tama town TAMA-GO(海外版たまごっち)圧電スピーカー交換

tama town TAMA-GO

tama town TAMA-GO(海外版たまごっち)圧電スピーカー交換

海外より購入されたたまごっちということで、圧電スピーカーの音割れが起きて居られるとのことで修理のご依頼がありました。

画像からも単四の乾電池と大きさを比較してみると分かりますが、とても大きいです。がちょうのたまごサイズです。

横から

横からの厚みも十分あり、なんかウルトラマンエッグのように変形でもしそうです。

到着して直ぐに音割れの具合を確認したのですが、これといった音割れ的な要素は無さそうでした。※自分は、まだ耳が遠くなるような、お年頃ではないと信じているので、聞き間違いではないと信じています。

次に物理的な不具合も出ていないかを確認するため分解し本体内部を確認します。

圧電スピーカー

たまごっちでは共通しますが、ビープ音は圧電素子を使用した圧電スピーカーで音が鳴らされております。Φ=20mmの圧電素子です。

半田部をゴム系の接着剤で固定はしておりますが、ペラペラ剥がれたり割れていたりはしておりませんでした。この状態で再生音を確認もしましたが、これといった不具合は無さそうでした。そこで、同じ口径サイズの圧電素子に交換を行い音の違いを確認します。

圧電素子を交換し、外部電源に繋ぎ起動音を確認しましたが、やはりこれといった違いは分かりませんでした。在庫の圧電素子は、反響用のアルミカバーが付いているので、幾分大きめの音に聞こえますが、有意差と言えるほどの差ではありませんでした。

ならばと、電子音のメロディで同じ再生条件で差があるかを確認します。

メロディICのカッコーを再生してみます。

まずは、たまごっちに付いていた圧電素子でカッコー再生です。

次に新品の圧電素子でカッコーを再生します。

バルクの圧電素子を固定せずにそのままで鳴らしておりますので、ビビりのよう音割れが出ているのは気にしないでください。

ここまでやってしても差らしい差はなさそうです。

そこで、依頼者様に状況を報告したところ、実は当初は音割れ的な症状が出ていたのだが、待機期間中保管したままにして、当医院へ発送する直前に動作をみたところ、症状が改善していたが、折角なので音の状況を確認したく依頼をされたそうでした。

スピーカーの穴に異物でも入って音割れのような音がしていたのかもしれませんので、ではでは、折角往復の送料もご負担をいただいておりますので、新品の圧電素子に交換してしまいます。一緒のボタン類の接点もアルコールで拭き上げておきましょう。

圧電素子を本体に固定しているツメを削り外します。

圧電素子

当医院在庫の圧電素子には、反響用のアルミカバーが付いているので、たまごっちに取り付けるためにカバーを慎重に外します。新品はピカピカしてますね。

裏面もピカピカ。

このΦ=20mmの圧電素子は、ユメルのセンサーにも使われているので、ドクター諸氏の皆さんは在庫を用意しておいて良いと思います。

圧電素子交換

削ったツメの箇所にエポキシ接着剤を盛って固定します。粘性の低い瞬間接着剤の使用は厳禁です。接着剤が素子側に流れ込んでしまいます。

ケーブル類を半田づけして組み立てます。半田箇所は、ゴム系の接着剤で固定してあったので、元に戻す時も最後に接着ボンドG17を盛っておきます。

今回は、圧電素子のセラミック部の銀メッキへの半田付けは行っておりませんが、導線が剥離したなどがあった場合は、銀食いを防ぐために銀入りの半田をご使用ください。

オーディオ機器用のスピーカーケーブル向けに銀線の接合などでも使用したりできます。

組み立て後に最終動作を確認し修理完了です。

国内用とは違いやはり海外版は手のサイズからも大きいですね。


この度は修理依頼をお受けして頂きありがとうございました。

初めて購入した海外版のたまごっちで音割れがあったのですが 瀧下様のところに到着する頃にはなくなっていました。

到着後は元々割れていた音が治っていた事についての原因究明や 色々な検証をして下さり、こちらも安心して納得する事が出来ました。

分解してのメンテナンスや音が出る圧電素子の部分を新品に交換して下さったので安心して遊ぶことができます。

今回同時にご依頼すればよかったのですが、まだ見て頂きたいたまごっちもあるのでまた次の受付が始まった際にお願いしたいと思います。

とても丁寧で連絡も動画や画像付きで明確に教えて頂けるので とても良い先生です。

またお願いする時があるかと思いますが、よろしくお願い致します。

~依頼者様のご感想より~

すみっコぐらし パソコン マウス 断線 修理

すみっコぐらしパソコン

すみっコぐらし パソコン マウス 断線 修理

今回は、大人気のすみっコぐらしのパソコン型ゲーム機のマウスの動作不良の修理です。

パソコン型でキーボードと液晶画面があり、1チップのSoCにて各種のアプリを楽しめます。小学の低学年から算数などの勉強アプリも入っており、ほのぼのとしたキャラクターと一緒に楽しめます。

さて、今回のご依頼は、マウスの動作がおかしくネットでもよく見かけるケーブルの断線にてマウスが動かせなくなって居られます。当初のご相談は、初夏の6月でしたが、依頼当医院依頼者激込みにて、10月の作業となってしまいました。メーカー様でも修理対応はできないとのことで当医院で対応することになりました。

マウスの操作状況はこんな感じとなります。クリックには反応しますが、マウスの上下左右の操作ができません。

マウス操作

同様の案件を過去にも1件マウス断線の修理を実施しております。

その際は、断線箇所の特定と継ぎ接ぎを行いましたが、断線箇所特定の工数がたいへんかかり見た目も悪いしということで、今回はケーブルを丸ごと交換してみたいと思います。

ですが、使用されている9芯 Φ=4mm シース白色は入手できません。ネットでも探し出せませんでした。9芯もAWG28規格らしく適合ケーブルを探すのに苦労します。

AWG33と極細規格になり、Φ=3.2mmにはなりますが、黒色のケーブルが見つかりました。筐体への固定がゆるゆるになるので、被覆を噛ませ太くして固定します。また、AWG33と極細なので強度も低くなります。この点は、どうしようもありませんので、今後のご使用で十分ご注意をいただくことで対応したいと思います。

隠しネジ
シワシワ

開封には、液晶画面の回りに貼ってある化粧シールに隠れたネジを外さないといけません。ですが、このシールは強力でして剥がすとシワシワになります。

開封し、メイン基板とマウスの基板端の端子にのっているホットボンドをめくりケーブルを外します。

メイン基板端
マウス内の基板端

交換するケーブル内の芯線の配色にもできるだけあわせてたいので、配色とシルクの印字をメモしておきます。

断線状況

断線は、9本中8本で断線しておりました。ここで注意ですが、本体に取り付けられたままの状態で断線チェックを行ってもダメです。ハンディテスターのピーピーチェッカーでは、曲がった応力でカツカツで接触しているので断線していてもピーピー鳴ってしまうのでケーブルは外して両端をテスターピンのクリップで固定し、本体の付け根とマウスの付け根をくねくねさせ断線をチェックしてください。

次に交換用のケーブルを用意します。

本体の付け根とマウスの付け根は、収縮チューブを被せ径を太らせてはめます。

本体の付け根

本体の付け根には、ケーブルの抑えをネジ止めしますが、裏表が分かりづらいので注意ください。過去の修理機種の画像ですが、突起がある方がケーブルと逆側に付きます。

ケーブル抑え向き
マウスの付け根

ケーブルの端を剥く前に収縮チューブを被せておきます。

剥き幅

AWG33なので強く引っ張っただけで簡単にちぎれる位なので剥く作業も慎重に行います。

芯線のよりに半田をしておきます。

本体基板端
マウス基板端

綺麗に半田付けできましたね。配色の並びシルクの組み合わせが間違わないように十分に確認します。仮組を行いマウスの動作確認を行います。

動作もばっちりですね。

でここで、電源のON/OFFの感度が悪くなっているので、本体キーボード側をあけて電源ボタンの電極を掃除しておきます。格段に感度がよくなりましたが、やはり多少の接触不良は残ってしまいました。

ケーブル長

入手可能はなケーブルでの修理を行いました。ケーブルの径には多少難はありましたが、収縮チューブを被せて対応しました。シースの型さもマウスを使用する上では問題ない、といか純正ケーブルに比べると格段に柔らかくなりました。

ケーブルを交換することで、各段に作業性も上がり工数も削減できました。以前の継ぎ足し修理でも補修部材費と同等の費用に抑えることもできましたので、今後の修理はケーブルの交換が良いと思います。※ただし黒色になりますが、、、。


問題なく稼働しております、娘も大喜びです。

入り切りのスイッチもうちでは問題ありません、マウスも正常に作動しております。 シールのたわみも気になりませんし、受けて頂けただけでうちは感動ものでした。

忙しい毎日かとは存じますが、これから寒くなりますのでお身体に気を付けて下さいませ。 本当に有難うございました。

~依頼者様のご感想より~

アンパンマン おしゃべりいっぱいことばずかん SuperDX イメージセンサーカバー外れ修理

おしゃべりいっぱいことばずかん SuperDX

アンパンマン おしゃべりいっぱいことばずかん SuperDX イメージセンサーカバー外れ修理

今回は、外来勤務している地域のおもちゃ病院での診察記事となります。

タイトルの通り、カバー外れによる動作不良時の修理対応になりますので、同じ症状への対応として共有させていただきます。

まず、不具合の症状としては、無事起動はするのだが、絵本の絵柄に正常に反応したり全くしなかったりと動作が不安定とのことでした。

補足ですが、この依頼者様は、単四型の乾電池とニッケル水素の充電池を混合して使っておられました。それが今回の故障原因ではありませんでしたが、お子様が使うのなら万一のことも考え単四乾電池でお使いください。

こんな感じで不安定に反応したり突然しなくなったりです。

因みに、グリグリ回しながらペン先を当てている理由は、2個ある赤外線LEDの故障を疑っているためで、そうすると片側のみの反応に差が出るかどうかを見たためとなります。

では、状況から故障の原因を推測してみます。

起動は無事できており、正常に絵柄への反応することもあるので、ペン先の接触不良を疑いました。

旧式のペンの場合、コネクタが基板に半田付けされているので、その剥がれなどが起きているかもしれません。ですが、このペンは、SuperDXなので、新式の場合は、コネクタではなくフラットケーブルとなりますんで、他の要因かもしれません。

次に、絵柄のグリットドットは、ペン先より照射されている赤外線LEDの反射光をCMOSイメージセンサーで読み取ります。過去の修理事例では、この赤外線LEDが故障していたために無反応でありました。今回は、不安定であるとのことなので、片方のみが故障して赤外線を照射できていないかもしれません。※因みに、SuperDXは、850nm波長の赤外線LEDです。

他の要因としては、これもペン先に異物が侵入し入光穴を微妙に塞いでいるのかもしれません。

事前の検討はこのぐらいにして、原因を探ります。

内部

このSuperDX版では、本体のネジに三角ネジが使用されております。サイズは、▲1.4か▲1.6になります。自分が持っていた▲1.8は入りませんでした。以前は、ギリギリ入っていたのですが、近ごろのネジ穴は小さくなったのかもしれません。

さて、フラットケーブル版ですので、新規版となりペン先は、コネクタではない接続方法となります。ではペン先を確認すると、原因は直ぐ分かりました。

カパカパ

カパカパしてる!

そうです。イメージセンサーのICチップが実装されている基板に付いているカバーが外れています。

これではダメです。

モジュールに内部に設置されたレンズからの焦点が、イメージセンサーの焦点とズレてしまい赤外線反射光の認識ができなくなります。また、横の隙間からも入ってきた外乱光によって赤外線も多少乱されてしまうようにも思います。

焦点ズレ

本来レンズの焦点が、イメージセンサーの位置で像が結ぶように設計されているので、少しでもズレると像がズレてしまいます。

一応赤外線LED 2個がちゃんと点滅しているか確認します。

大丈夫ですね。2方向からの2つとも無事点滅しております。

次にパン先のカバー外れが本当の原因かと、カバーをずらした状態とハメた状態で絵柄への反応をみます。

やはり、レンズの焦点ズレで画像認識ができなくなっていそうですね。

歴然と絵柄への反応にカバーを絞めた際と開けた際で差があります。

では、取れたカバーを同じように接着しますが、これも厄介です。

イメージセンサーのチップ

直ぐ内部にイメージセンサーのチップがあるので、粘性の低い瞬間接着剤などを使うとIC側に流れ込んでしまい、終わりの世界になります。

そこで、粘性の高いエポキシ接着剤を使用します。

ですが、あくまでもカバーを被せた状態でつなぎ目に盛るだけですよ!

エポキシ接着剤

この状態をキープしそのまま時間をおきます。

まっすぐ

まっすぐ上に向くように固定します。

固まったところで本体に装着し動作確認です。

収まり
動作確認

動作確認もばっちりですね。

恐らくですが、ペンを絵本にタッチする際の振動で接着面が剥がれてしまったのでしょうね。


ミニレコードプレーヤー修理

ミニレコードプレーヤー修理

当医院の修理記事を見た方からミニレコードプレーヤーの急患での修理依頼がありました。

外観上問題なさそうだが電池を入れてもうんともすんともだそうです。

このミニレコードプレーヤーは、古い玩具の音出し用に本体内部に仕込まれた音源でして、原理はレコードのまんまとなります。

押しボタンを押すと、レコードに録音された音源数種を順に再生してくれます。スピーカーは、針に直にコーンが接続されており、針の振動がそのままコーンに伝わり音声として鳴ってくれるという仕組みです。

過去の修理では、電気回路経路の錆による回路不良とモーターのグリス固化による駆動不良がありました。

では、早速拝見します。

配線経路

配線経路上は、目視上問題はなさそうです。念のためハンディテスターで導通を確認しましたが、腐食や接触不良もありませんでした。

乾電池の電圧が正常にモーターの電極端まで上がっております。

では、モーターが問題かもしれません。

モーター

専用形状のモーターですね。

やはり、モーターの駆動不良が起きておりました。指で回してあげると少しづつですがカクカクし始めました。内部のブラシおよび軸のグリスが劣化していると思われます。

このモーターは、側面に隙間が空いており、内部へ接点復活スプレーを簡単に吹き付けできました。また、軸の穴にも両面にもグリスを塗布しておきます。

すると、勢い良く回転し始めました。

不具合の主原因はモーターの駆動不良でしたが、その他の箇所もメンテナンスしておきます。

針先

針先に埃が結構付着しているのでお掃除しておきます。同じくレコードの表面もアルコールで綺麗にしておきます。

ここで、このミニレコードプレーヤーを修理したことのある方ならご存知かと思いますが、このミニレコードプレーヤー最大の難所は、ゴムベルトをモーターの軸に装着する点です。

一度分解のためにゴムベルトをモーターの軸から外してしまうとそう簡単には再度取り付けでいません。というのも、レコードを筐体内部に装着してからでないとゴムベルトを装着できないような構造なのです。文面では説明しにくいです。

そこで順に説明します。

まず、ゴムベルトが装着されているレコード裏の溝にマスキングテープを貼りつけゴムベルトをはめておきます。

マスキングテープ

次にこのマスキングテープが取れないようにレコードを本体に装着します。

ゴムベルト
本体内部側

このゴムベルトは、装着後ピンセットなどで摘まむことができないくらい狭い隙間しかないためアクセスが非常に悪いです。そのため、小さなマイナスのドライバーでも容易に摘まみ上げられるようするためのマスキングテープでした。

ピンセット

次に裏面からピンセットの先を穴から差し込み先のゴムベルトを引っかけます。この時に貼っておいたマスキングテープを剥がして取り除いておきます。

自分は、一度剥がすのを忘れて組み立ててしまい、今回の修理は同じ作業を2回してしまいました。

あとは、モーターの軸がゴムベルトに引っかかるように設置してあげればOKです。

音声再生速度は、電池ボックス内のスライドツマミで調整できます。

ツマミ

では、早口の最速再生です。

次に最も遅い再生速度です。

どちらも問題なさそうですね。

これは、どのような玩具に仕込まれいた音源でしょうかね?

以上で修理完了です。


ゼンマイ式 魚釣りゲーム ゼンマイ交換

魚釣りゲーム

ゼンマイ式 魚釣りゲーム ゼンマイ交換

今回の記事も外来勤務している地域のおもちゃ病院の修理案件です。

キティちゃんやすみっコぐらしのように各人気キャラクターでデザインされております、ゼンマイ式の魚釣りゲームです。※因みにゼンマイって漢字で書くと、発条って書くらしいです。

ゼンマイを巻いて設置した口パクの魚を竿で釣り上げ、数を競争するゲームです。

持ち込まれた際は、ゼンマイが故障しておりその修理案件となりました。分解して中身を確認します。

機構は至極単純で巻いたゼンマイのギアで左右のターンテーブルを回転させるだけです。

このゼンマイが終わるまでに魚を釣り上げるというものですね。

故障ゼンマイ

ゼンマイのギアですが、半月の扇型の軸がネジ切れで取れております。また、バネも抑え取れてバラけております。

軸のネジ切れが致命傷の一つで約0.5mmの軸はギアを回してターンテーブルを回転できるだけの固着は無理ですね。

その他に、ゼンマイの回転速度を制御しているギア軸が多分折れて紛失してしまっており、たとえ修理できたとしても高速で回転してしまいゲームが成り立ちません。

実は、このおもちゃの他の修理記事は、インターネット上でも閲覧でき、その記事においても同じようにギアの軸が折れております。しかも、取れたギアも紛失してしまったようでもあったそうです。※その記事では、元々白色のゼンマイが純正なようなので、このおもちゃも一度修理されたのかもしれませんね。

さて、他のおもちゃドクター様に於かれましては、流用できるゼンマイを探したりとご苦労をされて居られるので、私も流用できるゼンマイを検討します。

まずは、部品代を抑えるため、ダイソーのおもちゃコーナーを物色しました。

因みに、この魚釣りゲームは、現在も市販されており、フリマでも格安で取引されております。どーしてもの修理の場合は、残念ながらそれらから部品取りも検討してもいいかもしれませんが、まず流用できるゼンマイをそれよりコストを抑えて入手できるか探ります。

ダンスイミングダック

すると、黄色いアヒルが目に留まります。

商品名は、ダンスイミングダックです。こちらもゼンマイで泳ぐアヒルです。

実は、ゼンマイのツマミの隙間から覗くと、なんと!

先のギアに刺さる半月扇型の軸が見えます。

そうでした!この手のゼンマイは、規格や仕様が共通なのかもしれません。

早速、アヒルを解体してゼンマイを確認します。因みに、このアヒルは接着剤で固着されているので、本体はノコで切り開きます。※間違ってゼンマイも切らないでね。

ほら
ぴったり
ぴったり

なんと、ぴったりではないですか!

※なんか、運を一つ使ってしまった感があります。

しかし、ゼンマイのツマミが魚釣りゲームのツマミ穴に通らず、しかも高さ位置が違うので、ツマミを抜き高さ位置が合うようにエポキシ接着剤で固めておきます。

軸抜き
位置高さ調整

そのままでは高さがたりませんので、筐体側を削り上に上がるように調整します。回転ギアの干渉にも気をつけます。

裏側
ツマミ

ツマミが軸の長さの限界で本体ギリギリにしか接着できませんでした。

もしさらに押し込みたい場合は、本体の穴を拡張するなり必要です。

もし、ご覧のおもちゃドクター様において、同じ魚釣りゲームでお困りの場合は、ダイソーのおもちゃコーナーでスイミングダックをゲットください。

あ!因みに、ターンテーブルを回転させるギアは、アヒル側にはついていませんので、そもそも失くした場合は、ギアそのものを作りないといけませんので、ご承知おきください。


IILUMINATION BUBBLE イルミネーションバブル 修理

IILUMINATION BUBBLE イルミネーションバブル

今回の外来で勤務している地域おもちゃ病院での修理記事となります。

共有情報的には、それほど重要ではないのですが、ドクターの皆様でも同じようご経験があるかと思い記事として共有したいと思います。

おもちゃの機能としては、ボトルに入ったシャボン玉の原液をセットし引き金を引くとシャボン玉が銃口より送出されるという代物ですが、イルミネーションとあるように上部にLEDにてイルミネーションの電飾効果があります。

さて、この手の水物のおもちゃ、あるあるなのですが、電気的な箇所が全て腐食します。

アンパンマンのお風呂シャワーなども水気で錆が広がります。

ある意味、仕方ありません。

完全に乾かして保管もできませんので、マダシマダシ使い続けるか、今回のようにオフシーズン入り前にオーバホールするしかありません。

割れ補修

筐体の割れも所々に発生しておりエポキシ接着剤で固めておきます。

ポンプ

このおもちゃは、ボトル内の原液は、送風モーターの駆動でポンピングされ風の送風口に運ばれます。

最初みたときは、血液を送る装置のような印象を受けました。

このギアの軸も錆が広がっており錆取りとグリスを付けておきます。

破断

引き金ですが、恐れく強く握ることを繰り返したので、途中で割れて完全に破損しておりました。こちらもエポキシ接着剤で固めておきます。

中身

中身は、送風用のモーターがあり、羽で銃の前面に送風されます。同時にシャボン玉の原液をポンピング送風口の口に垂らしてシャボン玉を生成するというメメカニズムです。

しかも、垂らした現役の残りは、ボトルに戻るという機能まで付いておりました。

電飾LED

アンパンマン わくわくクレーンゲーム 修理

クレーンゲーム

アンパンマン わくわくクレーンゲーム 修理

今回も外来勤務の地域のおもちゃ病院での案件となります。

因みに、当宅配おもちゃ病院としては、宅配移動時の不具合多発のため、クレーンゲームの修理受け付けはしておりませんので、ご注意ください。

さて、お馴染みのアンパンマン わくわくクレーンゲームですが、クレーン移動時に途中で止まるということでした。

動作確認してみると、明らかに縦横移動用のギアが割れて滑っていると分かります。

早速、屋根を開いてクレーン部を確認します。

移動用のギアは、縦用2個と横用2個の合計4個になります。

詳しい位置は、スタッフブログの資料過去の修理記事が参考になります。

割れ

目視でも分かる位綺麗に割れていますね。

割れ

こちらも割れています。

このクレーンゲームのクレーン移動用のギアは、横方向移動時の軸は四角軸となっております。詳しい事情は、分かりませんが、製造時期によって軸やギアの形状の仕様が変わっております。恐らく、今回のようなギア割れ多発などの対象のため、マイナーチェンジを繰り返しているのだと思います。

特に、丸軸のギアは良く滑ってしまうので、途中で四角の軸が登場したのでしょう。ですが、それも肉厚が薄くなる四隅に割れが再度出てしまうといったことも起きているようです。

毎度ですが、このギアは特殊形状のギアですので、市場で容易に入手できません。

私も所属しております日本おもちゃ病院協会では、補修部品としてギアを配布しており、今回もそのギアを使用しました。

3Dプリンターギア

紫外線照射で固化する光造形タイプをなります。

サポート材や軸径の誤差で仕上げは必要ですが、修理に耐え得る精度で製作をいただけます。本当に助かります。

バリやサポート材の残りなどもヤスリで綺麗に仕上げます。

また、軸への挿入ですが、微妙な調整が必要なので、自分は軸先を半田コテで熱し圧入しております。特に、軸に山が切ってある今回の軸には最適が圧入方法かと思います。

軸径の誤差を考慮せず力ずくで、そのまま圧入するとギアが割れてしまいます。

圧入

ギアの山位置を端同士で合わせないとクレーンが斜めになるのでマジックペンなどで印をつけて圧入します。

位置確認

コロコロさせ確認します。いい感じです。

四角軸ギア

こちらも綺麗に軸を熱し圧入できました。

あたりまえですが、ギアボックスは、分解し金属製の軸は取り出しギアを圧入します。

ご覧のドクターの皆様にはないとは思いますが、面倒だからといってギアボックスにはまったまま圧入すると、斜めになったり割れたりますので、くれぐれも面倒がらずに行ってください。

噛み合い状況
ギア
ギア

収まりもよさそうですね。

念のため、分解したギアボックス内の噛み合いも正常かクレーンの脇についている手回しのくるくるで回してギアが動くか確認もします。

これにはギアボックス側の作業は一段落しますが、クレーンのはめ込み作業に移ります。

端位置合わせ

クレーンのケーブルが端位置でも問題なく伸びるようにするため、クレーンを一番奥の位置にし、ケーブルを伸ばし固定します。

この作業を行わずにはめ込むと、一番奥に行く前にケーブルに引っかかって止まってしまい、奥のカプセルを拾えません。また、伸び余ったケーブルが、屋根に擦れ移動不良を起こします。

修理完了

屋根を元に戻し修理完了です。

動作確認

動作も問題なさそうですね。


アンパンマン おしゃべりいっぱいことばずかんDX 修理

ことばずかんDX

アンパンマン おしゃべりいっぱいことばずかんDX 修理

外来勤務をしております、地域のおもちゃ病院での修理案件となります。

お馴染みのことばずかんです。今回は、DX版となります。

会場で受け付け時にご依頼様に状況をお伺いした際は、電源をONにすると起動音が鳴りましたが、絵本の絵柄への反応は一切しないという症状でした。

既に先行の修理案件に着手していたので入院扱いで、そのまま自宅に持ち帰ったのですが、いろいろ面白いことがありました。

まず、持ち帰って同じように付属の電池で起動しようとしましたが、起動音が鳴りません。

あれれ!?

全くうんともすんともだな。電源のLEDも点灯していない。。。

と改めてで電池ボックスをのぞき込んでみると、衝撃的な光景が目に入りました。

まず、電池の正極が電池ボックス正極の電極に届いていません。

あれ?電池がズレているのかな?

指でくりくりしてみると、なんと電池がズレるではないですか!

なんでだ?

奥をのぞき込んむと、なんと!

なんかある!

なんかいる

どうもアルミ箔のようです。

受け付け時は、恐らくですがおもちゃ病院に持ち込むので、アルミ箔を詰めて持参し、受け付けの初回は辛うじて導通したが、押し込みで縮んだので、次に起動確認をすると導通できないという顛末だったのかと推測しました。

なので、開封してみます。

と!ここでも衝撃的なことが、他にも起こります。

ペン先

ん!

なんで、ペン先のイメージセンサーのモジュールのピンは抜けてるの?

しかも、基板側のコネクタも曲がってなんか変になってるし。。。

これは、何かありそうだぞ!

コネクタの曲がり

こんなことになっていました。

辛うじて基板の配線パターンは剥離していませんでした。

何をやったの?

返却するときに少し確認してみたいと思います。

このペン先のモジュールのコネクタは、コネクタ内の配線順があるので、ピン番号を揃えて差し込まないといけません。

最近、流行りの”無謀なDIY”ってやつですかね。。。手に負えなくなったから、おもちゃ病院に持ち込んだとか。。。

さてさて、肝心の電池ボックスの負極です。

地獄絵図

なんか、地獄絵図のような風景ですね。

アルミ泊

電池ボックスの支柱が折れて起動しなくなり、支柱の補修はできないけど、アルミ箔を詰めて何とか導通させておけば、起動するんじゃね!?的な発想でしょうか。

で、その作業でペン先も抜いてはみたが、元に戻せなくなったので、コネクタを曲げて強引に元に戻したのかもですね。

これは、大変危険です。アルミ泊が、基板の他の回路に接触ショートでもしたら電子回路の故障で修理不可能になる可能性ありますし、この時の依頼者の方は、こともあろうにニッケル水素の充電池を使っておられました。アルミ箔がショートの原因になっていたかと思うと火災になっていたかもと思うとぞっとします。

実は、このタッチペンの案件の前に他のタッチペンの修理案件が入ったいたのですが、電池の極性を逆に入れて動かしていたようで、あらためて電池を正常に入れてみると、電解コンデンサーが、チンチンになっていました。電極が逆で電解コンデンサーが逝ってしまったと思われます。

と、電気関係については、いろいろが不具合があるので、アルミ箔を詰め込むようなことは危険なのでしないでくださいね。

さてさて、補修作業前に動作的な問題が出ていないかを確認します。

スピーカーと電池ボックスは外部で繋ぎ絵柄への反応を確認します。

曲がったペン先

大丈夫そうですね。

では、慎重に曲がったコネクタを元も戻します。基板側のコネクタピンをペンチで挟みがっちり固定し曲がったコネクタ側をゆっくり曲げ戻します。

で、コネクタとピンの半田付けを一通り再半田しておきます。

まっすぐ

ふー、綺麗に戻りました。メデタシめでたし。

次に懸案の負極の支柱折れに対処します。

電池を入れっパにすると、負極のバネの応力が四六時中かかるので、小手先の補修ではダメですね。

負極バネによる支柱への応力をネジ穴の支柱に逃がせるようにプラバンを挟み込み接着固定します。

プラバン1
プラバン2

さらにその周辺一帯をプレリペアで充填し固めてしまいたいのですが、粉が飛散しないように土手を作っておきます。

マスキングテープ

マスキングテープで折れた支柱横に土手をつくります。

諸共一帯にプレリペアを充填するので、粉も溶液も量を消費しますが、負極のバネの応力を経年で耐えるにはこれが一番良いと思います。

支柱固定

これで完全にぐらぐらしなくなります。負極の半田部分は、基板側との接触防止のため、カプトンテープで絶縁しておきます。

絶縁

基板側も絶縁しておきます。

絶縁

負極からの液漏れの腐食がこの回路にもろあたります。

取れていたLEDも半田しなおして動作確認をします。

反応も問題ありませんね。

修理完成

いろいろありましたが、無事修理完成しました。

今回は、無事修理ができましたが、一歩間違えれば回路故障で修理不可能になるやもしれない事案でした。

ご自身で修理に挑みたいお気持ちも分からなくもないですが、ご面倒でもおもちゃ病院に相談いただければと思います。

最後にお顔の塗装剥がれもマジックペンで塗っておきました。

塗装剥がれ
マジックペン補修

ミニーのディズニーミストファン修理 3台

ミニーのディズニーミスト 3台

ミニーのディズニーミストファン修理 3台

猛暑の折、急患にてご依頼がありました。

3台共、ファンはクルクル指で回りますが、乾電池ではうんともすんともな状態です。

共通したメンテナンスとして、フィギュアは外し中性洗剤で洗い、霧吹きも動作確認をしておきます。では、早速診断と作業を行いますが、区別するため色で呼ぶことにします。

まず、赤のミストファンです。

赤のミストファン

電池ボックスの蓋に既に腐食が出ていますね。ルーターで研摩します。

腐食錆取り

腐食のため接触不良を起こしております。

また、本体内部もまぁまぁひどい腐食が方々に広がっておりますね。

腐食

電極は全て研摩し導通を回復させます。腐食で導線が断線しているので、配線は全とっかえします。

さて、モーターは黄色いカーボンブラシのハイパワー仕様です。以前、分解しブラシ部分を壊しかけたので、この仕様のモーターは、ブラシのあるお尻側の穴から接点復活剤をスプレーし電源を外部からあたえ回転させます。

軸の回転部は、グリスを塗布しておきます。

電極錆取り

電極の錆は、ルーターで表面や接続部など入念に研摩します。最後にテスターで抵抗値を計測し抵抗が残っていないことを確認します。

配線交換

幸いに電源スイッチも接点復活剤で回復しましたので、腐食の研摩、導線の全交換、モーターのオーバーホールで修理完了です。


次に緑のミストファンに着手します。

緑のミストファン

こちらの液漏れと思われる腐食が広がっております。

電極の液漏れ痕

乾電池から液漏れしたのでしょう。液漏れの粉と思われます。綺麗に研摩しておきます。

電極研摩
電池ボックスの蓋

こちらの腐食が原因で導通できておりませんでした。どちらも研摩して綺麗にしておきます。

因みに、蓋の抑えも渋くなっていますので、シリコンスプレーを吹いておきます。

緑のミストファンに使用されているモーターはマブチ製のモーターで単純なブラシ構造なので、分解しオーバホールします。

コミュテータの汚れ
ブラシ

どちらのグリスも劣化で黒くなっておりますので、パーツクリーナーで洗って新しいグリスを塗布しておきます。

配線は、幸いに腐食の浸食もなく無事で、電源スイッチの接点も接点復活剤を吹いておきます。

導通確認

導通確認を行い修理完了です。


最後に紫のミストファンです。

こちらのミストファンは、給水チューブにも不具合がありました。

給水チューブが、ボトルの底面に付いてしまっており、ボトル内の水が吸い上げできなくなっております。

まっすぐ置けない

そのため、本来は静止してまっすぐ置けるのですが、ボトルの底面に膨らみが出てしまい置けません。

給水チューブ
底面接触

原因は給水チューブが上部から抜けズレており底面に接触していたのですが、その状態で保管したままだったので底面の中央に膨らみができております。この膨らみからすると、購入時から膨らんでいたっぽいです。

チューブを上に押し上げると正常な位置になり給水もできるようになりました。

ファン使用時は、霧吹きを使っていなかったのでしょうかね。。。

さて、こちらも故障は腐食による接点の接触不良でした。

接点の腐食
研摩

研摩しておきます。

紫のミストファンも通常使用のマブチ製モーターでしたので、分解してオーバーホールします。

グリス劣化
グリス劣化

グリスを除去し黒変した表面を研摩しておきます。

研摩

ブラシ側は非常に薄く既に脆いので研摩するときは、特に注意が必要です。失敗すると折れます。モーター用グリスを塗布して組み上げます。

組み上げ

修理依頼から修理完了まで 最速最短で仕上げてもらい ありがとうございます。

何年も前にTDLで購入して 使うのは夏場のみで 使いたい時に動かないとゆう 非常に残念な結果だった為、 捨てるしか無いと諦めていました。

子供達の残念そうな顔を見て 修理ができないかネット検索!

こちらの、瀧下さんのサイトを発見し 即、修理依頼!

季節物で急患扱いしてもらえて、 ほんの数日で元通りお見事です。

本当にありがとうございました。

修理の詳細、どこがどう悪いか、 原因だったり、メールと動画で 細かく教えて頂けて感謝致します。

今後は教えて頂いた保存方法を しっかり守って大事に使用します。

子供達にも笑顔が戻りました!

また機会がありましたら よろしくお願いします╰(*´︶`*)╯

~依頼者様のご感想より~

てんしっちのたまごっち 潰れたネジの開封

てんしっちのたまごっち

てんしっちのたまごっち 潰れたネジの開封

ご自身で開封しようとしたところ、ドライバーで回してもネジの溝が削れるばかりで心配になり、当医院に相談がありました。

このご判断は、と出ました。

潰れ具合左
潰れ具合右

溝の残りぐあいと開封の成功確率は、まったくの無関係です。

溝があっても、ネジが強固にねじ込んであれば、開封できません。

では、早速左のネジから挑戦します。

左のネジは、当医院の開封の技術でサクッと開封できました。瞬殺に近いです。

次に右のネジに挑戦します。

右のネジは、ネジが強固に本体の溝とガッチリ食い込んでおり、ビクともしません。そのため、通常の開封手段では、ネジの頭の溝が削れるばかりです。

出てきた

格闘すること、20分。

やっと、少しづつ出てきました。頭部分が出てきましたら、あとは小型のニッパーでネジの頭を縦にツマミ回すだけで開封できました。

開封

無事開封できました。

今回は、依頼者様が、潰れかけた寸前でご依頼をいただけたので、無事開封できましたが、もし、これ以上ドライバーでこじった場合は、開封は不可能となります。

無事起動

電池ボックスには、液漏れもなく現状で問題なく動作しました。

ネジの締め過ぎにはくれぐれも気を付けてもらい、長期間遊ばないときは、ボタン電池を抜きできれば、蓋をせずネジも外したいですね。もしくは、ネジの頭が出るくらい緩くしめておいてもいいです。


動作が問題無いだけにネジが潰れて個人の範囲ではどうにもならなくなってしまう のが非常にもどかしかったので、宅配おもちゃ病院様のような活動をされている方がいらして本当に助かりました!

この度は丁寧なご対応と処置をありがとうございます。

~依頼者様のご感想より~