すみっコパッド USB給電基板交換

すみっコパッド

大人気のすみっコパッドのマイナーチェンジ版の修理依頼です。

※すみっコパッドのUSBコネクタ修理は常時受け付けしております。

USBのコネクタが破損してしまいUSBケーブルからの給電で起動できないとのことです。

乾電池での起動動作は問題ないとのことなので、サクッとUSB給電基板を交換してしまいます。

因みに、当医院ではマイナーチェンジ前後どちらとも交換基板を用意しております。

では、コネクタの破損状況を確認します。

破損コネクタ

目視でも分かるぐらいの破損ですね。電極が曲がってあちこちに行っています。

USBケーブル

お使いのケーブルも同封をお願いしております。

本体側のコネクタが破損しているので、コネクタのプラグ側にも影響が出る可能性があります。

残念ですが、目視では問題なさそうですが、通信用の信号の電極に曲りなどあるようで接触不良でパソコンとの通信ができませんでした。比較確認用に当医院のUSBケーブルを使用するとパソコンとの通信ができるので、通信を行う場合は市販のケーブルを購入していただくようにお願いしました。

さて、本体側の基板交換をサクサクしてしまいます。

交換基板

当医院では、常時数枚アセンブリ用意しておりますので、同時対応も可能です。

交換済み

基板のレジスト色も揃えているので全く違いは分かりません。

さて、こちらの記事に記載しておりますが、USB Type-Cのコネクタ自体の交換はリスクが大きくお勧めしません。以下の画像を見てみてください。

純正基板ランド

純正基板の半田ランドの拡大画像です。

ほら、コネクタの電極端子のサイズと基板の半田ランドが同一形です。

そうなんです。

リフロー前提の基板設計なので、基板のランドに触れることができないのです。

低温半田を使用した場合、元々の半田にじっくりと低温半田を混ぜ込むことができないと半田の融点を下げることができません。従いまして、この基板のコネクタを剥がすためには、リフロー炉かリワーク工具が必要となります。

他の実装部品もあるので、コネクタの端子の上に半田をてんこ盛りにしてリワークステーションで320℃ぐらいで作業するしかないですね。

ネット記事の皆さんと自分も低温半田で失敗した理由がはっきりしました。

さてさて、基板のサクッと交換し動作確認をします。

まず、主様お使いのUSBケーブルで給電起動確認とHOMEボタンの動作確認をします。

問題ありません。

ついでに、Type-Cのコネクタをひっくり返して同じ起動確認とHOMEボタンの動作確認をします。

問題ありません。

念のためですが、乾電池での起動確認もします。

問題ありません。

次にUSBケーブルでパソコンとの通信をします。

が、ここで認識不良があります。

お使いのケーブルではパソコンから認識できません。

おおお!

ケーブルのプラグ内の電極に何か起きてようです。

裏を取るために当医院のUSBケーブルで通信確認をすると、無事に本体認識しデータの通信もできました。

主様にも市販のケーブルを購入いただくことで対処をお願いしました。

修理コネクタ

動作確認もでき修理完了です。


イワヤ 赤ちゃんブリテッシュ 骨折修理

赤ちゃんブリテッシュ

大人気のイワヤの赤ちゃんシリーズの赤ちゃんブリテッシュです。

画像が斜めなのは、写し失敗したのではなく骨折で斜めっているのでした。

右後ろ足

右の後ろ足が折れてしまっています。

骨折で右側の後ろ足が動いていません。

ですが、肝心の折れた残骸の足先がぬいぐるの中にありません。

ぬいぐるみを開いた形跡はないので、恐らく残骸が本体内部に転がっているはずです。

少し振るとカラカラ音がします。

では、縫い目に沿って開き足の状態を確認します。

足先

折れた足先はやはり内部に転がっており、何とか取り出せました。

ちょうど稼働軸の下で破断しています。

折れた箇所が少し曲がっているのでぽきっと折れたのではなく、ゆっくり曲がりながら最後に折れたようです。

骨接ぎは、いつのも通りワイヤーを通す穴をピンバイスであけてワイヤーで強固にまずは固定してからエポキシ接着剤で固めてしまいます。

ただ、稼働軸の横なので穴をあけることができる場所があるか、あけれたとしても固定できるかがポイントになります。

では、足パーツが取り出せるまで縫い目を開いて本体のネジ留めを外します。

猫の開き

後ろ足の軸から折れた部位を取り出せるまで開きます。

骨折

穴の位置に注意すればワイヤーは通せそうですね。

ワイヤー

ワイヤーは3本で穴位置は、7箇所です。

では、エポキシ接着剤で固めます。

エポキシ接着剤
エポキシ接着剤

エポキシ接着剤が固着するまで十分に時間をおき稼働テストをします。

稼働テスト

すぐぽきっと折れることもなく固着できましたね。

では、ぬいぐるみを縫合しますが、過去の失敗もあるので、徐々に縫合しながら稼働を交互に繰り返し作業します。

縫合完了
動作確認

この愛くるしい動きが大人気なのえしょうね。


こどもたちもたいへん喜んでいます。 ありがとうございました。

~依頼者様のご感想より~

DX 龍召機甲ドラグバイザーツバイ修理

DX 龍召機甲ドラグバイザーツバイ

DX 龍召機甲ドラグバイザーツバイという、恐らく仮面ライダーのアイテムと思われる修理依頼がありました。

お持ちのカードで認識不良が出ているとのことで、ご自身で修理に挑まれたそうです。

分解の際に顎の付け根のネジが潰れてしまい開封できなくなったことと、あちこちのネジを外した際に本体内部のバネらしき部品が飛び出てしまい収拾つかなくりご相談をいただきました。

潰れたネジの開封とバネの装着、カード認識不良の3点の修理となります。

では、診察しましょう。

届いた状態でカードを挿入してみると認識不良が多いです。

この玩具は、認識エラーと起こすと『認識不良』と言います。

潰れたネジ
ネジ

当医院は、何故か潰れたネジの特にたまごっちの開封依頼を多くいただき、開封に際しコツなども多く、この程度の潰れはサクッと外してしまいます。

まず懸念の潰れたネジを外せたので、その他のネジも外して開封します。

ですが、おでこの辺りがどうも開封できません。

注意が必要

上記画像の辺りですが、上側からのネジ2本を外しても左右に開きません。

強引に開くと割れてしまいます。

このパーツのネジの台座が少しパーツに食い込んではめられているので、本体を左右に開きながら、かつパーツの上に持ち上げると開封できます。

実物の組み上げ状況を見ながら作業すれば特に問題なく開封できます。

さて、次なるバネの装着です。

取れたバネ

バネというか先にプラスチックの部品も付いてしますね。

開封すると直ぐ取れた場所が分かります。

ここ

本体内部に同じようなパーツが転がっていました。よく見るとカードを挿入セットする際にひいたりするレバーのバネでした。

ちょうど上下に一つづつセットするようで、依頼主様がレバーを開封した際に外れてとれたのでしょう。

装着

レバーのネジを外し、こんな感じにレバー内部に装着します。

2点目も解決しました。

最後のカード認識不良の原因を解析します。

本体内部

カードには複数の穴があいており、その穴をプッシュスイッチ側の検知スイッチで穴の有無を認識するというメカニズムです。

カードスロット

スイッチの突起がスロットの穴から出ていてカードの縁でカードに密着します。

レバーの引いたり押したりすることでスロットが開閉しカードとスイッチの突起が密着しON/OFFが切り替わります。

スイッチ形状
位置関係

1番から7番までがカードの穴と対になっており、0番のスイッチが恐らくカード自体の有無を検知しているようです。

この手のスイッチの接触不良は、電極の汚れか酸化膜で、本来であればスイッチを交換すべきです。

ですが、同じスイッチがそう簡単に入手できないため現品のスイッチの接触をどうにかして回復できないか検討します。

因みに、基板との半田付けも念のため再半田しておきます。

まず、現状でのON/OFFをハンディテスターで確認します。

チェック結果

ほぼ全滅です。

このスイッチは、オープンな状態でクローズ(短絡)になっている、ノーマリ―クローズタイプのスイッチです。従いまして、カードを挿入しない状態で長期保管すると、スイッチが短絡されたままで保管されることになります。

さてさて、真っ先に思いつくのは、接点復活剤ですが、ここでちょっと待ったです。

先の画像のようにこのスイッチの突起は、カードに密着するので、むやみに吹き付けてしまうとカードに染みが付いてしまいます。

自分は、この手のカードを良く知らないのですが、大事なカードだったりすると染みが残念な感じになります。

そこで、2段階で検討します。

揮発性の高いクリーナー(今回はフラックスクリーナー)を吹き付け液をスイッチ内部に浸透させ、ON/OFFを繰り返し電極の接触部をコキコキします。

クリーナー
クリーナー結果

クリーナーを吹き付けコキコキすると、おおよそ全てのスイッチが改善しました。

もちろんですが、カードの認識も問題ありません。

経過確認

実は、ここで少し浮かれており、このままで状態が持続してくれればいいなーと思っていました。

そうです、この点の接触不良はそう簡単に回復しません。フラックスでもないので酸化膜なんぞはとれないでしょうね。

数時間で数枚のカードで認識不良が再発しました。

既に策が付きているので、最終手段の接点復活剤をスプレーし念入りにコキコキします。

やはりコキコキ後は正常に認識するのですが、この状態がどこまで続くのかだけです。

依頼者様には、当医院で提供できる策はもうないとお伝えし、先の潰れたネジの在庫がなかったので発注したネジが届くまで経過観察することにしました。

ですが、ここでも残念ながら数日で再発しました。

ネジが届くまでそのままというのもイヤなので、強制的に全スイッチを押し込むことができるカードを作成しました。

自作カード

このカードを挿入すると全スイッチを強制的にON/OFFできます。

保管時や認識不良が発生した際に挿入していただきスロットの開閉を繰り返しスイッチの接点を回復していただきます。

スロット

潰れたネジを装着し修理完了となります。

交換ネジ
ネジ装着
口のカード挿入箇所
エヴァみたい

このアイテムですが、角出して口を開くと、エヴァンゲリオンにそっくりですね。

最終動作確認

どうかこの状態が長続きするように祈るばかりです。


動作確認もバッチリできて、自分の持ってるすべてのカードを認識することができるようになり、とても嬉しいです。

修理してくれた瀧下様には感謝しています。

~依頼者様のご感想より~

トーキング ウッディ ヒューズ切れ修理

ウッディ

トーキング ウッディ ヒューズ切れ修理

タカラトミー製のトーキング ウッディです。

日本語と英語を切り替えることができるバージョンとなります。

背中の紐が取れてしまい、依頼者様自身で修理に挑んだそうなのですが発声できずということでご依頼がありました。

他の依頼案件では、引っ張った紐が戻らないケースが多く、その多くがボビンを巻き取るバネが破損したためです。

今回は、巻き取ることはできるのですが声が出ないということなので、早速ですが拝見しましょう。

本体モジュール

実は、本体は既に外された状態で届きましたので、この状態で故障診断をします。

電池ボックスの電池を抜きますが、同封された乾電池はアルカリ乾電池で、電池ボックスに収められていた電池は、パナソニック製のエネループでした。

これ故障解析のために覚えておいてください。

ボビン

因みに首側から覗くとこのようになっており紐巻きもできています。

ボビン巻き動作

ですが、電池ボックスの蓋のネジが開きません。

ネジ

通常は、ネジを回すと蓋ごと外せるのですが内部のナットも一緒にクルクル回っています。

しかもネジの溝も潰れかけています。

仕方ないので本体をカパッと開いて外します。

潰れたネジ

まぁまぁ溝が削れて潰れていましたね。

ネジ山破損

この蓋を締める用途のネジはネジ山が途中まで切ってあり、山の無い部分はちょうど蓋の厚さ分ありくるくる空転するためのものです。

目視上、山に問題無さそうなのですが、恐らく主様が占める際に山がズレたまま強引にネットにねじ込んでしまい先端のネジ山が広がりナットに変に噛み込むようになったいたようです。

ナット

この状態でネジを回してしまったので、本体のナット受けの方にも削れが生じております。

ナット受け

ネジに噛んだままのナットがここでくるくる回っていました。

こうなるとネジを交換してもナット側がくるくる回ってしまうので、ナットを接着剤で固定します。六角形のネット受けが削れていますが、六角形の形こそ保っておりますので、弾性のエポキシ接着剤でナットがくるくるしない程度で固定します。

接着固定

後の祭りでもあるのですが、次回同様のケースではプラリペアを充填して固定しようと思います。多分その方がより強度があるような気がします。

さて、ネットの抑えはこのようにして山の削れたネジも交換します。

M2.6 * 6mmのなべネジです。

交換ネジ

通常のネジに交換すると蓋を開ける際にくるくる回し過ぎるとネジが外れてしますので、その点は依頼主様に注意事項といいうことでお伝えしておきました。

さて、電池ボックスの蓋はこれで良しです。

次に通電し動作確認をします。

紐を引っ張ってもうんともすんともです。

バネのスイッチの接点がうまく接触していない可能性もあるので、紐で引っ張るのではなくクリップの導線でバネスイッチの両極を短絡させて確認します。

これでもうんともすんともです。

と、電池ボックスを除くとアキシャルのヒューズが目に付きます。

おおお!

恐らくこれが切れたためでしょうかね???

とー!

そうだ、元々電池ボックスに収められていた電池はニッケル水素の充電池でした。

そうです!

玩具メーカー様も充電池は使用しないでくださいと銘打っているのは、このためでした。

900mA以上の大電流を流せるニッケル水素の充電池は、電子回路を破損してしまう危険性があるので、アルカリ乾電池の使用を推奨しております。

今回は、保安部品であるヒューズが切れたことで発声しなくなっていたと推測されます。

ヒューズ
ヒューズ切れ

やはり切れていました。

外部電源で直接印加すると無事発声しだしましたので、発声しない主因はこのヒューズ切れでしょう。

バネもバネスイッチも無事なので電池ボックス蓋のネジ交換とナット固定、ヒューズの交換で修理できそうです。

500mAヒューズ

発声動作時の実測の電流量は、目視で約25mAです。

デジタルマルチメータなので、サンプリングの誤差や起動電流を考慮し500mAのヒューズとしました。ポリスイッチも検討しましたがスペース的に無理でした。

というか、アキシャル型のヒューズの入手性が悪く500mA以下で容易に入手できる経路が探せませんでした。

以前、たまごっちの修理の際も、この点宿題にしていたのですが今だ解決できずでした。

交換ヒューズ

ではでは、ヒューズを交換し動作確認をしますが、ウッディは首のはめ込みがまぁまぁ大変なんですよね。

開いた状態
はめ込み

首のはめ込み部がむき出しになるように洋服もたくし上げます。

やっと入ったところでネジを絞めます。

次に紐の輪っか部に接着してある紐と解き洋服の穴に通します。

輪っかには一旦縛られてはおりますが、瞬間系の接着剤で固められているので、アセトンで湿らせ解きます。

縛った紐

これで組み立て完了です。

動作確認

大丈夫ですね。これにて完了となります。


診断も素早く説明も丁寧で、ここに依頼して本当に良かったと思いました。 息子も大喜びです。

~依頼者様のご感想より~

アンパンマン おしゃべりいっぱいことばずかん DX 言語切り替えスイッチ交換

アンパンマンタッチペン

アンパンマン おしゃべりいっぱいことばずかん DX 言語切り替えスイッチ交換

今回の故障の症例は、言語切替がスイッチが効かなくなってしまったとのことです。

カチカチとせず、いつも日本語のみであるとのことです。

これもDX版の故障あるあるなのですが、使用されているスイッチのノブが弱く切り替えを繰り返していると、その上折れてしまい、折れた際のスイッチの状態で言語設定が固定されてしまいます。

言語切替スイッチ

では、分解してスイッチの状態を確認しようと思ったのですが、主様が開封に挑戦されたらしくネジの1本が潰れてしまっております。

潰れたネジ

おおお!

かなりグリグリやっていますね。

おやおやという感じですが、大丈夫当院は、たまごっちの修理にて潰れたネジの開封は得意としております。

では開封に挑戦をしようと思ったのですが、何やら状況は変です。既にカバーが開いています。

開いている

あら?

主様は、グリグリやりすぎてネジ穴を既に貫通させておられました。

ほら

ネジの残骸は除去します。このネジの他に2箇所近隣のネジもあり、ネジ穴の再建は不可能なので、潰れたネジの箇所はネジ締めをせずにおきます。

さて、肝心の言語スイッチの状態を確認します。

折れたスイッチ(ピンボケですんません、、、)

やはりノブが折れており日本語側になっておりますね。

交換用のスイッチがありますので交換してしまいます。

交換スイッチ

スイッチ部品は三極部とプラグシェル部の合計7箇所が半田付けされております。

部品外し

既に壊れた部品なので基板を損傷しないように除去します。

基板

スイッチは、ボス付きのスイッチとあります。

ではサクッと新品のスイッチを取り付けてしまいます。

スイッチ交換

元に戻して動作確認です。

動作確認

バッチリですね。

これで修理完了です。


後日談 2023.10.20(金)

言語切替スイッチ交換から約3ヶ月経過後に動作を再度確認する機会がありました。

すると、言語切替スイッチのスライドが固着してびくともしなくなりました。

それと知らずに強引に切り替えてしまい、再度スイッチのノブが折れてしまいました。

なるほど、皆さんこのような事態が起きて折ってしまうんですね。

実は、DX版の言語切替スイッチのノブが折れてしまう故障はいくつかスイッチ交換をしてきましたが、なぜこんなに折れてしまうのかは考察しておりませんでした。

恐らくスイッチの個体差もあるのでしょうが、スイッチ内部のグリスが劣化固着し粘着したり、プラスチック製のノブが筐体側に引っ付き動かなくなってしまうのかもしれません。

従いまして、DX版のスイッチを交換した場合は、スイッチにグリスを吹き付けるか塗布して十分なじませておくことが必要と思われます。

アンパンマン おしゃべりいっぱいことばずかん タッチペン 電源スイッチ修理

アンパンマンタッチペン

アンパンマン おしゃべりいっぱいことばずかん タッチペン 電源スイッチ修理

アンパンマン おしゃべりいっぱいことばずかんには、シリーズ化されており知るだけでも、

  1. 初期版※本記事のバージョン
  2. デラックス版
  3. スーパーデラックス版
  4. プレミアム版

とあります。最新は、恐らくプレミアム版かと思われますが、当院ではまだ診断実績がございません。

今回は、初期版の修理記事となります。

初期版は、初期版とあるだけに、その後に頻発する故障がいろいろ含まれております。今回の故障は電源が入らないという故障です。

初期版の故障あるあるとしては、ペン先のイメージセンサーモジュールのコネクタ半田剥離が一番多いですね。次にこの電源スイッチの故障が多いのですが、電源スイッチについていろいろあります。

そもそも電源が入らないという事例もあるのですが、電源スイッチのスライドノブが上がり切らないという筐体設計上の問題もあります。

そうなので、今回の故障は、このスライドスイッチのノブが上がり切らずに電源ONにならない症状です。

電源スイッチ

白いノブを上にあげようとしてもカチッとON側に移動してくれません。従いまして、電源もONになりません。

スライドスイッチ

スイッチが半田付けされている緑の基板がありますが、この基板実は赤いカバーの筐体にネジ止めされていないのです。それが原因で白いノブを上に押し上げようとしても基板ごとズレるので電源OFFのままONの位置に移動しません。

もはや設計上の問題ですね。

新品の状態では、横にある電源正極の管型のヒューズの足が基板を抑えているのですが、電源のON/OFFを繰り返していると、このヒューズの足に曲がり癖が付き基板を抑える役目が無くなります。

というか、そもそもヒューズの足にそのような機能はないので、新品の時は運よく電源ONできていただけでした。

基板接着固定

そこで、基板の端を筐体を弾性のエポキシ接着剤で接着固定してしまいます。これでズレは起きづらくなります。

次に、パン先のカパカパも対処します。

隙間

初期版の持病ともいうべきコネクタの半田剥離は、このペン先がグラグラしていることが原因の一つです。

黒いペン先を赤い筐体に隙間があり、絵本にタッチした際にもろに衝撃が半田付けされているコネクタ部にかかります。

隙間も大きいので衝撃も大きくなり、いづれ半田剥離に繋がっていると思われます。

この機種以降は対策として、半田付け部の抜き差しできるコネクタ化しており、かつペン先も黒いモジュールの入光口を抜き出しにせず、カバーをかけております。

さて、本初期版ではこの隙間に、同じく弾性のエポキシ接着剤を充填して固めてしまいます。

弾性エポキシ接着剤充填

これでグラグラカパカパしなくなりました。

以上で修理完了となります。

アンパンマン おしゃべりいっぱいことばずかん SuperDX スピーカー断線修理

アンパンマン おしゃべりいっぱいことばずかん SuperDX

アンパンマン おしゃべりいっぱいことばずかん SuperDX スピーカー断線修理

外来勤務している地域のおもちゃ病院で担当しました。

依頼者の方は、同じSuperDXのおしゃべりいっぱいことばずかんをお持ちだったのですが、タッチペンが故障してしまい同じことばずかん一式を購入されたそうです。

おもちゃ病院で修理できるかもと故障した方のタッチペンと絵本を持参されました。

で、肝心の故障の症状は、タッチペンが絵柄に反応しなくなったそうです。

で、そのまま絵柄に反応しないという事態だけでなく、ちょうどスリープからの起動時に押すボタンの位置にテープを貼ると絵柄に反応したりすると、ちょー重要な症状もいっしょにご提供いただきました。

こういう情報は、とても、とても、とても重要です。

修理可否を大きく左右します。

が!

当日おもちゃ病院の会場に持参されたのですが、会場での動作確認では問題なく絵柄に反応しだしたのです。

おもちゃ病院あるあるですね。

ご自宅では問題あったのですが、会場に持参すると問題なく動きだしたりします。

ですが、こういう不安定が挙動って故障解析がとってもたいへんなんですよね。

故障解析をする場合は、故障の症状が起きていないと解析のしようがないのです。

最悪、故障の症状が出るまで永遠動作確認をする事態になります。

正直、おもちゃ病院は、メーカー様の故障解析センターではないので、このような対応は不可能です。

毎日のように絵本に向き合い起動するか、絵柄に反応するかを確認するというのは、区切りをあらかじめ切っておかないと、故障症状がでるまで、年中拘束される事態になります。

ということで、入院扱いにて来月の診療日まで確認頻度はこちらの任意をして動作確認を行い問題が出た場合は、故障解析を、出なかった場合はそのままお返しするということで合意してお預かりしました。

前置きが長くなりましたが、持ち帰り入院扱いで早速故障解析をします。

会場の動作同様に問題なく稼働します。

このままで迷宮入りしますが、前述の通り、不具合時の重要な情報をお聞きしていました。

『ちょうどスリープからの起動時に押すボタンの位置にテープを貼ると絵柄に反応したりする』

これ、ちょう重要でした。

というのは、何かの接触不要の懸念があるからです。

ご自宅では何か接触不良は起きその接触不良で問題が起きていた。しかし、おもちゃ病院の会場まで持参した際にその接触不良が解消されていたように推測しました。

まさしくビンゴでした。

表面のカバーを外すと、まったく反応しなくなりました。

不安定な不具合に留めをさして故障症状を常時発現させることに成功しました。

これは、不安定な故障の修理をするうえでとても重要です。

コネクタ型

ところで、このSuperDXのタッチペンですが、マイナーチェンジ前のバージョンでイメージセンサーモジュールとはコネクタで接続されております。

で、基板をむき出しにした状態では絵柄に反応しません。

というか、起動時に声も出ません。

プッシュスイッチの当たりを指で触れると音が出ます。

なるほど、おもちゃ病院の会場で問題なかったのは、カバーをした状態で恐らく主様が握られた影響で基板のスイッチ当たりが湾曲したのだと思います。

ですが、このプッシュスイッチってスリープから起動用なのでスイッチ自体の問題の可能性は低そうです。念のため故障解析のためプッシュスイッチを外しておきます。

もちろんですが、プッシュスイッチを外しても音はでません。

解析のため、どこか問題なのかを調べるため周辺も目視解析します。

横にあるNOR Flashに触れても音がでるようになります。

んんん?

どこ振れても音が出るって変です。

とここで、音が出ないってもしかすると、スピーカーの断線じゃない?と感じました。

実は既にスピーカーの導線は目視チェックしていました。

スピーカーの導線半田箇所

ほら、一見問題無さそうでしょう。

でもね、

断線箇所

カツカツで接触してだけでした!

カツカツで接触していたので、プッシュスイッチの基板の中央を押して湾曲させると離れていた半田の盛り上がりと導線の芯線が接触していたという故障現象でした。

主様は、スピーカーから音が出ない=絵柄に反応しない=故障という流れで認識されて居られました。

まぁ、仕方ないですね。

アンパンマンのおしゃべりいっぱいことばずかんシリーズでは、

起動時の起動音が流れるが絵柄に反応しない=画像認識に問題あり

起動時の起動音も絵柄にも反応しない=スピーカーに問題あり

という初期的な診断をお勧めします。

再半田

導線を剥き直し再半田付けして修理完了です。

修理完了
動作確認

アンパンマンおしゃべりいっぱいことばずかんプレミアム イメージセンサー故障修理不可

プレミアム

アンパンマンおしゃべりいっぱいことばずかんプレミアム イメージセンサー故障修理不可

アンパンマンのおしゃべりいっぱいことばずかんシリーズは、今まで多くの修理を行ってきましたが、最新版のプレミアム版の修理依頼がありました。

愛知県の地域のおもちゃ病院からの転院の申し出があり、持ち主様に別途当医院を紹介していただき診断をすることになりました。

絵本の絵柄への反応がないという症状にて、赤外線LEDの点灯確認までは。地域のおもちゃ病院のドクター様が確認をなされ、以後を引き受けることになりました。

プレミアム版は、多言語対応以外にもマイクを実装しお子様の声を録音できたりと、機能アップが図られております。

電源投入後、起動音が正常になり言語切替も無事発声します。また、以前に録音されたお子様の声もボタンを押下すると流れました。

では、診断をします。

△ネジ

ネジは、SuperDX版と同じ三角ネジです。横にリセットボタンが付きましたよ。

フラットケーブル

ペン先のモジュールとは、SuperDX版と同じ4芯のフラットケーブルで接続されており、信号は、画像の左から、GND, SDA, SCK, Vccとなります。

信号の規格もSuperDXからの仕様と踏襲しているようですね。

さて、前任のドクター様で既に赤外線LEDのチェックはされておられるとのことでした。

無事点灯

点滅制御もなされているので、ペン先の画処理ICは起動していそうです。

では、ケーブルの信号が絵柄に対して反応しているのか確認します。

ICクリップ

SCKとSDAを観測します。

信号

SCKは、GNDに貼り付き、SDAはHiのままですね。

SCKのクロックに同期し、SDAが駆動されSCKのエッジでキャプチャーするという、まぁ取り分け特異が使用でもないですね。

さてさて、信号が貼り付いていますが、絵本の絵柄に対してはどうでしょうか。

SuperDX版ですが、絵柄に反応するとSCkがクロックしデータが転送されますが、全くのうんともすんともです。

絵柄に反応しませんね。

念のため、入光口に何か詰まっていないか確認しましたが、筒の奥にレンズの入光口が無事見えています。

ペン先には、イメージセンサーと画処理ICが基板に実装されております。赤外線LEDも制御できていそうなので、イメージセンサー側の故障の線が強そうですね。

ですが、SDAがHiに貼り付いているので、何からの動きはあったようです。

故障原因の切り分けのためペン先をフラットケーブルから外してみます。

ペン先外し

するとどうでしょう、起動すらしなくなりました。

なるほど、メイン基板に実装されているnuvoton製の制御ICは、ペン先がつながっていることを起動時に認識していそうですね。

では、接続を元に戻し電源投入直後のハンドシェイクの波形を観察します。

波形

1ch側:SCK

2ch側:SDA

これだけでは何とも言えませんが、Vccが印加されると、恐らくペン先の画処理ICから何かしらのIDを送出しており、そのIDを基板側のICで受診して起動するといった流れのようです。

ここまでまとめると、起動時にハンドシェイクが行われメイン基板の制御ICと通信はできているが、その後絵柄を近づけても信号に変化は起きます。

起動時のハンドシェイクはできるが、その他の機能が故障するような事態は考えにくいので、イメージセンサー側で画像と取り込めなくなっており、起動はするが、絵本にタッチしないままのような状態が続いているのでしょう。

メイン基板やペン先の基板なども目視確認を行い、ダメ元でICの足を再半田したり、フラックスクリーナーで綺麗にしたりとやってみましたが、いづれも改善しませんでした。

イメージセンサーの故障も多くはないとしても、相手は半導体なので、ショックやランダム性の故障もありえます。

おもちゃ病院での診断は、以上が限界点と判断し今回は修理不可能とさせていただきました。


ファービー おもちゃ病院あるある症例

ファービー

ファービー おもちゃ病院あるある症例

今回の記事は、おもちゃ病院で経験する症例となります。

依頼者様のところでは、不具合が出ていたのだが、おもちゃ病院に輸送したところ、何故か不具合なく動作してしまったという症例です。

これは、地域の会場開催のおもちゃ病院でもよくあることなのですが、ご自宅からの移動の最中に状態が変化したとか、当医院の場合は、輸送中に不具合が解消されてしまったような事例です。

例えば、電池入れ方があまく移動中に正常位置になったとか、ギア噛みが起きていたが、輸送や移動中の揺れで噛んだギアが解けたとかもありえます。

今回は、大事に長期間保管されていたファービーだが、久しぶりに稼働させようとしたところ、最初ビクッとした後ピクリとも動かなくなったそうで修理の依頼がありました。

ですが、届いた直後に動作確認をすると、問題なく動作しております。

電池ボックス

電池ボックスの綺麗で電極に腐食も見られません。

乾電池

使用されていた乾電池の容量も問題ありません。

推測するに、長期間稼働していなかったようなので、モーターのグリス固化が起きていたのかもしれません。

何かの拍子にトルクを与えてあげると問題なく動きだすことが多いです。

また、ギアボックス内の稼働軸やツメなどが引っかかっていたが、輸送中の揺れで引っ掛かりが取れたのかもしれません。

当医院での動作確認では、数回の起動と電池の抜き差しなど行いましたが、ハングアップしてしまうようなことは起きませんでした。

修理作業自体は何も行っておりませんが、現状のままで返送とさせて頂きました。

動作確認1
動作確認2
動作確認3

※返送後も快調に動作しておられるそうです。

すみっコぐらしパソコン プレミアムプラス スピーカー交換修理

プレミアムプラス

すみっコぐらしパソコン プレミアムプラス スピーカー交換修理

すみっコぐらしパソコンのマウスケーブルの断線修理をいくつか過去に修理を行ったきました。

今回は、プレミアムプラスというバージョンで故障は、スピーカーから音がしないという不具合とのことです。

スピーカー

アンパンマンのおしゃべりいっぱいことばずかんでもそうですが、バージョンアップの際の命名が同じなのですね。デラックス→スーパーデラックス→プレミアム→?

このバージョンからデータバックアップようのボタン電池が蓋面に付きました。

ボタン電池ボックス

また、カメラも実装され液晶の上部に星形のカメラレンズがあります。

カメラ

それと、何か居ます。

何か居る

マウスの着せ替えカバーでないのですが、何か居ます。役目は存じ上げません。

さてさて、音が出ない原因は、スピーカー単体の故障もそうですが、音源回路にも故障があるかもしれません。ではでは開封します。

すみっコぐらしパソコンは、液晶周辺の化粧シールの下に隠しネジがあります。

この化粧シールを剥がしてネジを外しますが、この化粧シールは一旦剥がすとシワシワになります。

隠しネジ

ネジを外したら、養生テープで目張りをしておきます。

目張り

で、で、で肝心のスピーカーはこちらです。

スピーカー
本体

薄型のスピーカーで、Φ=28mmです。

筐体内の厚さ設計から、玩具用の厚めのスピーカーは使用できません。抑えもそうですが、そもそもボタン電池のツメに干渉して蓋が閉まりません。

NGスピーカー

残念ながら薄型Φ=28mmのスピーカーの在庫がないので、ネット注文して到着を待ちます。

翌々日には届きました。

交換スピーカー

スピーカーはバルクで入手しましたので導線は別途取り付けます。

補強板にもばっちり収まります。

補強板

この補強板にすっぽり収まることがカバー内に収まる条件になります。

動作確認
動作確認

問題ありませんね。これにて修理完了です。


子供達は喜んで、ひっぱりだこで遊んでいたそうです。

本当にありがとうございました。

メーカーは交換対応しかやっていないそうで、祖父が買ってくれた物を取り替えることがなく済んで嬉しく思います。

~依頼様のご感想より~