ソニー トーキングカードプレーヤー CP-1100 モーター交換 修理不可能

CP-1100

ソニー トーキングカードプレーヤー CP-1100 純正モーター交換 修理不可能

最近の修理完了実績の率が落ちています。SoCが実装された電子回路の故障や交換部品が市場では入手できないものなどがあります。

おもちゃ病院は、メーカー様の不良/故障解析センターではないので、自ずと解析能力、修理能力には、限界がございます。今回もそのような事例です。

初孫のお誕生で、昔お子様が使用していたトーキングカードプレーヤーをお孫様にも使えたらということで、動かしてみたら、カードのスライドはノロノロとのことです。スピーカーからの音は、おかしいなり出ているそうです。CP-1100もそうですが、ソニー製カードプレーヤーで故障の多いゴム系部品の劣化でしょう。

まず、受け取り時に動作確認をします。ですが、ピクリとも動きません。ご依頼時は、ノロノロでも動いていたそうですが、うんともすんともです。

状況を確認するため開封してみます。※ここで、筐体のネジがかなりきつく締まっていることに気づきました。

ゴム系部品

ゴムベルトが伸び、ゴムローラーも滑っておりますので、交換が必要です。ですが、もっと深刻な事態でした。

非純正モーター

当医院は、多くのCP-1100を修理しているので、直ぐ気づいたのですが、モーターが交換されております。それもCP-1100用ではないモーターです。ぱっと見、CP-55かCP-33で使われているようなタイプかもしれません。口径サイズも一回り小さいです。

カードを挿入し検知スイッチがONになってもモーターが駆動しません。そこで、モーターの電極端で電圧を測ってみると、5Vちょっとの電圧が上がっています。ですが、恐らくこの電圧が問題だと思われます。

CP-1100の純正もモーターは、近いシリアルナンバーから過去に修理したCP-1100の画像を探してみると以下の画像となります。

純正モーター

刻印からもそうですが、6V品なので、電圧というよりは起動時の電流が足りていないのだと思われます。この交換されたモーターは、試しにモーターを交換しているネジ止めを緩めたりしてみると動き出しました。その後は、順調にカードを検知して動き出しているのですが、やはりカードを挿入しても動かないことが観測され、どうもこの不調は、このモーターに起因しているものと思われます。回転速度も遅くなっており、速度調整をしてもなかなか合ってくれません。

ご依頼者様にこの事情を報告したところ、ご自身で交換もされておらず、御親父様から譲り受けたものとのことなので、交換がされた経緯はもう分からないそうです。

モーターは、専用部品ですので、もちろんですが交換モーターもございません。今回は、残念ですが修理不可能という結論にいたりました。


DWE 両面デジタル プレイメイト DSP起動故障 修理不可

プレイメイト

DWE 両面デジタル プレイメイト DSP起動故障 修理不可


2022年7月 追記

両面デジタル版のトークアロンカードとSDカードをお持ちの方に朗報です。

本記事のように再生機本体が修理不可能である場合、お持ちのトークアロンカードやSDカードが、使用されずそのままというのは、とても残念でしかたありません。

そこで、DWE内職用の機種を開発しました。こちらです。

バーコードカードプレーヤー

プレイメイト本体が、修理不可能で代替えできる策がない場合に、とても有効です。もちろんですが、プレイメイト本体が故障していなくても購入できます。

興味のある方は、お問い合わせフォームの通信販売からお問い合わせください。


今回は、修理不可能であった案件のご紹介です。

当医院は、ソニー製のカードプレーヤーの修理を得意としておりますが、メーカー様での修理受け付けができない、ワールドファミリー社製のプレイメイトの修理を受け付けております。

ただ、保守部品も無く、修理実績も多くないので、修理ができる可能性も低くなってしまいます。特にゴム系の部品は、市販などももちろんですがされていないため、断線などの、ほんとうに簡単な故障修理に限られてしまうことになります。

アナログ版での修理実績は、いくつかあるのですが、今回はデジタル版というカードに印刷されたバーコードを本体のリーダーで読み込みSDカードに保存された音声を読み込んだバーコードに従い再生するというメカニズムです。

ご依頼者様は、ご使用の途中で突然動かなくなったとのことで、お住まい近隣のおもちゃ病院へ一先ず診察を依頼されたそうです。ですが、修理不可能とのことで、当院のご紹介があり、今回のご依頼になりました。

デジタル版のプレイメイトですが、機構系の故障でない場合は、多層基板に実装されたDSPやメモリ、LDOなどなどの電子回路の不具合になります。

設計情報も解析治具もない状況では、ほぼ修理不可能といってよいと思います。修理困難になる要因は以下の通りです。

  • 基板上の回路構成がわからない(社外秘)
  • 回路構成を解析しようとしても多層基板のため内層回路を調査できない(リバースエンジニアリング)
  • 電源投入からLSIの起動シーケンスの仕様も不明(社外秘)
  • 例え、それらの情報があったとしても解析治具や測定装置がない(解析設備)
  • 故障箇所が分かっても交換部品や基板もない(入手不可)

私も、長年LSIの故障解析業務で製品の故障モードを解析することを行っておりましたが、これらの作業は、もう既におもちゃ病院で実施できる範疇を大きく逸脱しており、工数も設備投資の費用も尋常ではなくなります。

また、半導体部品も市場で容易に入手できませんし、部品が入手できてもファームウェアも不明でICEなどのデバッグ環境を構築となるともう眺めるだけで解析の限界を感じます。

本記事をご覧のおもちゃドクター様も感じられておられるかと思いますが、おもちゃ自体の差別化のため、メーカー様も高機能化するために実装されて回路も高度で複雑化しております。昨今のおもちゃに実装されているこれらの回路をみると容易に修理できない事案が多いです。

メイン基板

恐らく4層の貫通基板で設計されており中央にTI製のDSPが鎮座しております。このDSPが、制御を担っており周辺には、電源などのLDOやインダクタ、コンデンサーがあります。

まず、故障の症状は、カードをさし込んでもスライドされず音声も再生されない状況です。過去の修理実績にある、デジタル版のプレイメイトでは、SDカードの故障でしたが、SDカード未挿入の場合は、LEDが3回点滅するはずです。

今回の事案では、SDカード未挿入の場合でもLEDが点滅せず点灯のままでした。SDカード検知シーケンスが動いていません。

突然動かなくなったとのことなので、まず基板上のクリスタルをチェックしましたが、電源も供給されており刻印の周波数で発振しております。多ピン狭ピッチのQFPは、もうマルチメーターの先もあてることができないくらいであったり、そもそもDSPのデータシートも入手できないので、この時点で既に解析できる手がほとんどありません。

一応、電源用と思われる電解コンもチェックしましたが、問題なくここで解析を修理しました。

基板下部にICE用のコネクター端子とシルクがあるので、ここにICE用のコネクターを接続できればDSPの状態も確認できたかもしれません。

非常に残念ですが、修理不可能として返送しました。LSI制御のデジタル回路を実装した製品での修理の難しさの一例となります。


ソニー トーキングカードプレーヤー CP-1100 ゴム系部品交換、磁気ヘッドアライメント、ボリューム交換

CP-1100

ソニー トーキングカードプレーヤー CP-1100 ゴム系部品交換、磁気ヘッドアライメント、ボリューム交換

久しぶりに使用したところ、カードのスライドが途中でとまったり、再生音のこもりがあるそうです。カードのスライドは、経年劣化によるゴム部品の交換が必要ですが、再生音の不具合は、要因が多岐に渡るので調査が必要です。早速診断します。

ゴムベルト

ゴムベルトは、固化が進み曲げ癖もついてしまい、完全に滑っております。また、ゴムローラーも表面の固化とテカリもありますので、一式交換します。

ゴム系部品

ですが、金属のスペーサーを外す際にM2ネジを緩めるのですが、溝がつぶれていました。交換をしますが、以前に修理やメンテナンスのために開封をされかもしれませんね。

M2ネジ

当医院には、交換できるネジを在庫してはいるのですが、以前調べた際に、ネジの規格、特に長さと頭も幅で使用できるネジが見つからなく苦労した記憶があります。

CP-1100は、このネジの規格を間違うと再生時に筐体に干渉しゴムローラーが回転できなくなります。

次に、磁気ヘッドのモジュールを確認します。

磁気ヘッドモジュール

特段調整痕らしきものはないのですが、ゴムローラーを交換しますので、再生確認をします。今回の案件は、初期ロットのCP-1100で、モーターの再生速度が調整できないタイプでした。カードの再生速度計測したところ、若干ではありますが速めになっております。ですが、前述のとおり、再生速度の調整は困難なモーターの形式ですので、再生速度も許容範囲でしたので、今回は現状のままとしました。

さて、磁気ヘッドのアライメントですが、やはり狂っており、現状最前な状態まで調整の努力はしましたが、再生音のこもりは残ってしまいました。特にカード再生の後半でどうしても吸収しきれないズレが残りました。

ボリュームもガリが出ておりましたので交換します。以上で修理完了となります。


カードも、数十年ぶりに聴くことが出来ました。 この度は、どうも有難うございました。

~ご依頼様のご感想より~

ソニートーキングカードプレーヤーCP-1000 ゴム系部品交換

ソニートーキングカードプレーヤーCP-1000 ゴム系部品交換

カードのスライド不良のため正常に再生できないとのことで修理のご依頼がありました。

ゴム系部品の交換が必要なのですが、今回の案件は、溶解まで至っておらずゴムベルトの取り外しは幾分容易でした。

三つ編み!?

状況を確認すると、まだ溶けるまで劣化が至っておらず、ベルトが伸びて外れた際に絡まって三つ編みみたいになっておりました。

一連の内部清掃を行います。

内部清掃

ソニートーキングカードプレーヤーCP-1200 パワーアンプ コンデンサー交換 磁気ヘッドアライメント

CP-1200

ソニートーキングカードプレーヤーCP-1200 パワーアンプ コンデンサー交換 磁気ヘッドアライメント

トーキングカードが、正常にスライドできなく再生もしないとのことで修理のご依頼がございました。昭和55年とメモもあり、私が小学校に入学した頃の製造のようです。

カードで手でスライドさせると、何かしらの音がスピーカーから出ているとのことなので、CP-1200あるあるのスピーカー故障は、”今のところ”はなさそうですね。

割れ欠け

これもCP-1200あるあるですが、筐体のプラスチックがすごく割れやすいです。経年劣化も要因にあるのですが、他の機種に比べ、かなりの割合で角の割れがあります。

トーキングカードの再生に支障が無ければ、筐体の割れはそのままとしております。※パテ盛り研摩、サフからの調色塗装となると、もうかなりの工数になりますので、、、。

さて、肝心のカード再生不良ですが、ゴム系部品の経年劣化はもちろんなのですが、お問い合わせ時に音が出ていたはずのスピーカーが故障しておりました。というか、筐体に収まっている状態では、音が出ますが、筐体から外すと音が出ません。調べてみたとこと、ボイスコイルに断線が起きており、筐体に収まった状態で上部から抑え圧がある場合は、断線部分が接触しており、筐体から外すと断線部分の接触が離れてしまいます。スピーカーを外して、指で押し込んでみると、音出ており、指を話すと音が出ません。

ボイスコイル断線

CP-1200あるあるなのですが、本当にこの楕円のスピーカーは断線が多いです。

次に、トーキングカードの再生音がかなり小さくなっております。ゴム系部品の交換前の調査なので、まだ何ともなのですが、カードの再生音が小さくなっておりますので、何かしらも故障がさらに起きています。CP-1200でよくある要因として以下となります。

  • 磁気ヘッドアライメントが狂っている
  • プリアンプとパワーアンプのカップリングコンデンサーの容量が抜けている

全く音が出ていない場合は、プリアンプのトランジスタが故障(hfeの極端な低下)している場合もあるのですが、今回は音が小さいだけなので、プリアンプのトランジスタは生きているようです。

まず段取りですが、まずゴム系部品を一式交換し再生テストをします。

のびのびのゴムベルト
ゴムローラー
プーリー清掃
ゴム系部品

伸びきってしまったゴムベルトと表面がツルツルテカテカに固化してしまったゴムローラーを交換します。ここで再生テストをしますが、やはりカードの再生音自体が小さいのと、カード再生冒頭部分が再生しません。これもCP-1200の故障あるあるで、これもアンプの電源コンデンサーの容量が抜けが原因となります。

スピーカーと電解コンデンサー

ここまで交換部品を交換し再度の再生テストを行います。まだ、再生音量が小さく磁気ヘッドとそのモジュールを目視確認すると、ヘッドの摩耗の影響で正常にカードの磁気テープが読み取れていないことが判明しました。

磁気ヘッドの摩耗

アライメントと取り直しに挑戦しますが、完全な修復はできませんでした。ヘッドの摩耗の確度が、垂直から角度をもっていたため、磁気ヘッドのZ軸方向に最適な合わせが困難を極めました。まずは、最終調整後の動画をご確認ください。

カード再生の最後にカードが跳ね上がるのが分かると思います。この逆上がりのような跳ね上がりは、カード自体の紙の劣化の程度によって程度の差はありますが、一番の要因は、先の磁気ヘッドの摩耗による要因が一番大きいです。

本来、磁気ヘッドの読み取り部に垂直に磁気テープが当たればいいのですが、奥から手前に確度をもった摩耗があるので、カード自体も確度を持たせてスライドさせないと正常な音量となりません。※そのため、当初は音量が小さくなっておりました。

磁気ヘッドモジュール

磁気ヘッドのモジュールもある程度は、確度調整ができますが、限界もあり、それ以上い当たりをだしたい場合は、無理に押し付ける必要な出てきます。多分ここまでお読みなった方であればおおよそ推測できるかと思いますが、磁気ヘッドを正常位置よりさらに押し込むように調整すると、カードが筐体のスリットと干渉し始めカードの磁気テープが確度と持ち磁気ヘッドにあたるようになります。その確度を利用して可能な限り実用的な音量になるように調整しました。

本来、調整不可能となる事案でありますが、大切に保管をされたお品物とお聞きもしておりましたので、何とかご使用に耐え得るまで頑張りました。

表面
裏面

以上が、修理のご紹介となります。ゴム系部品交換を含む各所調整など、故障不具合箇所が多岐に渡りましたが、無事稼働できるまで修理できました。


ソニートーキングカードプレーヤー CP-1000 ゴム系部品交換と磁気ヘッドアライメント

CP-1000

ソニートーキングカードプレーヤー CP-1000 ゴム系部品交換と磁気ヘッドアライメント

当医院ではお馴染みのソニートーキングカードプレーヤーCP-1000の修理のご依頼です。トーキンカードが、正常にスライドできないために再生不良を起こして居られるとのことです。早速開封して状況を確認します。

ゴムベルトの溶解

CP-1000では、よくあるゴムベルトの溶解です。また、プーリーもグリスが粘着しており固着回転できなくなっておりました。

ゴム系部品

溶解してゴムベルトは、綺麗に取り除き、残存してゴムも綺麗に溶剤で拭きとり洗浄します。ゴムローラーは、表面の固化と長期間の保管でピンチローラーの押し込みの凹みができておりますので、こちらも交換が必要です。毎度ですが、溶けたゴムベルトの洗浄は、たいへんです。

各所の洗浄

綺麗に洗浄・清掃できたところでゴム系部品の交換を行い再生確認を行います。

交換完了

さて、動作確認を行いますが、カード再生途中で音が籠ります。また、再生速度が遅くなっております。速度調整は、すぐ対応できるのですが、音の籠りは原因を探します。

どうも、磁気ヘッドのアライメントが狂っていたためカードのスライド走行中に狂いが出ていたようです。調整を行いますが、調整ネジが緩んだような形跡(ネジ止めされていたにも関わらず、ゆるゆる)があったので、何かしらの要因でずれたようです。

再度調整を終え修理完了です。


ソニートーキングカードプレーヤーCP-1000 ゴム系部品交換

CP-1000

ソニートーキングカードプレーヤーCP-1000 ゴム系部品交換

ご自身で開封をされゴムベルトが切れていることをご確認したところで修理のご依頼がございました。手でスライドをさせると音が出ているとのことなので、再生系の致命的な故障はなさそうですね。

実は、同日に同じCP-1000のご依頼があったのですが、症状も同じゴム系部品の不具合でした。

ゴムベルトの溶解

まぁ、瓜二つのような光景でした。シリアル番号からも同時期製造で同じ品質の部品を使用するとやはり故障の症状も同じようになるのですね。

さて、こちらもゴムローラーの固化が見られるので、ゴム系部品一式総交換です。

ゴム系部品

プーリーのグリスも洗浄します。

固着グリス

プーリーの溝も綺麗にアルコール洗浄します。

プーリー洗浄

ソニートーキングカードプレーヤーCP-1100 ゴム系部品交換

CP-1100

ソニートーキングカードプレーヤーCP-1100 ゴム系部品交換

カードの再生速度や音程などが不安定ということで修理のご依頼がございました。

お受け取りし動作確認を行うとやはりカードのスライド途中で滑ってしまっております。

ゴム系部品

かなり劣化が進んでおりカチコチに硬くなっており、プーリーもカードも滑っておりました。

今回は、ボリュームの低域箇所にガリノイズが出ておりましたので、ボリュームも新品に交換します。

ボリューム(旧:左、新:右)

CP-1100は、プーリーと支柱が干渉してノイズを発する不具合があるので、その対応もしております。

干渉支柱
一式清掃

さて、交換部品の作業と清掃も終え次に再生速度のチェックをします。

再生速度は、取り扱い説明書にも記載されている、2.4cm/secで確認できるテストカードとその時の周波数を測定しチェックします。幾分、早くなっております。聞き覚えのあるカードなら、あら早口!?と分かる程度です。厳密には、20Hz程高くなっております。

ですが、ここで問題が出ました。

モーター

この手の開発や設計を行った方ならご存知かもしれませんが、初期のCP-1100は、調整ツマミがモーターの筐体内部のコイルにツマミネジが2つあります。筐体内部なので、アルミカバーをこじって開けて回して取り付けて、違ったらまた外して調整しての繰り返しとなります。さらにアルミのカバーも無事外せるかも鍵になります。ツマミでの調整は、破損のリスクもあったので、最終案としてご依頼者とご相談の結果、現状のままとのことになりました。

では、カーバーを外さなくても回転速度を吸収できるよう、ゴムローラーの径が少し小さいサイズで交換してみます。※ちょうど、2種の径サイズのゴムローラーが運よく在庫しておりました。早速交換をしてみると、先の20Hzの差は、10Hz程にまで吸収できました。

自分の耳でも聞き慣れたカードでは、その差はほとんど分からないレベルになりました。これで、アルミのカバーを外さなくてもよくなりました。


40年程前に聞いていたカードの音声と同じ音声が聞けて感無量です。

閉まってあったプレイヤーを久々開いて再生した時は、音も切れ切れでうまく聞こえず、もう駄目かなぁ〜と諦めかけておりましたが、おもちゃ病院の瀧下様に繋がり、修理していただいて生き返りました。

~ご依頼者様のご感想より~

ソニートーキングカードプレーヤー CP-1100 CP-1000 ゴム系部品交換

ソニートーキングカードプレーヤー

ソニートーキングカードプレーヤー CP-1100 CP-1000 ゴム系部品交換

ソニートーキングカードプレーヤー 2台の修理のご依頼がありました。それぞれ中古で入手されたとのことで、どちらもカードのスライドが途中で止まってしまうとのことです。それまでは、スピーカーから音は出ているとのことなので、駆動のゴム系部品の劣化と思われます。

ソニートーキングカードプレーヤーは、CP-1000とCP-1100のご依頼が特に多いのですが、どちらもトーキングカードを再生できるのですが、顕著が機能の違いとしては、CP-1000は、再生音量の調整がほぼできません。

画像のニコニコ笑った😊マークが、音量の切り替えボタンなのですが、製品仕様上切り替えても音量は、ほとんど切り替わりません。気持ち変わったかなというレベルです。また、音量大側にすると、音割れがあるような大音量になる点もあります。そのためか、後継機のCP-1100では、音量のツマミがついて、大小の調整ができるようになりましたが、一方オーディオ機器あるある故障のボリュームのガリノイズが経年の仕様で発声してしまいます。

さて、前置きは、このぐらいにして早速CP-1100から着手します。

CP-1100

ご依頼の通りですが、カードのスライド途中で滑って止まってしまいます。それまでの再生音は、スピーカーから音は出ているので、増幅回路の不具合は出ていないようですね。

ゴムローラー

表面がテカテカのツルツルになっています。取り外してみると見事に固化してプラスチックのように割れるほどになっておりました。もうゴムではないですね。

ゴムの固化

こちらの情報によると、どんなに適正管理ができたとしても10年程が限界のようですね。

ゴムベルト
ゴム系部品

ゴムベルトも伸びてしまっておりましたので、ゴム系部品の総交換とメンテナンスを行います。

メンテナンス

再生速度とテストカードを使用して計測調整し、今回は、ボリュームのガリノイズは出ておりませんでしたので、ゴム系部品の総交換と調整メンテナンスで修理完了です。


次にCP-1000に着手します。

CP-1000

こちらもカードのスライドが途中で止まってしまいますが、それまでの音声はスピーカーから音は出ています。

ゴム系部品

ゴムベルトが伸びきっているのと、ゴムローラーも固化しておりますね。こちらのゴムローラーは、スペーサー無しの機種でした。

ゴム系部品とプーリー

ゴム系部品の総交換とグ古いグリスも洗浄し再添加します。

修理完了

CP-1000の再生速度は問題なかったのでこれにて修理完了です。

音量大

と、ここで動画をご確認いただいた、ご依頼者様よりご質問がありました。CP-1000の動作確認用の動画は、音量大側にて撮影をしました。

ご依頼者様よりCP-1000の再生音が大きく音割れがしてしまっているのはなぜかというご質問をいただきました。CP-1100と比較すると、音量の調整はできない機種であることと、音量の設定値は、そもそもの製品の仕様であるので、現状が製品の仕様レベルとなります。以前、CP-1000を修理した際にもあったのですが、この音量は何とか調整できないかと考えておりました。

製品内部の基板に音量の基準量の調整ツマミ(可変抵抗)があるのですが、そのツマミを調整すると、音量低側の音量も一律に低くなってしまうのと、以前、修理の際に調整を試みた経験があるのですが、そもそも、そんなドラスティックに音量の基準値も調整できませんでした。

この点をご説明したところ、製品仕様であるならばということで、現状のままということでご了承いただきました。

音量低

以上で、今回ご依頼をいただいた2機種の修理は完了です。


思っていたよりもずっと早く直していただき、 きれいな音になって、帰ってきたので感動しました。

修理に出さずに悶々としていた時間が馬鹿らしく思えました。

せっかくよくなって帰ってきたのですから、 たくさん子供に使ってあげたいと思いました。

作業のプロセスも丁寧にご説明いただき、ありがとうございました。

~ご依頼様のご感想より~