しかも、ナット側が収まるスペースもネジが噛んだまま無理に回してしまったようで、こちあも削れてガバガバです。ナットは、接着剤で固定しネジが締まるようにします。

また右肩のネジも締め過ぎで溝が削れてしまっております。

削れた溝奥にネジ込めるようにM2.6 * 10mmの長めのネジで絞めます。

まぁまぁいろいろと破損があります。

やっとここで本体を分解でき診断します。

電池ボックスの電極もヒューズも問題ありません。

では、ボビンスイッチを見てみると原因がすぐ分かりました。

あるはずの部品が無くなっています。

んんん?

何かないぞ!

電極が接触できずスイッチがONしません。

当医院は、過去に修理したウッディ画像があるので、それで確認します。

過去修理時の画像で確認すると、電極をボビン側に押し付ける金属製のバネとそのバネを抑える樹脂製のワッシャーがありませんね。

そういえば、依頼者様はご自身で修理し断念されたとのことなので、恐らくその時に弾け飛んだかもしれません。

早速、部品が残っていないか依頼者様に確認します。

紛失して無いそうです。チーン_❘ ̄|o

おおお、最重要部品なので、部品がない場合は修理がグッと難しくなります。

どうしょうか悩みます。

どうしょう…

どうしょう…

どうしょう…

で、あれば作ってしまいましょう。

ただ、全く同じ部品は揃わないので、スイッチの回路を考察し手持ちの部品で構築するようにします。

ウッディの発声スイッチは、ボビンで巻いていた紐が緩むと電極が浮き上がります。同時にボビンが回転することによって浮いた電極と基板側の電極が接触し導通することでONになります。

ただ、ボビンの軸が電極の片側なので樹脂製のワッシャー使用されております。

手持ちにM2用の金属ワッシャーがあります。

ボビンの軸はΦ=2mmなので、樹脂製のワッシャーの代わりになりますね。ただ、金属製なので、回路的に金属バネを接触していると短絡ショートの懸念があります。紐を引っ張り切らないうちに発声してしまいます。

ただ、M2のワッシャー以外の手段がないので、バネを電極と絶縁しないとイケません。

そこで、M3の樹脂ワッシャーも噛ませて絶縁処理をします。

金属製のバネは、ノック式ボールペンの芯を交換した際に余っていたバネになります。

バネも長く径も小さいので実物に合わせてサイズを拡張したりカットしたりします。

M3用の樹脂ワッシャーも電極の軸に合うようにΦ=4mmに穴を拡張します。

これでやっと材料がそろいました。組み立ててみます。

綺麗に収まるようにM2ワッシャー側のバネをすぼめておきます。

電極の接触の具合もやボビンの電極の浮き加減も動作を挿せながら微調整します。

スイッチ動作確認

誤作動もなく、全く遜色なく動作できるようになりました。

では、次に首の接合をします。

まず、瞬間接着剤で白濁して部分をルーターで綺麗に研摩して接着剤の付きをよくします。

先に修理完了した本体側を洋服に通しておいて軸を出しておきます。

ワイヤーを横に通せるようにピンバイスで穴を水平に開けようと思ったのですが、スカーフの上からワイヤーが見えるのはイヤなので、スカーフに隠れるような位置に横穴をあけておきます。

画像には残していませんが、この接合部にしこたま弾性のエポキシ接着剤を塗りたくっておきます。

ワイヤーを引っ張り固定した後、ウッディを直立させ先に塗っておいた接着剤が重力で下に沈殿で接合部を貼り合わせてくれるという寸法です。

ワイヤーは、0.8mmのステンレス製のワイヤーで固定後は、ラジオペンチで結わえてこれもエポキシ接着剤で固定しておきます。

固着待ちの間はまっすぐになるように座ってもらいます。

無事固着もでき接合部はスカーフで隠しておきます。

これで首取れも無事補修できました。

当たり前ですが、固定するのがやっとなので回転なぞはできません。

残りの作業をします。

紐と輪っかは、もやい結びで絞めておきます。仕上げに瞬間接着剤で結んだ箇所を固定します。

銃をしまうポッケの端が裂けていますので、これもワイヤーと通して弾性のエポキシ接着剤で固定します。

これでやっと一連の修理作業が完了しました。

お顔の汚れも綺麗にしました。

動作確認

いろいろと破損箇所も多く、いろいろ悩むところもありましたが、無事おおよそご希望の要件は達成できたのかと思います。


とても丁寧に直していただき、ありがとうございました。

まさか本当にあそこまで綺麗に修理してもらえるとは思わず、しました。

息子もきれいに直っていてとても喜んでいました。

本当にありがとうございました

~依頼者様のご感想より~

サンタクロッチ 潰れたネジ外し

サンタクロッチというサンタクロースのキャラクターのたまごっちのようです。

たまごっちのキャラクターでサンタを育成するの!?かもしれませんね。

さて、裏蓋のネジが固くてあかないということでご依頼がありました。

今回はネジ外しのみのご依頼となりました。

ネジが固くてあかないという場合は、ネジが折れることがほとんどです。

特にデビルっちのたまごっちという商品では、ほぼほぼネジが固くてあけようとしてもネジの頭でポキッと折れてしまいます。恐らく製造ラインの電動のドリルできつく締めてしまっているのだろうと思います。

さて、今回は完全にネジの溝が無くなる前に、これはまずいということでネジ外しの依頼をされたので、開封の可能性がグーンとあがります。

ご自身でしこたまぐりぐりしてから依頼される場合もあり、そのような場合の開封の可能性は、逆グ~ンと低くなります。

さて状態を確認します。

裏蓋向かって左側は問題なく開封できたそうです。

さて問題の右側を拝見します。こちらが固くて開かないというネジです。

ぱっと見た目ではそんな気がしませんよね。

目視上はそれほどでもないですが、やはりドライバーで頑張った形跡があり、溝がズレはじめていますね。

ネジの感触を確かめると、もうかなりカチコチに固まっています。

テコでも動かず、ネジの頭も柔らかいので溝が削れるかネジの頭がもげるかしそうです。

格闘すること15分ほどで、ネジが出てきました。

折れることなく無事外せました。

元々ネジが強固にねじ込んであるようでした。

ネジの締めすぎには注意が必要ですね。ネジの締め圧は、裏蓋でボタン電池がぐらぐらしないぐらいで大丈夫です。

以上で今回のネジ外しは完了です。


すみっコパッド USB給電基板交換

すみっコパッドのUSBコネクタの口が壊れてしまったとのことでご依頼がありました。

当医院では、修理の依頼はもちろんですが、ご自身で交換できるようの基板単体の販売もしております。販売の条件はありますが、ご自身で交換される場合は、通信販売のこちらを参照しお問い合わせください。

本体側のコネクタ破損は目視ではっきりわかるのですが、ケーブル側の電極も破損している場合があるので目視確認します。問題なさそうですね。一応給電以外にもパソコンとの通信確認もします。

目視でもはっきり分かるぐらいコネクタ内部は破損してしまいますね。

USB Type-Cのコネクタをぐりぐり差し込んでしまうことで破損してしまいます。

では早速基板を交換してしまいます。

当医院オリジナルの部品実装済み基板に交換します。

乾電池およびUSBケーブルからの給電と念のためUSBケーブルのコネクタは裏表の動作を確認します。

また、パソコンとのデータ通信も確認し、いづれも問題ありません。

動作確認

修理は年を越すかななんて思っていたのですが、驚くほど早く戻ってきたので子供達もまた遊ぶことができ喜んでおります。

購入してすぐコネクタ部分を壊してしまい2年近く電池のみで遊んでいたので、電池代もかなりかかっていて、、、本当に助かりました!

修理をお願いして良かったです。ありがとうございました♪

~依頼者様のご感想より~

トイザらス RCオフローダー 受信IC故障 基板換装修理

地域のおもちゃ病院で担当した案件をご紹介します。

トイザらス RCオフローダーという現在でもオンラインショップで取り扱いのある商品です。

1500円程で購入できます。

操作ができないということで持ち込みがありました。

会場で診断できるのは、検波器で電波がアンテナから送信されているかという点と電源回りの給電やモーターなどの駆動系の故障くらいでしょうかね。

それ以上の診断が必要になった場合は、測定器など必要なので入院扱いになります。

当日は激込みで開場時間終了ギリギリでの持ち込みということもあり、即入院扱いになりました。

持ち帰り調べてみると、受信IC刻印にMX1208RX2とあるので、よくある27MHzのTX2/RX2プロトコルのラジコンでした。

このMX1208RX2は、ICのみでの流通はなく恐らくOEM供給のみのようですね。1チップのICで検波した電波の増幅とデコード、そしてデコードされた信号でモーターを駆動するモータードライバの機能を1チップに集約しています。

まず、送信機と受信機の故障切り分けをします。

既に検波機で電波の発出は確認できていますが、正常な電波なのかなどまでは分からないので、以下のように調べます。

  • 別TX2/RX2 27MHzの基板で通信確認
  • オシロでアンテナの波形を目視確認

このような事態のためにTX2/RX2プロトコルの送受信基板のセットを別に持っております。その基板との通信ができているかでざっくり送受信のどちらに問題があるのか切り分けできます。

因みに、基板セットは通販で購入できますので、27MHzと40MHzを1セットづつ持っておくと便利です。

さて調べてみると、受信機側が機能していないことが分かりました。

裏を取るためオシロで送信機のアンテナから送信電波の波形を確認します。

各種のコマンド調べましたが、画像は前進時の波形で問題なくプロトコルも正常です。

ここで送信機は白と判明しました。

念のため、送信機で検証用の受信基板で正常に受信できていることは別途確認しておきます。

さて、受信基板を眺めます。

狭いスペースに1枚の基板のみあります。

前進後退と左折右折の制御を行っています。

超再生の検波回路とIC 1チップのみの回路構成です。刻印をみるとMX1208RX2でMX1208というモータードライバICにRX2の機能を集約したのでしょうね。

ではまず、検波回路の波形を確認しますが、ICのアンプ出力端子を探します。

RX2の推奨回路はネットで検索すると直ぐ仕様書が出てくるので、その回路を基に基板の回路を見比べVO端子を探し当てます。

まま大変でしたがVO端子は、5pinでした。

この5ピンにリード線を付けて波形をオシロで確認します。

おおお、正常に受信されたコマンドが増幅されてICのVOから出力されております。

この時点でIC内のアンプ回路までの経路ではコマンドが届いていることになります。

この先が機能していないようです。

1チップ化されているので、内部配線か何かの故障でデコード回路の出力がモータードライバに伝播していないようです。もちろんですが、モーター出力はどんなことしてもうんともすんともです。

簡素な回路なのでここまで調べればIC故障と判断してもよさそうですね。

もちろんですが、前述の通り、MX1208RX2チップ単体は流通していないさそうなので、代替え案を検討します。

マイコンとモータードライバで検波以外の回路を換装しようかと思ったのですが、このラジコン筐体のスペースがこの基板サイズぴったりギリギリで設計されているんですよね。

なので、現状の基板以外の部品を追加で取り付けることがほぼ不可能です。

手持ちの受信基板はサイズはやや大きく基板加工でもしないとハマりません。

うーん、困った。2cm * 4cmの基板サイズで丸ごと作り直すのか思案していたら、ふと、そういえば、検証基板を購入した際もいろいろな基板も販売されていたなと思いだしました。

そうです。

この基板もこのまま売っているのです。

しかも、換装した際の部品や資材代の総額よりも安く済んでしまいます。

国内の通販サイトでは高めですが、Aliexpressでは250円程で購入できました。しかも送信機セットです。なので、受信機基板単体では、125円程かと。

マイコン+モータードライバ換装だと、配線材やユニバーサル基板など含めても総額が超えてしまうでしょうね。※故障したICを調べていると、同じ実装済み基板がヒットしたりします。しかも、IC個別の価格よりも安かったりします。何かもうあマイコンで換装するということはコストが高くなる可能性があるのでしょうね。

外形もネジ穴位置も同じです。ただリビジョンが更新されており実装部品の一部が更新されております。モーターの極性は、あらかじめテスターなりで確認しておくと動作確認で、『あら?逆に付けていた』なんてこともなく済ませることができます。


黄色い三つの初代たまごっち修理

新品未開封ということで同じ三つの黄色いたまごっちの修理の依頼がありました。

新品未開封の場合、ボタン電池が挿入されたまま数十年経過しています。

液漏れももちろんですが、電極の曲がり癖の接触不良など故障が多いです。

さて、今回のご依頼は3つの内2つのたまごっちで動作不安定が出ているそうです。

電池を入れて起動しても消えたり突然消えたりということです。

もうこの時点で液漏れ粉による導通不良か電極の接触不良でしょうね。

最後の三つ目はネジが潰れてしまっているそうです。では、ナンバリングして診断開始しましょう。


その1

やはりなにやら腐食が広がっていますね。

拡大鏡で調べてみると原因は長期間、恐らくボタン電池を挿入したままでの保管が原因でした。

正極を接する電極が広がりすぎて電池の端子にしっかり接触できていません。

このカツカツな接触で突然付いたり突然消えたりしていたようです。

でも、このような電極を強引に曲げると大体電極折れます。

過去にも折れましたし、過去の依頼者様の中にもご自身で曲げて折ってしまったので修理しyて欲しいという案件もありました。

特にL字部分がおれますので、そこに力がかからないように慎重に徐々に曲げ癖を矯正します。

拡大鏡でボタン電池を挿入し接触の具合を見ながら作業します。

無事安定して起動できるようになりました。

動作確認

今回のご依頼様もワッシャー付きネジをお付けしました。

これにてその1修理完了です。


その2

こちらも腐食痕がありますね。サクッと研摩して綺麗にします。

ここで起動確認しますが、まだうんともすんともです。

おおお、何か他にありそうですね。

クリスタルが発振していません。

クリスタルを交換する前に半田クラックを疑って再半田すると、無事起動するようになりました。

このまま再度起動確認をしましたが、今度は表面のシリコンボタンの感度がありません。まったく反応しません。

調べてみると酷い錆があがっています。

これは酷いです。配線パターンに錆があがりまくっています。

ですが、この錆は押しボタンの配線パターンで、安易に研摩すると配線パターンが切れたり剥がれたりします。

研摩ようの細かいペーパーで磨きます。

慎重に徐々に磨きあげます。強引に研摩するとここまで劣化したパターンなので剥がれます。

ボタン側のシリコンに塗布された導電塗料の表面も少し研摩し表面の酸化膜を除去します。

ここで気付いたのですが、液晶も劣化が進んでいますね。端が反転し始めていますね。

まぁレンズの端のケースの裏に隠れてしまうのですが、恐らくこの反転は進行すると思われます。

動作確認

ボタンの感度が著しく悪いです。

強く押し込まないと反応しません。

前述の研摩したパターン部の接触が原因と思われますが、もうこれ以上は研摩できませんので、依頼者様には現状にてご使用いただくことになりました。


その3

まず潰れたネジ外しします。

おおお、かなり陥没していますね。

かなりこじったのでしょう。

もうドライバー如きでは歯が立ちません。※溝がないだけに。

今回はまぁまぁ容易に開封できました。

がっつり液漏れしていますね。

次に電極の状態も確認します。

液漏れ痕がありますね。

ただ腐食までには至っておらず洗浄のみで綺麗になりました。

次にボタン電池との接触も確認します。

その3も長期間保管時の曲がり癖が付いて接触に不安定が出ております。

これもその1同様に慎重に電極が折れないように矯正します。

無事起動するようになりました。

動作確認

このたびは、終始ご丁寧に対応していただきまして、大切なたまごっちを直していただきまして、誠にありがとうございました。

~依頼者様のご感想より~

初代 白黒ファービー起動不能修理

初代ファービーの修理です。

既に数十年程前の製品で世界的にバカ売れし、今でも根強いファンが世界中に多くおられます。

今回の依頼主様も直らなくても飾っておくか悩んでおられたようです。

電池ボックスの液漏れもなく外装のぬいぐるみも新品のようなとても状態の良い機体となります。

液漏れもなく金属の接触部分もピカピカです。

さて、内部を診察するためぬいぐるみを剥がします。

底面の結束バンドの結束部はバンドの頭が覆い隠されているためむき出しにしてます。

この結束バンドは、再利用なぞとは考えずサッサと頭の横とカットして外します。

※再利用しようと外そうとしても、恐らくきつすぎて不可能です。

顎横の枠の固定ネジ2本と目とおでこ、耳周辺の固定グルーガンを慎重に剥がします

最後に耳の固定糸を既知外し脱皮できます。

脱皮でしました。

今回は、おでこセンサーのカバーもついでに取れてしまったので後で接着固定しておきます。

さて、起動しない原因は、よくあるモーターのグリス固着でした。

このファービーは、起動時にモーター稼働し各種センサーが連動して反応しますが、このモーターが先に回ってくれないと、何も動かないといううんともすんともな状態になります。

モーターの接点に復活剤と軸にグリスを吹き付けておきます。

最初は、やっと回る程度で動き始めますが、しばらく稼働させ再塗布したグリス類がなじむと勢いよく稼働します。

ほぼ新品なので、モーターのグリス類の経年劣化で導通不良が起きていたのでしょうね。

無音

ですが、稼働はし始めましたが、音が出ていません。

これも初代ファービーでよくある故障です。

また、形状の特殊形状でΦ=40mmのスピーカーとなります。

ボイスコイルの断線のようですね。早速、手持ちのスピーカーと交換します。

サクッと交換をしてしまいましょう。

スピーカー交換動作

バッチリ音声が出るようになりました。

ただしかし、お腹のセンサーや揺らしたりを検知する振動センサーの感度も悪くなっていますね。

やはり経年で電気的な接点に酸化膜などがついてしまって感度が悪くなっているようなので、各所のセンサーもまとめてメンテナンスしてしまいます。

まず、お腹のセンサーです。

お腹センサー

反応していないですね。

お腹のセンサーは、バネ状の接点が接触するスイッチになっており、この接点に酸化膜が付いているようなので、薄手の細かいサンドペーパーを挟みコキコキします。

すると、良好に反応するようになりました。

次に振動センサーのメンテを行います。

振動センサー

数回反復して揺らしたり逆さまにするとやっと反応します。

この程度もいいっちゃいいんですが、今回フルメンテをするのであれば、センサー部品を分解して接点をメンテします。

目視では汚れなど無さそうなのですが、金メッキの電極をアルコールで拭き上げておきます。

部品の蓋は、粘性の高いボンドで留めておきます。粘性の低い瞬間接着剤なんかは厳禁です!

内部に浸透してしまい電極の接点はもちろん金属球にも付着してしまいます。

ここまでの修理作業とメンテナンスで動作を確認しましょう。

動作確認

動作良好ですね。

とここで耳が曲がっていることに気づきましたので、熱湯で矯正します。

注意ですが、いいかげんに手を抜き半田コテやホットガンで部品も外さずに矯正しようとするのはやめてくださいね。

部品を外し、熱湯でゆっくり矯正します。

まっすぐになりました。

経年劣化のあるファービーでは、この耳の軸が脆くなり曲げるだけでぽきっと折れますので、その場合はワイヤーで固定しエポキシ接着剤で接着固定ですね。

では、ぬいぐるみを被せます。

目とおでこ周辺のホットボンドは、枠をずらしたっぷり盛ってからはめ込みして抑え冷えて固まるのを待ちます。

耳周辺もホットボンドを隙間から注入し固定します。

最後に結束バンドの頭部を隠して縫い合わせ修理完了です。

動作確認

今回は、起動しないファービーの修理依頼でしたが、故障スピーカーの交換や各所メンテナンスを含めフルメンテメニューを実施しました。


とっっっても元気にして頂き感動しております!!

本当に本当にありがとうございました!!!

こんなに元気になって帰ってくるとは思わず、本当に嬉しいです!

~依頼者様のご感想より~

てんしっちのたまごっち 潰れたネジ外しと腐食修理

潰れたネジ外しのご依頼がありました。

恐らくほぼ新品で購入されたか保管された商品のようでピッカピカです。

ご自身でネジを回した際に潰してしまったそうです。

右側はまだ程度は良いですね。

ネジ外しの可能性大です。

※デビルっちのたまごっちは、ネジの無事であっても強固にネジ込まれている場合がほとんどで、だいたいの場合でネジが折れてしまいます。

左側は溝がなくなりかけていますね。

まぁツルツルの火口のような陥没穴で依頼される方もおられるのでこの状態でもまぁまぁ可能性あります。

右側はサクッと私の技術でネジは外せました。

ですが、左側はサクッと行きませんでした。

強固です。

ネジも柔らかいので、開封にチャレンジしてもどんどん削れていきます。

格闘すること15分で無事綺麗に外せました。

保管中にボタン電池から液漏れもしていたようです。

絶縁シートが挟まった側の電極は無事でしたが、シートがない側は固化した粉の付着と腐食が広がっています。

あちこちに液漏れのこびり付きがあります。

まずは、アルコールや接点復活でこびり付いた粉を除去し物理的な腐食は研摩して綺麗にします。

腐食でメッキ剥がれが残りました。これにて起動するようになるでしょう。

動作確認

問題ありませんね。これにて修理完了です。

こちらの依頼者様もネジはワッシャー付きネジをご希望でしたので、当医院オリジナルのワッシャー付きネジをお付けしました。

初代たまごっち用 ワッシャー付きネジは、こちらのページで販売しております。


ネジが回らなく、ねじ山が無くなりそうになって絶望的でしたが、ご依頼して本当に良かったです。 ありがとうございました。

依頼者様のご感想より

たまごっちidL IC故障 修理不可能

今回は、たまごっちiDLという初代たまごっちよりおおきめのたまごっちです。

詳しいシリーズは知らないので、どのたまごっちがどのシリーズなのかはよく分かりません。

さて、本品は、2011年発売で、最近中古で購入されたそうです。購入から1週間は使えたそうで、突然画面が真っ白になり、うんともすんともな状態で電池を変えても変わらずでリセットしたら画面が真っ黒のままとのことです。

この手のたまごっちは、COBの制御ICとプログラム用のフラッシュメモリと周辺部品という構成でその他カラー液晶と圧電スピーカーで回路構成されております。

さて、依頼者様はご自身で先に分解され、その際に導線が取れているのを発見したそうです。

液漏れ痕もあるとのことで画像も頂きました。この時点でもうご自身では手に負えないということで依頼がありました。

外れた導線は圧電素子の正極側なので、起動しない原因はこれではないですね。

過去の修理でヒューズ切れで起動いないという経験があるのでヒューズも怪しいです。

では、診断します。

使えていたということですが、電池ボックスの負極バネに明らかな液漏れ痕があります。導通はしていたとのことですが綺麗にしておきます。

次に外れた導線を再半田します。

念のため負極側も再半田しておきます。

さて、懸念されたヒューズを調べます。

なんか、リードが錆錆していますが、外して導通チェックします。

溶断していますね。切れるような電流が流れたか個体の劣化故障なのか分かりませんが、手持ち500mAのヒューズに交換します。

ここまでの作業で一旦起動確認をしましたが、変わらずうんともすんともです。

では、他の故障解析をします。

他のたまごっちでもあった発振子故障を疑いチェックします。

基板上に2つの発振子があります。

32.768kHzのクリスタルと18.4MHzのセラロックです。

いづれも発振も問題ありませんでした。

もちろんですが基板端まで正常に電圧も上がっております。

この時点で、ほぼほぼチェックできる箇所はもうなくなりつつあります。

基板上の各素子の半田クラックを懸念して溶かしなおしできるところをやってみます。

チップ系の部品は、以前溶かしなおしで部品ごと取れた経験でパターンも話してしまった苦い過去があるので起動に寄与しそうな部品を選定します。

上部に昇圧回路があります。

コイル、ダイオード、昇圧ICなど半田を溶かしなおしします。

乾電池の3.0Vを3.5V程に昇圧して供給しております。電圧も正常でした。

でも起動しないのは変わりません。

もう最後はホットガンでCOBのICを温めてみます。

ちょうどその上に液晶端子の半田があるので、ついでに溶かしなおししてみました。

ですが、起動したからと言っても冷めると元に戻るだろうからしようがないのですが、、、。

とここで、変化がありました。

液晶のバックライトが付きました。

バックライト付くだけで、その他はうんともすんともです。

試しにリセットを押すとプツンと消えもうそれきりになりました。

依頼者様の動作と同じです

と、ここで交換したヒューズが切れてることに気づきます。

なるほど、、、。

COBパッケージ内の短絡故障などで大電流が流れたのでしょうね。

ワイヤボンディングや素子故障でIDD系の不良が起きヒューズが内的要因で溶断したようです。先のバックライトが付いたのも素子の状態が加温で変化しただけでしょう。

ここまでの解析でIC故障と判断できるまでの材料は揃ったようです。

まぁ、LSIの不良解析のようになってしまいましたが、IC故障と結論づけるにはここまでやらないといけないでしょう。

以上で、今回は修理不可能であったIC故障についての解析のご紹介でした。


直らなかったことは残念なのですが、とても丁寧で迅速な対応をしてくださり、ありがとうございました。

もしまた機会があれば、お願いしたいです。

この度は本当にありがとうございました!

~依頼者様のご感想より~