ランゲージパル モーター故障

ランゲージパル

ランゲージパル モーター故障

今回は、修理不可能と思いきや返送後に正常に戻ったという事例を紹介します。

当医院は、ソニー製のカードプレーヤーの修理を得意としております。その他のカードプレーヤーについても修理の受け付けはしておりますが、交換部品や修理の知見も乏しく修理不可能である場合が多いです。

まず、過去の修理記事をご覧になられた方から修理のご依頼がありました。

2台のランゲージパルを所有されておられ、その内の1台のカード再生速度が速いとのことでした。

ソニー製のカードプレーヤーの殆どは、速度調整できる仕様のモーターなのですが、その他の機種となると、そもそも調整できるモーターの仕様かという点がポイントとなります。

また、そもそもモーター自体に故障があった場合は交換部品がないため、修理不可能となります。カードプレーヤーの殆どモーターは、回転速度制御されており、その回路がモーター内部に仕込まれております。

以前、ソニー製のカードプレーヤーのモーターを修理しようと試みた経験がありますが、そもそも用意に分解できるモーターではないのに、強引に失敗して元に戻しても回転ムラが出てしまうようになってしまいました。

到着後、直ぐにカード再生確認すると、やはりカード再生速度が速くなっております。

いろいろ調べていると、今度はゴムローラーも滑り出しカードがスライドしなくもなりました。

さて、今回の原因を探ってみます。

スポンジボロボロ

本体をあけると、妙に粉々していました。調べてみるとスピーカーのスポンジがボロボロになっていたためでした。肝心のモーターを確認します。

モーター

おお、調整できるタイプですね。

早速、速度調整をしますが、おかしいです。

可変抵抗のツマミが止まりません。360°回転してしまいます。これは、可変抵抗の軸か何かが壊れてしまい、抵抗値を正常に制御ICが読み取れていないようです。

いろいろ試してみましたが、どうやっても速度は若干の調整はできますが、それでも早いままです。

先のゴムローラーの摩耗も手伝って全くカード再生できません。

ゴムローラーの状態も調べてみると、摩耗が進行しており径が目視でも分かる位収縮しております。そのため、摩擦が低下しカードをスライドできなくなっております。

ランゲージパルは、先生モードと生徒モードで再生でき、6mm幅の磁気テープの上と下で磁気ヘッドの位置を移動させ、それぞれのトラックを分けて再生しております。

ゴムローラーの摩耗の幾分すくない側にヘッドを移動させる若干移動し始めたりするので、やはりゴムローラーの摩擦が無くなったためにスライド不良が起きていることは確かそうです。

もちろんですが、モーターの回転速度が速いのも手伝って状況をさらに悪化させてはおります。

困りました、ランゲージパル用のゴムローラーは持ち得ていないのと、そもそもランゲージパルは、このゴムローラーを容易に交換もできないようになっていそうです。

モーターの故障は修理不可能である点とゴムローラーの摩耗もあり交換もできない旨をお伝えすると、修理は断念されるとのご判断をいただきました。

カードプレーヤーは、替えの効かない磁気ヘッド、モーターなどのキーパーツが故障した場合、部品取り機でもない限り修理不可能となります。

たいへん残念ではありますが、今回は修理が不可能であった事例の紹介となりました。

2022年9月30日(金)追記

返送後に依頼者様より返信があり、動作をさせてみると無事正常に稼働したとのことです。

何とも不可思議で作業時は速度が速く調整ツマミの回路も故障しているようでどうすることもできませんでした。一応ツマミは、接点復活スプレーを中に吹き付け、速度が遅くなるであろう方向には回して返送をしたのですが、その後、可変抵抗の電極表面の異物か錆が上手く取れたのかもしれません。ですが、原因がはっきりとしていないため、不定期に再発するかもしれない点は、懸案事項として残ります。


先日はランゲージパルで大変お世話になり有難うございました。

こちらに到着してから、カードを昨日かけてみましたら、スピードがややゆっくりですが、ほぼノーマルな状態で音声を再生することができています。

解体してお掃除していただいたおかげではないかと思います。

有難うございました!

~依頼者様のご感想より~