ソニートーキングカードプレーヤー CP-1100 CP-1000 ゴム系部品交換

ソニートーキングカードプレーヤー

ソニートーキングカードプレーヤー CP-1100 CP-1000 ゴム系部品交換

ソニートーキングカードプレーヤー 2台の修理のご依頼がありました。それぞれ中古で入手されたとのことで、どちらもカードのスライドが途中で止まってしまうとのことです。それまでは、スピーカーから音は出ているとのことなので、駆動のゴム系部品の劣化と思われます。

ソニートーキングカードプレーヤーは、CP-1000とCP-1100のご依頼が特に多いのですが、どちらもトーキングカードを再生できるのですが、顕著が機能の違いとしては、CP-1000は、再生音量の調整がほぼできません。

画像のニコニコ笑った😊マークが、音量の切り替えボタンなのですが、製品仕様上切り替えても音量は、ほとんど切り替わりません。気持ち変わったかなというレベルです。また、音量大側にすると、音割れがあるような大音量になる点もあります。そのためか、後継機のCP-1100では、音量のツマミがついて、大小の調整ができるようになりましたが、一方オーディオ機器あるある故障のボリュームのガリノイズが経年の仕様で発声してしまいます。

さて、前置きは、このぐらいにして早速CP-1100から着手します。

CP-1100

ご依頼の通りですが、カードのスライド途中で滑って止まってしまいます。それまでの再生音は、スピーカーから音は出ているので、増幅回路の不具合は出ていないようですね。

ゴムローラー

表面がテカテカのツルツルになっています。取り外してみると見事に固化してプラスチックのように割れるほどになっておりました。もうゴムではないですね。

ゴムの固化

こちらの情報によると、どんなに適正管理ができたとしても10年程が限界のようですね。

ゴムベルト
ゴム系部品

ゴムベルトも伸びてしまっておりましたので、ゴム系部品の総交換とメンテナンスを行います。

メンテナンス

再生速度とテストカードを使用して計測調整し、今回は、ボリュームのガリノイズは出ておりませんでしたので、ゴム系部品の総交換と調整メンテナンスで修理完了です。


次にCP-1000に着手します。

CP-1000

こちらもカードのスライドが途中で止まってしまいますが、それまでの音声はスピーカーから音は出ています。

ゴム系部品

ゴムベルトが伸びきっているのと、ゴムローラーも固化しておりますね。こちらのゴムローラーは、スペーサー無しの機種でした。

ゴム系部品とプーリー

ゴム系部品の総交換とグ古いグリスも洗浄し再添加します。

修理完了

CP-1000の再生速度は問題なかったのでこれにて修理完了です。

音量大

と、ここで動画をご確認いただいた、ご依頼者様よりご質問がありました。CP-1000の動作確認用の動画は、音量大側にて撮影をしました。

ご依頼者様よりCP-1000の再生音が大きく音割れがしてしまっているのはなぜかというご質問をいただきました。CP-1100と比較すると、音量の調整はできない機種であることと、音量の設定値は、そもそもの製品の仕様であるので、現状が製品の仕様レベルとなります。以前、CP-1000を修理した際にもあったのですが、この音量は何とか調整できないかと考えておりました。

製品内部の基板に音量の基準量の調整ツマミ(可変抵抗)があるのですが、そのツマミを調整すると、音量低側の音量も一律に低くなってしまうのと、以前、修理の際に調整を試みた経験があるのですが、そもそも、そんなドラスティックに音量の基準値も調整できませんでした。

この点をご説明したところ、製品仕様であるならばということで、現状のままということでご了承いただきました。

音量低

以上で、今回ご依頼をいただいた2機種の修理は完了です。


思っていたよりもずっと早く直していただき、 きれいな音になって、帰ってきたので感動しました。

修理に出さずに悶々としていた時間が馬鹿らしく思えました。

せっかくよくなって帰ってきたのですから、 たくさん子供に使ってあげたいと思いました。

作業のプロセスも丁寧にご説明いただき、ありがとうございました。

~ご依頼様のご感想より~

いずみ書房トーキングリピーターDX リミットスイッチ修理

トーキングリピーターDX

いずみ書房トーキングリピーターDX リミットスイッチ修理

カードの読み取りができない中古品を購入されたそうで、やはり動作確認しても読み取りができないとのことでご相談がありました。※カードプレーヤーですので、有料修理ということでご依頼を受けました。

さて、以前にも同じ症状のトーキングリピーターDXを拝見しましたが、同じカードの挿入を検知するリミットスイッチの接触不良でしょうか。

リミットスイッチ

やはりこのリミットスイッチの接触不良でカードの挿入が検知できておりませんでした。同じ規格のリミットスイッチが入手できないので、この状態で何とか復活できないか検討します。まず、小手先となりますが、接点に接点復活剤を流し込んでスイッチのON/OFFを数十回繰り返します。案の定、接触は復活し安定してカードの挿入を検知するようになりました。

ですが、他の修理案件の記事でもよく触れますが、この手の接触不良は、ほぼ再発します。心配なので、数日の間、一日おきに動作確認をします。

では、翌日動作確認をしてみると、見事に接触不良が再発しておりました。新たに策と検討します。

その1.リスクを伴うスイッチ清掃

基板からスイッチを取り外し分解し内部の電極を直接掃除研摩できるか挑戦します。ですが、元々分解するようなスイッチではないので、分解作業に際し破損 してしまう危険性が高いです。そうなってしまった場合は、もうこのスイッチは使用できなくなってしまいます。

その2.検知スイッチを代替えの押しボタンで外付けする

カードの検知スイッチが接触不良を起こしているので、カチカチと音のする押しボタンのスイッチを本体上面に接着しカバーに穴をあけ導線を通して接続固定します。故障したスイッチの代わりにこの押しボタンスイッチで代替えするのですが、運用面で機能をカバーしていただく必要があります。
カードを差し込み、そのままでは音声は流れません。押しボタンを一度押すと音声が流れます。元々のようにカードを挿入すると自動的に音声が流れるのではな く、カードを差し込んだ状態で押しボタンを押すということになります。

以上を踏まえ段取りを組みます。


まず、分解せずにフラックスリムーバーをスイッチ内部に流し込み内部の取れる汚れを除去します。充分流し込めたところで溶剤を揮発させ、再度接点復活剤を流し込み、また数十回ON/OFFを繰り返します。この時点でカード検知は、復活している前提で、3日程度、再度カード検知不良の再発が現れるか動作確認(連続10回のカード再生)する。現れない場合は、修理完了とする。※ただしですが、今後も引き続きこの状態が安定するという保障はないのですが。。。


もし①でカード検知不良が再発した場合は、前述のその1のスイッチの分解洗浄研摩に挑戦します。そこで回復できた場合は、修理完了とするが、スイッチの破損やそもそも分解をしてみ復活できなかった場合は、 以下の③を行う。


元々のカード検知スイッチの代わりに押しボタンのスイッチを本体上面に接着取り付けします。カードを挿入し押しボタンを押すことで音声が流れますので、運用の面で前述の操作が必要になることのご了解をしていただく前提となります。

動作確認結果

無事、①の段階で一日おいてもカード検知不良が全く現れなくなりました。ということで、リミットスイッチの分解掃除も増設スイッチも不要となりましたが、修理完了です。


最初から最後まですごく丁寧に対応して頂きありがとうございました。

初めておもちゃ病院を利用したので初めは凄く不安な気持ちがありましたが、 作業の状況報告(写真や動画付)、途中で動かなくなってしまった時に報告と次の作業内容の提案など細かくわかりやすく連絡して頂き凄く分かりやすくとても安心しました。

またオモチャに不具合があったら利用させて頂きたいです。知人にも教えたいと思います。 本当にありがとうございました。

~ご依頼様のご感想より~

ソニートーキングカードプレーヤー CP-1100 ゴム系部品交換

CP-1100

ソニートーキングカードプレーヤー CP-1100 ゴム系部品交換

トーキングカードの読み取り再生ができなくなってということで、修理のご依頼がありました。

トーキングカードの故障でよくあるゴム系部品である、ゴムベルトが伸びきってしまいプーリーを駆動できなくなってしまっているのと、ゴムローラーも表面の摩耗で固化しツルツルになってしまっておりカードをスライドできるだけの摩擦もなくなっておりました。

ツルツル
ゴム系部品

ゴム系部品のまるごと一式交換を行います。各駆動系の各所を分解しアルコール洗浄とグリスアップをします。

分解清掃
ゴムベルト

CP-1100ですが、初期のロットでは、本体内部の支柱がプーリーに干渉するための支柱削りがなされておりません。

本機も干渉部分が削り取られていないため駆動時に干渉ノイズが出ておりましたので削っておきます。

支柱との干渉

また、ボリュームもガリノイズが出ておりましたので交換をしておきます。この手のボリュームは、接点復活剤では一時的には回復しますが、ひと月もするとまたガリノイズが復活しますので、ボリュームの交換が必要です。

CP-1100用のボリュームですが、筐体のくぼみと取り付け高さ、ボリュームツマミのローレットの深さにすっぽり合う規格のボリュームを使用しているのですが、このすっぽり合うボリュームは専用品のようで市場では入手できません。当医院では、干渉部分を加工し取り付けできる部品を用意しておりますので交換をしておきます。

一連の作業も無事終え動作確認を行い終了です。


ソニートーキングカードプレーヤー CP-1000G ゴム系部品交換

CP-1000G

ソニートーキングカードプレーヤー CP-1000G ゴム系部品交換

当医院の通信販売から中古の同じCP-1000Gを購入されたお客様から同品の修理もお願いしたいとのご依頼があり対応をしました。

筐体も綺麗な状態でしたがプーリーの固着とゴムベルトが伸びて溶けかけておりました。ゴム系部品の一式交換をしました。

プーリー

グリスが劣化したため、かなりの粘着力が増し想像できないくらい硬く粘着します。

ゴム系部品

ゴムベルトは、伸びきっておりまた溶けかけておりました。ゴムローラーの下部にですが、対面にあるカード抑え用ローラーによって凹みできており回転時にガタガタしております。丸ごと交換します。

ゴムベルト
ゴムローラー

その他、各部品の洗浄と清掃のメンテナンスを行います。

清掃
内部清掃

トーキングカードの再生速度が遅くなっておりますので、テストカードで周波数を確認し速度調整をします。(2.4cm/sec)

動作確認も良好です。


DWE アナログ プレイメイト ゴム系部品交換 メンテナンス 増幅回路 修理

プレイメイト

DWE アナログ プレイメイト ゴム系部品交換 メンテナンス 増幅回路 修理

ご自身でゴムベルトの交換を行ったが、カードの再生音がしないとのことで修理のご依頼がありました。DWEのアナログ版プレイメイトですが、カードを直にスライドさせるゴムローラー部品がないためメンテナンスのみで以後の不具合に関しては不問という条件でとなります。

因みにですが、プレイメイト用のゴムローラー部品を特注するとゴムローラーのみで販売時の製品価格近くになり、ご負担の費用が現実的でないためこのような判断としております。一方、ソニー製のカードプレーヤーは、修理依頼数が多数ですので、大量発注することで現実的な費用でご提供できるのです。

さて、早速ですが開封して状況を確認します。

輪ゴム厳禁

ご自身で輪ゴムに交換されたそうですが、当医院のブログ記事で何度もお伝えしておりますが、輪ゴム(天然ゴム)に交換するのは、厳禁です。幸いに今回は、プーリーが金属製でしたので溶解してはおりませんでした。

溶解した黒ゴムの残りもあったので、お掃除はたいへんだったでしょう。

溶けたゴム残り

プーリーも綺麗にします。

汚れプーリー
綺麗にお掃除
ゴムベルト

プーリー、フライホイールなど残存のゴムや古いグリスを除去し綺麗にします。次にゴムローラーを診ます。

ゴムローラー

かなりの劣化が出ており、カードが滑ってスライドできません。新品は、既に入手できませんし、ソニー製カードのように特注すると、かなり高額になりますので、ここは、当医院在庫のより状態の良いメンテナンス品に交換します。

交換品

次に再生音がしない原因を確認します。よくある原因としては、スピーカーの故障ですが、今回はスピーカーチェッカーで確認し問題ありません。また、導線も全てチェックし断線などもありません。

磁気ヘッド

前チェックは済んだので、磁気ヘッドとアンプ回路のチェックをします。

当医院では、磁気ヘッドで磁気が拾えているか磁気ヘッドのみをチェックできる治具を製作用意しております。確認すると無事、磁気ヘッドで磁気も拾えております。次にその拾った磁気を増幅する増幅回路をチェックします。

今回のアナログ版プレイメイトは、プリアンプ部とパワーアンプとも旧SANYO製のモノリシックのリニアICが使用されております。プリアンプ部にLA3220, パワーアンプ部にLA4110となります。ここでも大活躍するクリスタルイヤホンで入力から経路確認します。

磁気ヘッドからの入力も無事経路確認ができプリアンプ部は問題ありませんでした。問題は、パワーアンプ側にありました。

LA4100

パワーアンプの入力側までの経路には、無事カードの音声が伝播しておりますが、ここで出力から増幅された音声が出ていません。Vccの電圧も正常に上がっており、もちろんですが、GNDの接地も問題ありませんでした。と、ここでVccの電圧を確認した際にテスターのクリップが、あやまってVccと13ピンを短絡させてしまった時に、スピーカーから、なんと!音声が出てきました。しばらくするとまたすぐ音声が出なくなります。

Vccに触れた瞬間にチャージが完了し、またすぐ抜けてしまうような事態は、やはり電解コンデンサーの容量抜けの典型的な症状です。

LA4100のデータシートもインターネットから入手できますので、等価回路も確認します。

等価回路

データシートによると、外付けの電解コンデンサーの容量抜けによって出力がクリップしていることが分かり丸ごと全て交換をします。何とも、運よく偶然に故障個所を探ることができ、とてもラッキーでした。

録音側プーリー

アナログ版プレイメイトは、リピート再生する際は、機械的にカードを逆戻すためのプーリーが、フライホイールの内側に隠れています。ゴムローラーを交換する際は、軸の高さに注意しないと内部で干渉してしまいます。

ゴム系部品のメンテナンスと交換を行い、アンプ部の修理も終わり動作確認をします。

大丈夫そうですね。カードの磁気ヘッドとゴムローラー間の挟まりが強くて差し込む時と引き抜く時に力が必ようです。


こんなに早く治して下さり驚いております。動きもスムーズですし、音もしっかりしていて、買った時と全く同じです。

なんとお礼を言っていいのか感謝の気持ちで一杯です。

貴重なお時間を使っていただき、しっかりと治していただき、感動しています。

諦めかけていた時に、ネット検索をして、宅配おもちゃ病院を見つけ、瀧下Doctorに診ていただき、最高に幸運でした これで孫と遊べます。

大変お世話になり、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。m(_ _)m

~ご依頼様のご感想より~

ソニーカードリピーターCP-55A フルメンテナンス

CP-55A

ソニーカードリピーターCP-55A フルメンテナンス

公文のシールがあるので、OEM供給された機種かと思います。通常のCP-55は、公文用のカード再生を前提にしているので、リピート録音できるカードが、トーキンカードに比べて短く小さく英語のフレーズが録されたカードが中心です。ですが、こちらの機種は、7.4秒をフルに録音できる希少な機種となります。後述の動作確認動画の通り、トーキンカードをフルで再生できます。

さて、今回のご依頼は、お孫様へプレゼントするため久しぶりに動かしたところ、カードがスライドしないということです。機構的な不具合か電子回路的な不具合か早速確認します。

筐体や本体内部は、非常に状態がよく目視レベルでは、明らかな故障の箇所は見つかりません。こういう場合は、CP-55あるあるのグリス固着を疑います。

プーリーグリス

ビンゴでした。やはりグリスが、劣化して粘着しておりプーリーが回転できなくなっておりました。手で回してあげるとスムーズに回転できるようになります。

カードの再生確認を行うと、こちらもスムーズにカード再生できるようになり、その他のリピート再生も問題ありませんでした。

この機種で使用されているグリスは、一時的に回転できるようになっても、数日で再度粘着することが分かっているので、最低限グリスの交換が必要となります。

さて、ご依頼者様へご相談の結果、ゴム系部品含め、内部のフルメンテナンスというご希望でしたので、一式作業させていただきました。

ゴム系部品

曲がり癖もついてますね、一式交換をします。

機構部裏面

グリス交換にゴムベルト交換とアルコール洗浄です。

ゴムローラー

ゴムローラーも取り外し交換と磁気ヘッドもお掃除しておきます。

CP-55は、こちらの記事にも掲載しておりいますが、電解コンデンサーの容量抜けで再生音量が小さくなってしまう不具合が多いです。本機も今後使用し続けると、恐らくですが、同様の不具合が発現すると思われましたのですが、ACカップリング用の電解コンデンサーを一式交換もしております。

実は、コンデンサー交換で、コンデンサーの半田を溶かしぐりぐりしていたらプリント基板の配線端のランドを剥がしてしまう事故がありました。再半田で無事端子には付いたのですが、念のため迂回配線を追加しました。

迂回配線

内部清掃や接点回復など一式作業を行いフルメンテナンス完了です。


ソニートーキングカードプレーヤー CP-1200 修理

CP-1200

ソニートーキングカードプレーヤー CP-1200 修理

今回の記事は、修理費が高額になる事例です。

ソニートーキングカードプレーヤーの修理のご依頼は、多数いただいておりますが、故障や破損個所が多くなる場合、修理を行うと部品代と作業料で修理費が高額になる場合がございます。

CP-1200は、他の機種と違い、特に筐体の破損が非常に多いです。落下した際の割れや日々なのですが、そもそも経年劣化したプラスチックの筐体に衝撃が加わると容易に破損してしまいます。

筐体角の破損

CP-1200だけ特に多いのは、この筐体角の割れです。ご依頼いただく8割~9割のCP-1200のほとんどにこの割れが複数あります。割れた破片もなく、カードの再生への影響もほとんどないのでそのままの状態にはするのですが、ほんと多いです。

ひび割れ

次に、これも落下などの衝撃によるものと思われますが、ひび割れがあります。筐体が劣化しているので、この日々は、近い将来割れて取れてしますので、前述のような破損になりますので、接着剤で補強しなければなりません。

支柱折れ

次に、CP-1200のネジを開けたことのある方は、恐らくご存知かと思いますが、CP-1200の筐体のプラスチックが非常に脆いので、衝撃が加わるとネジの支柱も容易にひびが入って折れてしまいます。これは、古いプラスチック筐体なら、おどらく共通する症状かと思います。ネジの支柱が折れてしまった場合、接着ではネジ締めの強度に耐えうることができないので、接着の仕方にも工夫が必要です。もしやるとすれば、先に折れた支柱をネジで絞めておいて最終段階で接着剤を付けて他のネジ締めして収めるという具合です。もしくは、支柱の根をプラリペアで補強もできるかもしれませんが、恐らく強度不足でしょう。

ロゴ

これもトーキングカードの再生性能には影響しませんが、SONYのロゴプレートが外れています。

このCP-1200の故障の症状は、筐体以外にも、トーキングカードが正常にスライドされず、手でサポートして再生をさせても再生音量が小さいとのことでした。

トーキングカードが正常にスライドされない原因は、トーキンカードプレーヤーで故障の多いゴム系部品の劣化で一式の交換が必要でした。また、再生音量が小さい原因も、プリアンプの電源パスコンの容量抜けとトランジスタの故障の含めて電子部品の一式交換が必要です。

ここまでまとめると、最低限トーキンカードを再生できるようにするには、ゴム系部品の交換と電子部品の一式交換が必要です。また、後の使用も考えるとネジの支柱折れの対象は最低限必要となります。

当医院では、ソニー製カードプレーヤー用のゴム系部品は、メーカー様に設計依頼をしており、そのため部品単価が高額となります。電子部品は、市販品を使用しますが、基板上の電解コンとトランジスタを一式交換をしますので、工数分をそのまま作業料として計上しますので、やはりこちらの作業料も高額になります。通常修理費用時に比べ1.3倍ほどになります。

このような場合、修理済みの同じ機種があればそちらをご紹介しております。

今回は、故障個所が多岐に渡った場合の事例についてご紹介になります。


ソニートーキングカードプレーヤーCP-1100 ゴム系部品交換修理

CP-1100

ソニートーキングカードプレーヤーCP-1100 ゴム系部品交換修理

トーキングカードが正常にスライドせず、再生もしないとのことで修理のご依頼がございました。

ゴム系部品

経年劣化による、ゴムベルトの伸びとカードお送り用のゴムローラーの固化が原因でカードが滑ってしまっております。一式交換をします。

ゴムベルト

また、交換に際しグリスの塗り直しや内部清掃も行います。

プーリー清掃

今回は、ボリュームのガリノイズも出ていないので、ボリュームは接点復活剤のみとしております。


修理のお陰で子供が使っていたカードプレーヤーを孫が喜んで使っています。

有難うございました。

~ご依頼様のご感想より~

ソニーリピートカードプレーヤー CP-70 CP-55K 修理

ソニーリピートカードプレーヤー CP-70 CP-55K 修理

ソニーリピートカードプレーヤー CP-70 CP-55K 修理

ソニーリピートカードプレーヤー CP-70とCP-55Kの修理のご依頼です。どちらの機種もカード正常にスライドされないとのことで、手でサポートをしてあげると音はスピーカーから出ているそうです。この時点で、スピーカーおよび磁気ヘッドと電子回路系に致命的な故障はなさそうですね。

CP-70は、過去に数回の修理実績しかございません。白の筐体にオレンジのパーツが使用されており、他の機種とは違う様相を呈しておりますが、ボタン類をよく見ると中身は、CP-33でした。こちらの過去記事でもご紹介しております。

CP-70の中身は、CP-33とご紹介をしておりましたが、1点違う点がございます。それは、リピート再生時にトーキングカードの録音が可能なのです。公文様の英語カードのような短いカードではなく、トーキングカードにて約7秒の録音が可能です。

では、まずCP-70の修理から着手します。

CP-70

ご依頼様の方より、以前に譲り受けた商品とのことでした。開封をします。

割れ
接着痕

開封際し電池ボックスの蓋のカード差し込み口に割れがありました。ご依頼様に確認すると元からあった割れのようなので接着しておきます。この部分は、開封の際に撓みの応力がかなりかかる場所なので、以前何方かが開封された際に誤って割ってしまったのでしょう。

輪ゴム

まず目に入るのは、ゴムベルトが輪ゴムに交換をされております。やはり何方かが修理に挑戦したのでしょうか。この輪ゴムですが、ご覧の皆さんは決してマネをしてはいけません。

過去にもCP-1100で同じ症例があったのですが、輪ゴム(天然ゴム)を取り付けてしまうとプーリーに粘着しプラスチックを溶かしてしまいます。今回は、浸食がまだ出ていなかったので一安心です。

ゴムローラーと輪ゴム

カードが滑って正常にスライドできていないかった原因は、ゴムローラーが劣化のため滑ってしまっていたためでした。輪ゴムは、もちろんですがゴムベルトに交換をします。

駆動モジュール

電池ボックスの電極に液漏れで接触不良も出ていましたので研磨しておきます。

ゴムベルト

ゴム系部品を一式交換します。

組み込み完了

最後に筐体全体をアルコールでお掃除して修理完了です。


次にCP-55Kの作業に着手します。

因みに、CP-55Kは、CP-55と同じ中身なのですが、恐らく末尾のKは、公文様向けのOEMとして出荷された型番と思います。そのため、化粧箱以外には、Kの文字がどこにもなかったりします。

さて、CP-55Kですが、カードのスライド不良以外に、カード再生時の音量が非常に小さいです。正常時に比べ、1/5程に低下しています。CP-55あるあるですが、ACカップリングコンデンサーの劣化が原因と思われますので一式交換をします。

まず、劣化ゴム部品。ゴムベルトは、長期保管のため伸びており曲がり癖もついてプーリーで滑っておりました。また、ゴムローラーも表面の固化が出ています。

ゴム部品

今回のゴムローラーは、スペーサー付きのゴムローラーです。

プーリー

一式アルコールで洗浄しておきます。

ゴムベルト交換
ゴムローラー交換

次に音量低下ですが、アルミ電解コンデンサーをまるごと交換します。無事に再生音量も正常に戻りました。因みに、コンデンサーの劣化については、こちらこちらが参考になります。

電解コンデンサー

新品のように綺麗にしていただいて、息子も楽しそうに触っていました。

自分の小さい頃に使っていたものを息子が使っているのはとても嬉しいです。

これからもたくさん使って遊びながら学習できたらいいなと思います。

事前の見積もりから代金支払まで、メールやYouTubeでスムーズにやりとりできたので、子育て中で落ち着かない生活をしている私にとってはとても便利でありがたかったです。

ありがとうございました。

~ご依頼者様のご感想より~

ソニーリピートカードプレーヤー CP-33K 磁気ヘッド不良 修理不可

CP-33K

ソニーリピートカードプレーヤー CP-33K 磁気ヘッド不良 修理不可

今回の記事は、磁気ヘッド不良で修理不可能であった症例のご紹介です。

中古で入手されたそうですが、カードがスライドされないとのことです。まず、目視で隙間を覗いてみますが、ゴムローラーが溶解していそうですね。

ゴムローラー溶解

CP-33では、非常に多いのですが、長期保管された場合、ほとんど場合でゴムローラーがボロボロになります。被害が、そこだけならいいのですが、リピートカードプレーヤーの機構上、保管時に磁気ヘッドに密着したままとなります。数年というレベルなら溶解まで進行しないと思われますが、既に20年以上経過すると溶解しボロボロになったゴムが磁気ヘッドに浸食してしまいます。

浸食
修理不可能

当医院では、部位品取り機をある程度は、揃えているのですが、あいにくCP-33機の磁気ヘッドは、全て不良品しか残っておらず、今回は交換部品無しのため修理不可能となりました。

往年のオーディオ機器を修理されている方で、特にオープンリールやカセットデッキのヘッドを再生される方も居られるようですね。当医院は、流石にそこまでの設備投資やスキルも持ち合わせていないため、今後の課題としておきます。