リカちゃん人形の植毛とはるとくんの首骨折修理

地元のおもちゃ病院に外来勤務をしており、その診察において共有できる内容がありましたので、ご紹介します。

植毛については、こちらの植毛教室の情報がたいへん有益でしたが、人形用の髪の毛の入手や色の選択など、それ以外に困った事態が多かったので、情報共有をします。

患者さんは、2名でお馴染みのリカちゃんとボーイフレンドのはるとくんです。症状としては、リカちゃんは、右脚先の破損取れと右前頭部から頭頂部にかけての植毛となります。該当部分の髪の毛を火に近づけてしまいチリチリになってしまい、ご自身でカットされていました。本来、植毛をする場合、髪の毛の色や艶が新旧で異なると見栄えにも影響するのですが、ご依頼様より、該当部分の植毛ということでのご依頼になりました。

はるとくんは、首が骨折し取れてしまったため、骨接ぎとなります。では、まずはりかちゃんからです。

まずは、画像はないのですが、ソフビ人形を接着するには、接着剤が限られます。また、強度もその材質から弾性であるのは、当然ですが、ある程度の粘着は必要となります。いろいろ試してみたのですが、セメダイン社のスーパーXハイパーワイドが、ある程度の強度を保ちつつくっついてくれました。

ただし、接着ですので、ひっぱたり、無理な曲げをするとやはり剥がれてしまいますので、ここは遊び方との兼ね合いで注意をお願いすることにしました。今回は、あいにく足先でしたので、靴下をはかせるか靴を履かせた場合は、無理に脱がせたりということはしないようお願いしました。さて、次に植毛に取り掛かります。

私自身、人形の植毛をおこなった経験がなく、まずは情報を探りました。一番お世話になったサイトがこちらです。こちらの植毛方法が決めてになった理由は以下の通りです。

  • 特殊が工具は不要
  • 毛根一つ一つで玉結びが不要
  • 方法が丁寧に解説

特に、毛根のひとつひとつの植毛のたびに玉結びは、かなりの労力が必要です。また、玉結びした玉ごとを特殊工具で埋め込むという方法も紹介されていたりしますが、頭皮と毛根の穴の劣化を懸念し断念しました。

埋め込み

いきなり植毛の画像を載せてしまいましたが、一旦髪の毛の入手方法について紹介します。

髪の毛も手ごろなお値段でないと、新品の人形のお願いを超えてしまい、元も子もなくなります。国内の通販サイトで探してみたのですが、注意点は以下の通りです。

  • 元の髪の毛に近い色を探すが、完全に一致する色はない。どうしても揃えるなら、全て植毛をするか、植毛後に毛染めが必要。
  • 前述の植毛方法の場合、必要な髪の毛の2倍の長さが必要。※当初、長さを間違って購入してしまい、材料費で赤字になってしまいました。
  • 一度の植毛する本数の2倍の束が通せる針が必要※ダイソーで手芸用の針が手に入ります。

実際の髪の毛は、国内の通販サイトでは価格的に見つけることができず、海外サイトで見つけました。長さは、25cmで今回はギリギリ間にあいました。色もできるだけ、近い色を探したのですが、やはり違いは出てしまいます。

色の違い

癖付けのためゴムで止めてお湯でパーマをし、しばらくそのままで保管していただくようお願いしました。痛々しげな状況からかなり改善できたと思います。また、ご依頼者様におかれましても、たいへんお喜びになられておりました。

では、次にはるとくんです。りかちゃんのボーイフレンドは、はるとくんで、今々らしい名前ですね。さて、はるとくんは、首の骨折となります。

おおお

りかちゃん人形の首を外した方は、ご存じかと思いますが、頭部固定用の関節が折れてしまい、破片の一部が、頭部の内部に残っています。これは、ラジオベンチで引っこ抜きますが、肝心の関節部分の修復はどうしようか悩んでいました。

折れた箇所

接着面積も小さく、そもそも本体内の軸にも被せるので、接着における修復は不可能です。※ここだけの話しですが、ご依頼者様のお子様から、”接着するだけで、いいじゃーん!”と怒られました。

さて、方法を考えます。同じ部品を作成する策、代わりの軸を用意して本体と頭部を丸ごと接着してしまうなど考えましたら、頭部の左右の稼働も考え、手持ち0.9mm針金により固定を選択しました。

首関節の高さ位置

この高さを維持してまま本体内の軸に針金を通し頭部内で結え固定します。

針金

まずは、頭部内の関節側に針金が通せるよう1mmの穴をピンバイスであけます。針金は、一旦曲げたままで本体内に通し、ピンセットを使って本体内で広げ戻すといった作業となります。ここで、特に注意が必要で針金が本体内に入り切ってしまうと取り出しが不可能になってしまうので、結える直前まで広げ曲げておき、本体内に落ち込まないようにします。

固定

針金を頭部側の関節に通し結え固定します。後は、頭部をはめ込み完了です。

なんとも、すばらしい顔立ちのお二人ですね!

たまごっち ネジ外し

たまごっち

たまごっち ネジ外し

ネジ外しの第2段です。第2段は、4台のたまごっちのネジ外しです。

黄色たまごっち
紫のたまごっち
星のアンテナのたまごっち
てんしっち

今回のご依頼もほぼほぼネジ山のなくなったネジの開封となります。

黄色のたまごっち
紫のたまごっち
星のアンテナのたまごっち
てんしっち

無事4台とも開封に成功しましたが、本体の動作確認で修理の必要なたまっごっちについて紹介します。

黄色のたまごっち

黄色のたまごっちですが、動作確認時に絵柄以外の箇所の液晶の反応が見られました。

絵柄のあるドットの縦の線で周囲に液晶が反応している箇所がうっすらあります。過去の修理実績では、特定の縦ラインの液晶が消えてしまった症状のご依頼を受けたことがあるのですが、その際、ゴムラバー内接点の不具合かと剥がして接点を洗浄して再度貼りつけるなど行いましたが、改善が見受けられませんでした。プリント基板へゴム内の接点を押し付ける応力で導通を確保しているので、接点を研摩してみようかと検討しましたが、最悪映らなくなるリスクをお伝えし、それ以上の作業を断念した経験があります。

今回も接点などを剥がし調整する場合、映らなくなるリスクもあるので、ご依頼様にご相談した結果、現状のままでとなりました。接点の回復で解消できる可能性もありますが、液晶ドライバや液晶の不具合の場合は、液晶自体の交換が必要になります。今後不具合が悪化具合で再度、接点の洗浄や研摩を行い改善できなければ、液晶の交換をと思います。

3つのボタンのうち、左のボタンに異物が挟まり反応が悪くなっておりましたので、異物を取り除き修理完了です。

次に紫のたまごっちですが、3つのボタンが全て効いておりませんでした。

アルミ箔

ボタンを取り外し接点をアルコールで洗浄したのですが改善しませんでした。拡大鏡で接点をみると、プリント基板の接点のパターン跡があるので、恐らくボタンが強く押されたまま保管されていたようです。それが影響したのだろうと思います。こうなっては、簡単には修復できないのですが、家電リモコンの接点回復でよく用いる方法にアルミ箔で覆うことがあります。

ですが、たまごっちのボタンは小さいため、アルミ箔をはるのもたいへん苦労しました。

また、ボタン電池の液漏れの形跡もありましたので、洗浄しておきます。

液漏れ跡

星のアンテナのたまごっちですが、裏蓋のネジは、1本です。今回取り外したネジを交換をさせていただきましたが、星のアンテナのたまごっちのネジは、M2.6, 5mmのなべネジがぴったりでした。

液晶のコントラストが極端に低くたいへん見づらいのですが、元々の仕様のようです。さて最後にてんしっちですが、こちらは新品なので、ネジ外し以外不具合もなく良好です。

ネジ外しについては、たいへん危険を伴いますので、今後は方法について掲載を控えよと思います。お困りの皆様は、お問い合わせよりご相談ください。


全て頂いた動画通り完全に復活していました。

なんとお礼を伝えたら良いか… ⠀ おもちゃドクターさんのお陰で再び命を宿すことが出来ました。

本当に心から感激しています。 黄色のたまごっちはボタンが本当に強く押さないと操作できなかった記憶が強かったのですが、驚くほどボタンが押しやすくなっていて驚いております。

紫の方はボタンの押しづらさなどの記憶が無かったので瀧下様が開封・点検して下さらなければ仮に蓋を開けても再び育てることはできなかったんですもんね(涙)

こちらもしっかりボタンが押せてお世話しやすいです。

てんしっちも星のたまごっちももう蓋を開けることが出来ないのかと悲しかったですがまた遊べることになり、大満足でございます。 本当にありがとうございました。

~ご依頼様のご感想より~

たまごっち ネジ外し

たまごっち

たまごっち ネジ外し

たまごっちのネジ外し第1弾となります。今回は、たまごっちのネジ外しを集中して取り掛かります。まずは、第1弾で3個のネジ外しのご依頼です。便宜上、色で区別します。

黒いたまごっち
赤いたまごっち
青いたまごっち(左)
青いたまごっち(右)

黒いたまごっちは、取り外せなかった左側のネジを、赤いたまごっちも同じく左のネジを青いたまごっちは、両方のネジが取り外しの対象となります。

黒、赤ともネジの溝が全くなくなっており、青いたまごっちも溝がなくなっています。目視では、青のたまごっちのネジ頭の程度が幾分良好なので、青いたまごっちは、たぶん容易に開封できそうと高を括っていたら、痛いしっぺ返しをくらいました。

いつもの手順にて開封を行い、黒と赤のたまごっちは、無事開封に成功しました。毎回ですが、手を大けがする危険性をはらみながらの作業は、毎回ドキドキ、冷や冷やします。

強くドライバーを押し付けるので、誤って左掌にドライバーを突き刺してしまう危険性があるので、ご覧の皆さんは決してマネをしてはいけません。万一お怪我をされても、当院では一切の責任を負いません。

無事開封
動作確認
無事開封
動作確認

最後に青いたまごっちですが、ネジ頭の溝周辺の肉厚がかなり残っていたので、簡単に開封できるだろうと油断しておりました。

青いたまごっちは、かなりきつく締められており、強く押しつけてネジの溝と筐体の摩擦を弱めることができませんでした。強く押してゆっくり回すを鉄則に開封に挑戦しましたが、ネジはびくともしません。

ネジの頭は、削れるばかりで、周辺の肉厚がなくなったところで、現状のままでの開封は断念しました。

青いたまごっち(左)
青いたまごっち(右)

ネジを回転することで開封することは、もう不可能なので、ご依頼者様へ以下とご提案をしました。

  1. ネジの頭を削り取り蓋を開封する。裏蓋のネジ周囲に削った際の傷が付くことを了承いただく。
  2. 残りの下半分のネジ除去に挑戦するが、ペンチで回す際に諸共もげてしまった場合は、本体にネジ穴に拡張した穴を開けて残ったネジを除去。
  3. 除去が成功した場合は、拡張した穴をリペア剤で補修してネジは再度締められるようにする。こちらが過去の施工例です。

ですが、この手法を用いると、蓋はもちろん、本体側にも傷が付いてしまうので、ご依頼者様へ判断をお伺いし、今回は、青いたまごっちの開封は断念されるとのことでした。残されているボタン電池の液漏れなどの注意点をお伝えして作業終了となります。


アンパンマンおしゃべりいっぱいことばずかんDX 移殖修理

アンパンマンおしゃべりいっぱいことばずかんDX

アンパンマンおしゃべりいっぱいことばずかんDXタッチペンの修理依頼です。

このDX版ですが、今回のご依頼品は。、表カバーが白で裏のカバーが緑色です。絵本のカバー色が赤だったりするものあるのですが、何が違うのか正直分からなかったりします。

早速拝見しましょう。当初は、電源が入らないというご依頼でしたが、詳細をお聞きすると、まず電源が入らなくなったのと、言語切替もどうもできなくなったようです。ご依頼様ご自身で分解開封し電源スイッチと言語切替のスライドスイッチに接点復活剤を吹いて一旦は、接触が復活したそうです。

この時点では、絵本の絵柄へのタッチ反応も問題なかったです。ですが、時間が経つと次第に電源スイッチの接触不良が再発し、ご依頼に至ったとのことです。

まず、ことばずかんシリーズの電源スライドスイッチですが、過去の経験上、単に接点復活剤を吹き付けただけでは、一時しのぎにしか復活できないです。また直ぐ接触不良を起こします。

交換する新品の電源スイッチがなければ、スイッチ自体を分解し電気的な接点を研摩し接触を回復させるのがよいと思います。新品のスイッチがあれば、交換を強くお勧めします。

ということで、受け取り後、直ぐの動作確認を行っても同じように接触不良のため電源は入りませんでした。簡易的にスイッチの端子間を短絡すると無事起動音が流れたので、故障原因は、電源スイッチかと交換を行いました。

電源スイッチ交換

電源スイッチの交換で修理完了と高を括っていたら、電源スイッチの交換で無事電源が入り起動音声が流れるようにはなりましたが、絵本に反応しません。

早速ですが、その他の原因を探るべく基板を眺め調べます。

眺める
  • ペン先のイメージセンサーモジュールの半田剥がれなし
  • イメージ処理IC用の16MHzのクリスタルも無事発振
  • 基板上の配線腐食など目視確認で問題なし
  • 赤外線LEDも2個とも発光の目視確認
16MHz XTAL OUT

過去に経験をした不具合の多い原因を全て確認しましたが、どれも正常です。では、次にペン先のイメージセンサーモジュール側の不具合を疑いましょう。まず、正常に機能をしてるか確認します。

SEN_CLK
SEN_CLK vs SEN_D1

クリスタルも16Mhzを発振しており、イメージセンサーモジュールの4線端子の信号も確認しましたが、問題なさそうです。特にSEN_D0, SEN_D1の2パラシリアルが、イメージセンサーモジュールから出力されており、何らかの反応を返してはおります。ですが、この2線をオシロで観測しながら、絵本にタッチしても何ら信号に変化がありません。ずーっと、同じ信号を返してきます。詳しい仕様を知らないので、あれなんですが、絵柄にタッチするまでの待機中は、恐らく同じ信号を返し続けているのを観測してのだろうと思います。

波形を見ている間も、アンパンマンに『絵本にタッチしてね!』って急かされますので、イメージセンサーは、何の反応も返していないようです。

うーん、困りました、ペン先の内部に何か問題があるのかもしれません。レンズに汚れがついて画を認識できないのかもと思いペン先を分解します。というわけでペン先を開封します。

ペン先

開封の経験がなかったので、無理にこじ開けたせいでカバーが割れてしまいました。このカバーは、ねじ込み式なのですが、最後に強固に接着されてため、かなり強くこじる必要があり、そのため割れてしまいました。

再確認で、ぼやけてますが、赤外線LEDも発光しておりますね。

赤外線LED
レンズ穴とLEDの濁り

レンズの穴も拡大鏡による目視確認で、異物の付着もレンズの汚れもありません。念のため、アルコールで洗浄しておきます。とここで、気になったのですが、赤外線LEDの表面が異常に曇っています。隣にΦ=5mmの赤外線LEDを並べてみましたが、曇り具合が分かります。

実は、この時点でイメージセンサー不良で既に修理不可能である可能性高いを踏んでいたのですが、他の解決策が尽きたため、最後にこのLEDの交換をご依頼者にご提案しました。

このΦ=3mmの赤外線LEDの在庫が当医院にないため、入手しなくてはならないのですが、通販で送料を考慮すると高くつきます。そこで、フリマ、オークションで出品されている格安ジャンク品から移植しようと検討しました。特にフリマサイトでは、送料込みのお値段でかなり安く入手できるので、部品単体を購入するよりずっと安く入手できます。といっても、システムアカウントが必要ですし、システム利用料も別途かかることも考えると費用的には、トントンでしょうか。と調べていると、可動品もやや費用の追加負担で入手できることに気づきました。

直るかどうかわからない赤外線LEDの交換と費用の追加負担で中古可動品を入手し、まるごと移殖してしまうか、、、、。

ご依頼者様に上記のご提案をしたところ、確実性を重要視されるとのことで、費用の追加負担で可動品の丸ごと移殖をすることになりました。

タッチペン

今回は、修理というよりは移殖手術をご提供することになりましたが、ペン先内部の不具合に関するアプローチの少なさが露呈した形になりました。

因みに、移殖元のペンは、電源と言語切替のみですが、音声を楽しめるようにして、修理品とで2本をお返しすることにしました。

アンパンマン

イメージセンサー不良における、確実な診断方法を探しておかないと、モジュール内でもどこに問題があるのか分からず時間を多く費やしてしまうため、今後のためにも継続検討します。


無事、タッチペンを受け取りました。

早速、子供が楽しそうに遊んでいました。

修理していただきありがとうございます。

後日引き続き

アンパンタッチペン絶好調です。子供が毎日楽しんでいます。

~ご依頼様のご感想より~

マウスでクリック★アンパンマンカラーパソコン カーソルボタン修理

パソコン

マウスでクリック★アンパンマンカラーパソコン カーソルボタン修理

ノートパソコンでいうと、タッチパッドの中に上下左右のボタンが付いているのですが、下方向のボタンが効かないとのことで修理の依頼を受けました。

この手のボタンが効かない原因は、ピアノのおもちゃの鍵盤もそうですが、間にごみが挟まっていたり、基板上の配線が断線していたり、ゴムパッドの方の接触部分が汚れていたりといろいろです。さて、診断しましょう。

腐食痕

左下の配線パターンを見比べると一目瞭然なのですが、配線中に腐食が出ています。致命的でもなければ、ある程度までは導通できるのでしょうが、押下した際のパッド側の具合や位置関係では、導通できない場合があります。基板側、ボタン側ともアルコールで汚れをとりましたが、かなり強く押さないと反応しません。やはり、導通を根本から修復しなくてはならないようです。

エアコンのリモコンでも使いアルミホイルでの修復を行います。以前、導通ペンでの修復を検討しましたが、高いんですよね。

ということで、手軽な修復としてキッチンにあるアルミホイルに薄手の両面テープを貼りボタン側の導電部分に貼り付けます。因みに、この導電部分には、抵抗成分があって、基板側のパターンに接触することにより導通が取れ、それをICが検知しボタンが押下されたと認識します。

アルミホイル

ある程度の凹凸にも対応できるので、先の腐食で盛り上がったパターンにも対応できます。

無事、上下左右でのカーソル移動が復活しました。


アンパンマンおしゃべりいっぱいことばずかんDXタッチペン クリスタル交換と断線修理

アンパンマンおしゃべりいっぱいことばずかんDX

アンパンマンおしゃべりいっぱいことばずかんDXタッチペン クリスタル交換と断線修理

電源投入時、起動音声は流れるが絵本へのタッチ操作で画像を認識せず、もちろんですが、絵柄に合わせた音声も再生されない事象となります。

音声は流れているので、よくあるスピーカー故障はないですね。古機種であれは、イメージセンサーモジュール部分の半田取れかクリスタルの故障かもしれません。では、診察開始です。

動作確認では、ご依頼時の状況の通り画像認識しません。赤外線チェッカーでチェックしてみると、電源投入時から反応を示しませんので、イマージセンサーモジュール回りの不具合のようです。

イメージ認識モジュール

イメージセンサーモジュールとの接続もソケット式になっており問題なさそうです。では、次に16MHzのクリスタルをチェックします。

クリスタル

GNDに張り付いたままですね。これでは、ICは起動できません。主因ははっきりしたようですので、まずは交換をします。ここで注意がですが、アンパンマンおしゃべりいっぱいことばずかんタッチペンは、起動後イメージセンサーのモジュール側とイメージ処理IC間のハンドシェイクを行い成立しない場合、Sleepしてしまうので、クリスタルの故障を判別する場合は、起動直後からオシロで確認が必要です。

16MHz クリスタル

前回の修理のようなシンリンダータイプのパッケージではなく、HC-49/S型パッケージですね。早速交換をし無事発振を確認しましたが、まだ画像を認識しません。

クリスタルは、電源投入後に無事発振し出しますがしばらくして止まります。

通信の障害が発生しているらしいので、基板を眺めます。※困ったときは、これに限ります。

腐食破損

案の定直ぐに見つかりました。イメージ処理IC近くの基板配線が腐食し途中のR8抵抗の半田にも腐食がまわっていました。ハンディテスターでチェックしても導通が取れません。この配線は、先の画像にあるイメージセンサー側に繋がっています。

SONix製のこのICは、データシートがネット上では見つけることができず、(※)型番違いのSN9P701F-00Xを見つけることができます。リファレンスデザイン回路が載っているので、調べてみます。

ピン配が、型番で違ってはいるのですが、SENSOR INTERFACEコネクタの仕様は、同じなので、該当配線を調べてみると、SEN_CMD = Sensor control interfaceという双方向のコマンド信号のようです。

接続信号をざっくりみると、クロック、コマンドと2本のイメージデータの入力となっており、あと赤外線LED用の電源という感じでしょう。

どちらにしてもコマンド線が断線しては、ハンドシェイクできませんので、この断線がもう一つの原因で間違いなさそうです。ですが、問題があります。R8の抵抗値が分かりません。(※)

先のデータシートでは、R8なる抵抗は推奨されておらず、基板上のチップ抵抗も腐食で刻印も文字も見えません、もちろんですが、ハンディテスターでも計測できませんでした。困りました。少し考察をします。

私も半導体の開発エンジニアをしておりましたので、この手の抵抗は、シリアル通信用のダンピング抵抗と直ぐ予想はできます。通常、通信速度や配線のインピーダンス等で適切な抵抗値を評価決定します。リファレンス回路には記載はありませんが、デジタル回路のエンジニアでしたら、ダンピング抵抗は、通常入れておくか、基板の上にランドだけでも容易しておいて実際の評価にて信号品質を評価しながら決めます。Eyeの開口やオーバーシュートやリンギングなど。。。残念ながら当医院は、評価設備はもちろんなく、ましてや本回路の評価仕様も当然ありません。しかたなく、ダンピング抵抗は挿入せずにワイヤー結線のみでとご依頼様にご了承をいただき結線しました。

まぁ、それを言ってしまえば、断線している残った基板上の配線も反射の要因になるし。。。

ダンピング抵抗が不適切な場合は、画像認識でコマンドライン上の信号品質が低下するため認識エラーとなりますので、実際の動作確認で様子をみましたが、二日間にわたるチェックでは、問題なく動作していましたが、おもちゃ病院での対応としては、もう限界かもしれません。

迂回配線

(※)後日、ピン配の違うSN9P700FG-201のデータシート入手でき、該当抵抗の値が47Ωと判明しました。既に返送済みであったため、今後の使用において動作不良が現れた際に再修理とさせていただきました。


アンパンマンおしゃべりいっぱいことばずかんSuperDX タッチペン LED修理

ことばずかんSperDX

アンパンマンおしゃべりいっぱいことばずかんSuperDX タッチペン LED修理

電源を入れて起動音と言語切替の音声は聞こえるが、肝心の絵本の絵柄にタッチしても無反応とのことです。過去の診察実績では、ペン先のイメージセンサーモジュールの半田剥がれか、クリスタル故障かといところでしょうか。では、早速診察します。

▲ネジ

三角ネジ用のドライバービットは、こちらで購入できます。

早速開封しましたが、ペン先のイメージセンサーモジュールの半田は無事でした。

ペン先
XTAL_OUT

また、イメージ処理IC用のクリスタルも無事16MHzを発振しているのをオシロを確認しました。基板上の目視確認でも、これといった問題は発見できませんでした。さて、残すはペン先内のイメージセンサーに何か起きているか確認します。

赤外線LEDも2つ光っています。スマホで近接撮影なのですが、二つ光っており、コネクタの電位も問題ありません。

ピントがあってませんが、、、

イメージセンサーとイメージ処理IC間は、SEN_CLK, SEN_CMD, SEN_D0, SEN_D1の通信用の4線のラインと、イメージセンサー向けVcc電源、赤外線LED 2個用の電源、GNDなど合計12本の差し込みコネクタで接続されています。

コネクタ ピン番号信号名入出力機能
1SEN_SD0Iシリアルデータ0
2SEN_SD1Iシリアルデータ1
3SEN_CLKOシリアル用同期クロック
4SEN_CMDI/Oシリアル通信用コマンド
5AGNDGアナログGND
6VCC_3.3VPデジタル用電源
7VCC_ANLPアナログ用電源
8DGNDGデジタルGND
9LED0-WIRE_PWRP赤外線LED用電源0
10LED1-WIRE_PWRP赤外線LED用電源1
11DGNDGデジタルGND
12DGNDGデジタルGND
※入出力は、イメージ処理IC視点:I 入力、O 出力、I/O 入出力、P 電源、G GND

電源、GNDの電位、オシロを使って4線の信号を確認しましたが、問題なさそうです。

代表して、SEN_D0 vs SEN_D1

2パラのシリアルD0とD1の出力がイメージ処理ICに出力されています。認識した画像によって、異なるIDを出力しているのだと思いますが、絵柄をあてても変化がありません。うーむ、ペン先の内部で何か起きているに違いない。故障モードについてひとりブレストします。

  • 常に固定ID値を出力するイメージセンサーの故障
  • 赤外線LEDが故障していて赤外線の反射画を取り込めない
  • イメージセンサーのレンズが汚れていて赤外線の反射画を取り込めない

どちらにしてもペン先を分解しないといけないなぁーと思いつつペン先内部を先の穴から覗いていたら、なんと!なんと!なんとー!

原因が分かりました。

LED寄りすぎ
正常な場合

正常な場合は、中央にイメージセンサーのレンズ穴が見えますが、なんと!赤外線LEDが、なぜか中央に曲げられており、それが原因で赤外線の反射画を取り込めないようになっていました。早速蓋を開けますが、ここで特に注意が必要です。

以前、他の修理でこじ開けた際、ペン先のカバーが割れてしまいました。今回は、慎重にこじって少しづつ回して外します。

おおお!
傷が

かなりこじったのか、LED表面に傷があります。これでは、流石に画像を取り込めないですね。早速曲げをなおし、LEDの点灯も確認します。

曲げ戻し
点灯確認

ペン先のカバーなしでもが認識のテストは行えましたが、ねじり位置へ元に戻し動作確認を行い無事修理完了です。


ハローキティ ピアノ 断線 マイク被覆修理

ハローキティ ピアノ 断線 マイク被覆修理

メーカーは不明ですが、有名なハローキティのピアノの修理依頼です。電源を入れても動かなくなったのと、付属マイクのコネクタ根本の被覆が取れてしまったとのことです。

起動不良の原因は、直ぐ判明しました。

電池ボックス半田取れ

ヒューズ基板から線が取れており、接続することで起動動作が確認できました。本体側の問題は、音量ボリュームのガリが酷かったので、接点掃除をし解消しました。さて、マイクケーブルの被覆修復です。

被覆割れ

ちょうど根本のところの被覆が折れ割れております。断線にまで至っておりませんが、このままでいづれ断線すると思われます。被覆修復は、熱収取チューブで外部からさらに覆いたいのですが、コネクタの形状から、大きめのチューブでは、芯の細いケーブルまで覆うことができないため、3段構えで構成します。

用意するチューブの口径は、まず芯側ケーブルの口径に近いチューブを1本、それと、コネクタの口径に近いチューブを1本用意します。前述の画像を参照ください。

チューブの色は、ご依頼者様と相談しハローキティのピアノ本体と同じ赤にしました。

まず、大小のチューブを通すため、一旦ケーブルを切断します。断線していませんが、ここは、将来の断線予防のため、涙を堪え切断します。って言いすぎですね。

接続

ケーブルを切断後に使用する口径の異なる2種のチューブを通しマイク側に避難しておきます。その後、図の通り、再接続します。第1段の透明チューブは、一番細いチューブを使用します。今回は、半田付けの長さが限られたため、短くなってしまい、正負間のショートの懸念があったので、ビニールテープでさらに絶縁処理しておきました。

綺麗にできました。

ここから手際よく作業します。剥がした被覆を弾性のエポキシ接着剤で被せ接着させ、直ぐに先に通しておいた、ケーブルの芯の口径に使い第2段のチューブをすかさず被せます。こんな具合です。

第2弾

コネクタ根本まで押し上げて収縮させます。

第3弾

最後にコネクタ口径に近いチューブにてコネクタ先端側まで押し上げで収取されればばっちりです。ピアノ本体の色ともマッチしかなり綺麗にしあがりました。v^^

マイクの接続動作を確認し修理完了です。


プラレール トーマス モーターブラシ交換

トーマス

プラレール トーマス モーターブラシ交換

誤って落下させてから動かなくなったとのことです。早速診断してみましょう。

到着後の動作確認では、症状の通りスイッチを入れてもまったく動くそぶりもありません。外見の目視確認もこれといった問題はありませんでした。

ギアボックス内

電源スイッチのスライド時の接触不良もギアボックス内も問題はありません。この段階で電池を接続してみると動き出しました。おや!?と思い、再度ギアボックスを組み立てて、電池を接続すると、今度は動きません。ギアボックスの端子を少し手で動かしてみると、動き出したりします。

何やら電気回路系の問題らしいとまではつかめましたが、原因はわかりません。

いろいろ調べて数時間が経過しました。

ブラシ

モーターもオーバホールしようと分解しましたが、グリスが真っ黒ではありますが、先の接触に起因する原因はつかめませんでしたが、ブラシを外したところではっきりしました。

ブラシの摩耗

黄色丸のブラシの先が摩耗して無くなっています。青丸の方は、ほぼ無事です。電極を出ていじると動き出したのは、摩耗した電極の接点がずれて回路が導通したのでした。

現象と原因を一人ブレストしてみます。

  • ギアボックスに組み込んだ状態では回路は導通しない
  • ギアボックスを分解して電池を接続すると動く
  • モーター内部のブラシの片方が摩耗している
  • プラレールを落下してから動かなくなった

少し考えた結果、これはブラシの摩耗によりカツカツで接触していたブラシの接点が落下の衝撃で一気にずれてしまい導通しなくなったのだと結論づけました。

製造段階で電極端子を半田付けしたままギアボックスに組み込んだ際、摩耗の酷いブラシの方は、大きな応力が外部からモーター内のブラシからコミテータにかけてかかっていたため、モーターが回転するまで少しづつ摩耗を続けていたのでしょう。

さて、修理の方針です。摩耗したブラシを交換しますが、当初はモーターを丸ごと交換を試みましたが、コイルの巻き数が明らかに違うので、ブラシを含むハウジング部分を交換します。

巻き数の違い

次に前述の原因考察から、修理も先に端子をブラシを半田付けしたからギアボックスに組み込むと同じようにブラシの摩耗を招くため、今回は、ギアボックスに電極とモーターを組み込んでから際最後に半田付けをしました。

組み込んでから半田付け

組み立てて動作確認をしましたが、無事動くようになりました。不安定さもなく、確実にスイッチのON/OFFで起動停止をします。

念のため、二日間にわたり経過を見て完了としました。

電池交換

因みに、このプラレールですが、電池交換時は、裏側の蓋のネジを外し真ん中の車輪を浮かさないとトーマスの蓋が取れない仕様なので、皆さんご注意ください。


動作確認もできました。

この度は急なお願いにも関わらずご対応いただきありがとうございました。 クリスマストレインに始まり、トーキングプレーヤーと、今回が3回目になりましたがいつも通り安心してお任せでき、原因究明のあまりの早さにもびっくりです。

また今後ともよろしくお願いいたします。

~ご依頼者様のご感想より~

イワヤ 犬のリモコンぬいぐるみ 断線修理

リモコンぬいぐるみ

イワヤ 犬のリモコンぬいぐるみ 断線修理

動作が不安定とのことでリモコンのボタンの効かないとのことで修理のご依頼がありました。さて、リモコンの取っ手部分は、イワヤ様のぬいぐるみではよく見る形状で、動かないという症状では取っ手の縁の箇所でケーブルの内線が断線しているケースが多いですね。今回もそうではないかと早速調査してみます。

到着時の状態

到着時は、真後ろを向いたまま電池を入れてもうんともすんともな状態ですが、何やら頭の中でモーター音はします。もちろんですが、リモコンにも一切無反応です。では、開封です。

本体

本体のぬいぐるみと頭部を開封します。主だった不具合は外見なさそうです。

駆動部分と基板

制御基板は、腰のあたりのスペースに格納なれております。牛の部位でいうとランプ肉の辺りです。トランジスタが、多数あるのはHブリッジのモータードライバだと直ぐ分かります。

ギヤ外れ

まずひとつめの不具合がありました。モーターのピニオンギアが外れております。実は、この時点で『なぜズレたのか!?』を気付けばよかったのですが、接続されるギアののシャフトの10Tのギアが割れたいたため、ズレたのでした。結構修理も進んだ後の動作確認で、あれ!?モーターが回っているけど動かないという段階でギア割れが判明するという始末でした。※我ながら経験不足ですね。

ギア割れ

この段階でもまだうんともすんともです。さて、次は基板回りを見ます。

モーターの配線取れ

次の不具合も発見です。モーターの白色配線が取れています。が!基板のどこから取れたのか分かりません。おもちゃ修理でのあるあるで、これ結構厄介なんですよね。今回はモーターなので、さっきのトランジスタで構成されているモータードライバの回路図を起こせばいいので早速起こします。ただ、今回は運よくモーター配線なんですが、ジャンパー線だったりした倍は、もう探す術とかないので、基板を目視して取れた形跡とか追ったりします。

どこかわかならない
X:断線箇所

すこぶるシンプルなオーソドックスなHブリッジ回路ですね。型番不明なNPNのトラジスタは、チップ型で刻印がフラックスで見えなかったです。まぁ洗浄すればいいのですが、今回は、断線箇所が分かればいいので。さて、無事基板に半田付けしたところで、動作確認をします。

電池を入れ電源をONにすると、頭部がいきなり後ろを向いて正面に戻ります。ん!ん!ははーん、このぬいぐるみは、起動時はかならず首を後ろに振るという仕様なんだなと勝手に解釈していましたら、まったくの勘違いでした。後の動作確認で気付くのですが、頭が少しでも正面からずれていると正面を検知するスイッチがズレるため、振り返り動作をしてしまいます。頭部の回転を制御しているモーターのプーリーを手で回して正面にしないと外した頭の殻さえもはめ込むことができなくなります。こちらの届いた当初、頭が後ろを向いていたので、元の位置に戻せばいいや程度に考えていたのですが、全くの間違いで正常に正面にしておかないと頭部の殻のはめ込みと動作もおかしくなります。この頭部の位置については、後々正常な位置に戻すとしてその他の動きの確認です。

さて、修理作業に戻ります。配線系で肝心なリモコンの操作もまだうんともすんともなので、ケーブルの断線をチェックします。

リモコンの根っこ
ケーブル

6芯のキャブタイヤケーブルが使用されており、ケーブル端での導通チェックでは、6本中5本で断線しておりました。かなりの重症です。リモコンの押しボタンはシンプルで、各配線をVccに接続する押しボタンのタイプなので、暫定的に本体基板側のケーブル間をVccに短絡し動作をみましたら、前進など動作を確認できました。ケーブルの断線修復必要です。

早速、お馴染みの待ち針でリモコンの根のあたりをチェックしましたが、導通しています。

おや?

では、本体側の根かなと確認しますが、本体側も導通しております。困りました、ケーブルの端近くのよく折れ曲がる箇所で金属疲労による断線と期待していたのですが、どうもケーブル中央部の断線のようです。こうなってしまうと非常にまずいです。

端の断線なら、いつもの手で少しケーブルを短くしてやれば良いのですが、ケーブル中央ですと6芯のキャブタイヤケーブルを丸ごと交換する必要があります。というか、それしかありません。6芯のキャブタイヤケーブルは、まぁまぁお値段がするので、ご了承を得て交換することにしましたが、課題もあります。適切な太さが見つかりません。0.3mm2サイズが一番細くこのサイズでは、黄色のリボンをかろうじて通すことができましたが、リモコン側が閉まりません。

シース除去

やむなくケーブルのシースと取り払い収縮チューブで補強して挟み込みます。

接着

リモコンは、ネジ止めされておりますが、シースを取り払っても完全に絞めることもできませんので、結束バンドで固定しズレないように隙間も含めてエポキシで固めました。ケーブルが太いとこういった対処も必要になりますね。

スピーカー交換

スピーカーもコーン内部の配線に錆があがっているので、交換をします。縫い合わせもできたところでまた一難

頭が入らない
むちゃずれている

ここまで来て頭がはめ込みできません。どうやってもはめ込みできません。あれあれこちらに届いた時は頭ははまっていたんだけど、、、詳しく調べてみると、首が殻のネジ穴に干渉しています。なぜだー!まったく分かりません。違いぬいぐるみの首?

と、時間がかかりましたが、前述の正面に向けてはめ込みまないとネジ穴が干渉するようになっています。というのも、この犬のぬいぐるみ、リモコンの振り返りボタンを押すと、後ろを振り返り頭を上げる動作をします。実は、この干渉していた箇所に引っかかり振り返った際に頭を上げるカラクリでした。※このカラクリを知らないと迷宮に迷い込んだままです。さて、無事頭をはめ込んだところで、なんとまた別の不具合が発見です。

一難去ってまた一難。。。とうか、二難、三難、、、。

振り返り用駆動プーリー

頭部の殻とぬいぐるみを被せていない場合、重量も摩擦も低いので、軽々振り返りしていました。その時点では、不具合に気付かなかったのですが、頭部の殻をはめて、ぬいぐるみをかぶせ、首を結束バンドで止めて、前掛けを縫い合わせると結構な重量となり、前掛けの摩擦も手伝って振りけることができなくなっていました。このプーリーは、経年で伸びて緩んでしまっており交換が必要ですが、生憎手持ちのゴムリングもありません。

既に着手から3週間、部品代でも結構かかっている事情も相談し、頭部の振り返り機能の修理断念することになりました。

復活

長い道のりでしたが、ここまで修復できました。部材の代金や往復の送料を考えると、どこまで修理に投資できるかが判断のポイントとなります。今回の案件のように修理作業の途中であれよあれよと故障個所が沸いて出てきてしまうケースでは、後戻りもできないため、ある程度コストがかかったところで折り合いをつけるケースもあろうかと思います。今回の事案は、良いケース勉強となりました。