初代たまごっち ネジ外し メンテナンス

たまごっち

たまごっち ネジ外し メンテナンス

初代のたまごっちの裏蓋のネジは、とても弱く、きつく締めてしまうと開封時に溝をつぶしてしまいます。当医院には、お困りのご依頼者様も多く、数多く開封をしてきました。

ですが、この開封は、本体破損のリスクと開封のコツと技術を要するので、事前にご依頼者様には、その旨のお約束をして頂いております。

  • 開封できるかどうかは、やってみないと分からない。
  • 開封作業に際し本体や液晶を割ってしまったり動かなくなってりするリスクがある。

また、作業者も手に大けがを負う危険性も抱えての作業になります。その度ごとに掌に内出血をします。

内出血

前振りはここまでにします。

ご依頼者様は、初代のたまごっち 2台を保管していて、液漏れが心配で裏蓋を開けようとしたところ、溝をつぶしてしまったです。今回のご相談は、まず、つぶれたネジを開封し、動作も確認し問題あれば併せて修理をというご依頼でした。たまに、液晶もうつらないこともあるそうなので、液晶の導電ゴムの接触も確認します。

早速ですが、状態を確認します。

緑のたまごっち
青のたまごっち

画像では、溝が辛うじて残っているように見えますが、ここで騙されてはいけません。この初代たまごっちのネジは、とてもとても脆くきつく締められているとすぐ溝が無くなってしまいます。その大きい要因は、以下の通りです。

  1. 締めた際に、締めすぎてしまった。この裏蓋のネジは、ボタン電池を抑えるだけの蓋なので、きつく締める必要が全くありません。ボタン電池が、内部でぐらぐら動かないようにするだけで十分です。
  2. 開ける際に、適切なサイズのドライバーを使っていない。ネジのサイズに合わない大きなドライバーを使うと、直ぐ溝を削ってしまいます。適切な精密ドライバーを使います。
  3. ネジの回し方を知らない。ネジは、ただ回すだけのものではありません。ただしい開け方で回さないと溝を削ってしまいます。

今回もかなりの難敵でした。特に緑のたまごっちは、前述の画像のとおり、溝が十分残っているように見えますが、きつく締めてあったので、びくとも動きません。

つぶれ

緑のたまごっちのネジは、びくとも動かないので、治具で開封に試みます。治具をもってしても、少しずつ動かします。無事やっと、ちょっとずつですが動き出しました。

格闘すること、30分。すこしずつ回し始めて頭が出てところで、ニッパーで頭を立てに摘まみ静かに回します。ここで、力を入れすぎたり、ニッパーの使い方を間違えると、ネジの頭がもげてしまい、終わりの世界になります。

青のたまごっち無事開封
緑のたまごっち無事開封

ご依頼様のご心配が的中しました。どちらのボタン電池も液漏れを起こしております。

液漏れ

緑のたまごっちの電極は、粉が電極の裏側まで付着しておりました。

端子の腐食も軽度でプリント基板側への影響もなさそうでした。このタイミングでのご依頼は、正解でした。

洗浄清掃

さて、動作確認も行い液晶の映りの欠けもなく動作も問題なさそうですが、念のため押しボタンの接点をアルコールで洗浄しておきました。

押しボタン接点掃除
ネジ交換
ネジ交換

最初のやり取りから丁寧に対応していただき、最後まで安心してお任せすることができました。

お願いしていたネジの開封だけでもとても大変なのに、その他の箇所も見ていただき、本当にこんなお値段でしていただいて良いのだろうかと心配になるほどでした。

子どもたちと懐かしく遊びたいと思います。

この度はありがとうございました。

~ご依頼様のご感想より~

アンパンマン おしゃべりいっぱいことばずかん SuperDX スピーカー断線修理

おしゃべりいっぱいことばずかん SuperDX

アンパンマン おしゃべりいっぱいことばずかん SuperDX スピーカー断線修理

電源を入れても起動音も絵本の絵柄にタッチしても反応音が鳴らないということです。

スピーカー回りの故障の場合は、LEDは点灯するが、起動音が鳴らずかつ絵柄にも反応しないことが多いです。

電源投入時の起動音はスピーカーから鳴っているが、絵柄へのタッチ反応時の音声のみがしない場合は、より深刻でクリスタル故障や画像センサー側の故障が多いです。今回は、電源投入時から起動も鳴っていないので、スピーカー回りの故障と推測されます。

早速ですが、動作確認をすると、電源を入れてもLEDが点灯しますが、起動音すら鳴りません。分解すると、原因は直ぐ判明しました。

三角ネジ

SuperDX版から止めネジは、三角溝のネジが使用されております。サイズ18のビットで開封もできるのですが、キツキツです。サイズ18以下のビットが見つからないので仕方ないのですが、そういうときは、Y型の細ビットで代替えします。

さて、分解ですが、アンパンマン おしゃべりいっぱいことばずかんシリーズのタッチペンは、ペン先のカバーを如何に綺麗に外せるかもキーポイントになります。

ペン先のカバーは、本体に突起のツメがハマるようになっているのですが、このツメを広げないと綺麗にペン先が外れません。マイナスドライバーで抉ると割れたり、膨らんだカバーの箇所が白濁して汚くなります。何か綺麗に外せる治具を考えないといけないですね。

今回は、ペン先を外さなくても原因が直ぐ分かりました。

半田取れ

音が鳴ら鳴ったのは、スピーカーの電極端子の半田付けが取れたためでした。サクッと再半田して動作確認します。

動作確認

問題なさそうですね。

余談ですが、クリームパンマンが好きなキャラクターです。


子どもが気に入って使っていたおもちゃが壊れてしまい、 メーカーに問い合わせても対応して頂けず 途方に暮れているところで、宅配おもちゃ病院さんのホームページを偶然見つけました。

まさかこんなに迅速に対応して頂けると思っていなく、 本当に嬉しく思っています。

子どもに見せるととても喜んでおり、 2人でおもちゃを取り合って遊んでいました。 また壊れることがないよう、大切に使うよう子どもたちにも伝えていきたいと思います。

この度は本当にありがとうございました!

~ご依頼様のご感想より~

すみっコぐらし パソコン 期限切れ修理不可能

すみっコぐらし パソコン

すみっコぐらし パソコン 期限切れ修理不可能

今回も、地域のおもちゃ病院で依頼のあった事案をご紹介します。

巷では、大人気らしいすみっコぐらしというキャラクターのパソコン型の玩具ですが、OSの入ったいわゆるコンピューターではなく、どちらかというと1チップマイコンで駆動するゲーム機という方が適切な気がします。

さて、ある日突然電源が入らなくなったそうです。電源から確認します。

恐らく1チップマイコン型ですので、液晶やキーボード、マウスなども1チップで完結するタイプかと思います。

電源基板

裏面を開封すると、キーボードのマトリクスシート横に電源基板が現れます。ケーブルにて、表面LCD裏のメイン基板と接続されております。

この電源基板は、キーボードの電源ボタンの押下にてメイン基板上のマイコンに電源を供給し起動に成功すると、電源ボタンを離しても電源を供給するという制御設計がなされております。電源基板上は、電源ボタン押下での電源供給がなされていることを確認するため、まずは、基板端の端子に電源が供給されるか確認します。

無事電源ボタン押下中は、電圧が上がっていることが確認できました。

さて次にメイン基板側を確認します。

LCD

メイン基板は、LCD側つまりキーボードと反対側の筐体に納めされております。留めネジは、シールの裏側にあるためシールを剥がさなくてなりません。

ご依頼者様にご承諾をいただきシールを剥がします。このシールは、かなり強力なので、温めて剥がしますが、のりが残ってしまいます。剥がしたシールは、後で綺麗に貼りなおしたいので、ガムテの裏側を利用して貼っておき大事に保管しておきます。ですが、剥がす際にやはりシワシワになってしまいました。

ネジ箇所

ネジを外すとメイン基板が現れます。

メイン基板には、メインの制御LSIとLCDドライバなどなど実装がされております。基板用を確認すると、まずチンチンに発熱しているICを見つけました。

破損IC

LCD用の電源ドライバとショットキーバリアダイオードです。キーボード上の電源ボタンの押下にてメイン基板側にも電源がそれぞれ供給されているのですが、LCDへ電源を昇圧して供給するためのドライバが以上加熱しており、それげ原因かどうかも不明ですが、整流用のショットキーバリアダイオードも破損しておりました。ですが、これはLCD用のICですので、メインの制御LSIとは、ほぼ無関係であることが判明しております。発熱は筐体を溶かす危険性もあるので、外しておきます。※一応、正常なICと交換してみましたが、改善は見られませんでした。

さて、制御LSIを調べます。発振器が2つついております。データシートも無いので、どのような目的のクリスタルなのでか不明ですが、電源ボタン押下においてもどちらも発振しておりません。

LSI

故障原因の大きな要因は、このLSIに正常に電源が供給されていないことは間違いなさそうです。ですが、多層基板で構成されており、基板端の電源端子が既に内層の電源用層に直結しているので、電源の経路調べる術が設計仕様書でもない限りできません。

他の修理作業もあり、時間を要していたのですが、ご依頼者様より修理がまだできていなくても返却して欲しいとの要請があったため、故障箇所の調査中でしたが、やむなく修理せず現状のままで返却となりました。ただし、LCDドライバICとショットキーバリアダイオードは、発熱の危険性もあるので、取り外しておきます。

はたらく トーマス プリント基板パターン剥がれ修理

はたらく トーマス プリント基板パターン剥がれ修理

外来にて勤務しております、地域のおもちゃ病院でご依頼のあったはたらく トーマス プリント基板パターン剥がれを修理しました。

3つの押しボタンにて異なるおしゃべりやメロディがなるおもちゃですが、押しボタンを押しても鳴らなくなってしまったそうです。

調べてみると内蔵のプリント基板の電源の導線が半田付けされている箇所のランドが剥がれてしまったのが原因なのですが、途中不可思議な現象に遭遇したので、ご紹介します。

まず、本体開封後にプリント基板端まで電源が来ているかを確認し正常な電圧が上がっていることを確認しました。ですが、押しボタンを押しても音が鳴りません。

ん?ん?(。´・ω・)ん?

と悩みに悩んで、こういう場合はプリント基板を眺めるのが一番なのですが、眺めていると原因が分かりました。

プリント基板

電源の+側のリード線ががプリント基板端にある電源用のランドに半田付けされているのですが、リード線の負荷がかかったらしくパカパカと剥がれていました。

さて、このランドの剥がれが原因と結論づけましたが、実は開封時に電源にマルチメーターをあてて電圧を測っています。この時は正常な電圧値をさしていました。

あれ?ランドが剥がれていたのに電圧は正常って?変ですよね?

実は、ランドは剥がれていましたが、マルチメーターで測っていたのは、リード線上の半田部分なので、これではパターン剥がれか気が付きません。

さて、パターン剥がれによってCOB内のマイコンが起動できなくなっていると予想し剥がれたランドは取り去り電源を別の箇所からCOBに供給させます。また、画像からも分かるように、電源-GND間には、チップパスコンとリードの電解コンがついていいます。

ランド剥がれが原因かどうかを確認するため、半田付け前に指でパスコンランドに電源のリード線と電解コンの+を押し当ててボタンを押してみると、メロディが鳴りました。やはりランド剥がれが原因だったようですね。

ということで、画像のようにチップパスコンのランドに電源のリード線と電解コンのリードをまとめて半田付けします。ですが、押しボタンを押しても鳴りません。 ̄▽ ̄;

なんでだ?

もう一回半田付けを取り払い、指で押し当ててボタンを押すと、なんと!鳴ります!

指で押し当てると鳴るが半田付けすると鳴らないなんて、どういうことだ?

私の指は、神の指なのかもしれません。なんて。。。

この原因は直ぐ判明せず、地域のおもちゃ病院会場から持ち帰りで引き続き解析しました。

剥がれたランド付近を拡大鏡で確認すると原因がすぐわかりました。

2系統の電源経路

剥がれたランドは、COB側のみに供給されているとおもいきや、プリント基板上のシルクにも騙されたのですが、押しボタン側にもつながってしました。画像緑枠のところです。

指で押し付けた際は、運よく電源側にも押しボタン側にも押し付けられておりボタンを押すと音が鳴ったわけで、それをしらずに電源側のみに半田付けしてもCOBは起動しますが、ボタンへの反応はしないというメカニズムでした。チャンチャン♪

私の指は、神の指ではありませんでした。

さて、そうすると2系統に配線を復旧しないといけないので、プリント基板のレジストを剥がしリード線でプリッジさせて最後に電源のリード線を接続します。

ブリッジ半田

電解コンも半田付けしないといけませんので、カプトンテープで絶縁をしておきます。

今回は、プリント基板のランド剥がれによる故障でしたが、基板上のシルクにて断線経路がわからなかった事案をご紹介しました。

余談ですが、顔のついたプラレールや電車を全部トーマスと呼んでいたのですが、トーマスは一体だけで、それぞれ違う名前があるそうです。お子様からのご指摘をうけました。


イワヤ 犬のぬいぐるみ ふいご笛 骨折修理

イワヤ 犬のぬいぐるみ ふいご笛 骨折修理

前足の骨折の修理のご依頼です。

イワヤ製のこの手のぬいぐるみは、当医院でも診察経験があります。骨折の修理は、ワイヤーで骨接ぎを行いエポキシで固めるという常套手段で対応します。

さて診断を開始しましたが、骨折は、前左足でしたが、尻尾の骨折もありました。尻尾がフリフリしません。また、頭部内のふいごの笛も鳴りませんし、首も上下にフリフリしません。折角なので全て修理します。

縫い合わせ解き

私は、作業性を考え縫位解きは、下部底面を一周して開きます。また今回は、頭部内も開頭手術をしますので、頭まわりも解きます。

開頭

無事解けたところでまず骨折部分から作業開始します。

故障パーツ

足の骨折は、数か所にピンバイスで穴をあけ固定します。尻尾が細いので、0.5mmの銅板とワイヤーで補強し接着固定します。ふいごの笛も取れてしまっておりますね。

前足固定

前足は、4か所をワイヤーで固定しエポキシで盛っておおきます。尻尾は、ぐるっと0.5mmの銅板で囲いこちらもピンバイスでワイヤー固定します。

ワイヤー穴あけ
固定

ここまでサクサクと作業をし、次に頭部のふいごの笛を修理します。耳と頭頂部がホットボンドで固定されぬいぐるみの皮が張りを保っております。

耳回り
ふいご笛

笛部分のホットボンドが取れてしまったため、頭部内にふいごが転がっておりました。ホットボンドでは、また取れてしまうので、今回は、セメダインの弾性万能接着剤を使用します。

笛の内部に接着剤が入り込まないようにします。

接着

ふいごの笛は、本体側の首振りシャフトに連動してふいごが吹かれるようになっております。ふいごは修理できましたが、首振り側のシャフトで問題がでました。

軸抜け

当初、この軸抜けには、骨接ぎで使用したエポキシ系の接着剤で固定したのですが、材質もが異なるようで、首振りの振動ですぐ抜けてしまいます。というか、実は、エポキシの接着剤でも数日は固定できるので、接着当初は、うまく固定できたと高を括っておりました。開封した縫い合わせも全て縫い合わせが済んだ最後の最後の動作確認で、あら?首が動かなくなったぞ!笛も鳴らないし。。。

と、再度開封してみると、圧入接着したはずの軸が抜けておりました。なので、 セメダインの弾性万能接着剤での固定を強くお勧めします。

Take2にはありましたが、再度縫い合わせをし、無事修理完了です。


受付から完成までとても丁寧なご対応にとても安心してお願いが出来ました。

途中経過のご連絡の際も、丁寧な文章で写真付でわかりやすく送って下さり、徐々に治っていくぬいぐるみに大人な私がワクワクしました。

しかも、犬の声は諦めていた所、治ったご連絡を頂き、本当に期待以上の作業をして頂きすごく嬉しかったです。

本当にありがとうございました。

~ご依頼者様のご感想より~

トイストーリー トーキング ウッディ スイッチバネ修理

トーキング ウッディ

トイストーリー トーキング ウッディ スイッチバネ修理

引っ張り出した背中の紐が元に戻らなくなり発声もしないとのことです。状況は、過去の修理記事と同じ症状のウッディでした。

紐が元に戻らない

早速開封してみると、紐と連動する発声スイッチ用のバネが折れておりました。

バネ折れ

過去にも同じ故障を経験しているので、度重なる紐のひっぱりで金属疲労による折れが出たんですね。

バネ修復

同じサイズで折れた部分をつくってあげます。

これで、バネの修復は完了なのですが、紐の巻き上げを元に戻さないといけません。これ、結構たいへんなんですよね。

紐の先にあるプレスチック製のリングが、背中の穴に密着し引っ張る際のバネの引き具合もある程度強くなるように調整をします。

バネ巻き上げ

ボビンを固定したまま、バネを巻き上げて固定します。固定しながらが大変ですが、失敗すると、パーンとはじけて部品が飛散するので、もう何回もやり直します。

スイッチの接触の具合もよさそうですね。これにて修理完了です。


くすぐり エルモ 軸可動レバー 修理

くすぐり エルモ 軸可動レバー 修理

今月は、外来勤務の地域のおもちゃ病院で2体のくすぐりエルモも修理を行った。1体目は、先日の記事のこちらのエルモになります。無事、修理完了しました。

今回の記事は、2体目のエルモの修理内容のご紹介となりますが、1体目とバージョンが異なります。外見は、パイル生地のぬいぐるみに覆われておりますが、開封すると筐体の色の違いに気づきます。

1体目:白筐体・・・白エルモ

白エルモ

2体目:黒筐体・・・黒エルモ

黒エルモ

白エルモは、ネットでの修理内容記事が多く、ピニオンギアの割れが原因での動作不良が不具合の多くを占めます。恐らく白エルモが、製造時期としては先のバージョンと思われます。

黒エルモは、先の白エルモの不具合の改良がなされており、ピニオンギアの割れの修理記事も検索ではヒットしないほどになっております。

さて、今回はこの黒エルモの修理内容のご紹介となります。

故障の状況は、笑い転げる際に頭をもたげる動作の際に本来は、その反動で尻餅をつくのですが、反動の勢いが低下してため、尻餅をつけずに頭をもたげたまま笑ってしまうという現象です。

実は、当初お預かりした際に、この状況をお聞きする前に動作確認をしたのですが、違った不具合も出ておりました。動きが緩慢で特に途中でモーターがウィーンと鳴り止まってしまいます。白エルモのようなギア割れと似た現象でしたので、白エルモ同様にピニオンギアの割れと推測し作業に開始しました。

開封

白エルモ同様に背中の縫い目から開封します。すると、知らない場合は、少し驚くかもしれませんが、黒色の筐体が見えます。

内部

本体内部を確認すると、電子基板や機構部分が見えますが、明らかに白エルモより改良がくわえられております。

  • 制御基板は、青色のレジストになっており、COBは子基板構成になっております。恐らくですが、言語エリア毎に組み替えられ出荷されているのだろうと推測しました。
  • モーターにノーマル/コモンモード用のノイズフィルター基板が付いています。白エルモは、ノーマルモード用のセラミックコンデンサーのみが端子間にあるだけでしたが、黒エルモは、ノーマルモード用のセラミックコンデンサーと各端子にコモンモード用のインダクターがそれぞれノイズフィルターとして取り付けてあります。EMC対策などのご経験があれば、直ぐ分かりますが、回路仕様については、村田製作所様のこちらが参考になります。
  • 姿勢センサーが胴体の中心部に移動接地されております。
  • あと、なぜか股関節の左足が外れませんでした。いろいろ調べて頑張ったのですが、外せませんでした。仕様なのか不明です。
フィルター基板
姿勢センサーとノイズフィルター基板

さて、肝心の不具合の調査をします。まず、白エルモ同様にモーターのピニオンギアが割れていないかと確認します。

腕用モーター
足用モーター

どちらのモーターもピニオンギアの割れはありませんでした。というか、ギアボックスが改良されているようで、容易にギア割れが起きづらくなっているようにも見えました。

ということで、黒エルモについては、他の要因による故障となりますので、詳しく調査します。

修理の経験があれば、分かるかもしれませんが、ぬいぐるみの皮が付いたままでは解析が困難です。そこで、両脚先の電池ボックスを取り外しぬいぐるみを完全に脱がせます。顎のボタンも取り外します。

黒エルモ

何か、カッコイイ感じになりましたね。

腕はそのまま

稼働する右腕もぬいぐるみの皮から外さないといけません。腕は、ネジで軸に固定されておりますので、一部を切り開きネジと緩め腕を取り外します。

腕のネジ

ここで、再度動作確認をします。やはり、お辞儀をするあたりでギア噛みのような止まる現象があります。動かしながら、各所の起動動作を目視確認すると原因が分かりました。

青レバー

画像の青色のレバー状の部品が引っ掛かっており、モーターがウィーンと鳴っておりました。

このレバーは、尻餅をつく際にちょうどお尻の下にある軸の稼働を制御するレバーでした。

エルモの動作を解析すると、かならず、腕が上がっていないと、尻餅が付けない仕様となっており、腕があがっていることを検知し、尻餅動作を制御しておりました。

この可動レバーの腕の軸が、本来であれば、スムーズに上下に稼働し連動して足の稼働を制御するはずですが、プラスチックの経年の劣化のためでしょうか、微妙に湾曲したのか、どきどき滑りが悪くなり上下できなくなっておりました。画像のとおり、腕側の軸にグリスを付加しかつ足側の軸にもグリスを十分につけておきました。

無事スムーズな動きが復活しました。

白エルモ同様に開いた背中を縫いあわせて修理完了です。


くすぐり エルモ ギヤ割れ交換 電池ボックス電極 修理

くすぐりエルモ

くすぐり エルモ ギヤ割れ交換 電池ボックス電極 修理

外来で勤務をしている地域のおもちゃ病院にて、エルモ 2体の修理を受け持ちました。今回は、その内の1体のエルモの修理についてご紹介をしたいと思います。

まず、このくすぐりエルモとは、顎、お腹、左足首のスイッチを押すと、笑い転げてくれる、とても楽しいぬいぐるみです。たぶん、かなり有名なので、動作については詳しい説明は不要かと思います。

さて、ご依頼の内容は、笑い転げる動きが変ということです。

通常は、いづれかのボタンを押下すると、左腕を上下に振り笑い始め、次に尻餅をついて、両足をバタバタ笑い転げて最後に起き上がるのですが、動きが緩慢で動作の途中で止まることもあります。モーターが空回りしている、ウィーンという回転音はするものの、ぬいぐるみの動きは止まったままという感じです。

やはり一時期、商品がバカ売れしたおかげでインターネットには、修理記事が沢山掲載があります。特に、この点の動きが変という事案では、ピニオンギアの割れが原因の殆どのようです。

さて、前振りはこのぐらいで診察開始です。

切り開き

まず、背中の縫い合わせに沿って切り開きます。ですが、赤いパイル生地に赤い糸で縫い合わせているので、糸が非常に分かりずらいです。間違ってパイル生地の布地側を切り開いてしまわないように注意が必要です。また、舶来品なので、縫い合わせの品質も少しテキトーな感もありますので、糸は綺麗に外そうとせず、バシバシカットして開いた方が早いです。

また、首を結束バンドで固定しておりますが、300mm長のバンドで間に合いますので、綺麗に外さずにカットして交換した方が早いです。

開封

では、ピニオンギアの所在ですが、腕用のモーターは、画像に移っている上側のモーターで両足用のモーターは下部のモーターとなります。早速確認します。

腕駆動モーター
腕側モーターのピニオンギア

腕側のモーターに付いてあるピニオンギアですが、画像はピンぼけですが、縦割れを起こしておりました。

8T m0.6 1.9

このピニオンギアは、8Tの穴径が、Φ1.9mmでmは、0.6となります。

次に両足を駆動するモーターのピニオンギアを確認します。両足のギアボックスのカバーを開ける必要があるのですが、スプリングの付いていない左足側を外す必要があります。

股関節固定のネジ

股関節固定用のネジ2本とその下に両足同期用のシャフトのボール受けがあるので、それも外します。

電極

ここで、重要な部品が現れます。両足が、今どの角度の位置にあるかという位置を認識するため、円形の電極基板があります。その基板のランドと接触してランド間の導通をする、画像の電極とバネパーツが出てきます。大事な部品なので、破損や紛失などしないようにします。

接触導通状況

さていよいよギアボックスの開封です。止めネジを外すとピニオンギアが現れます。やはり割れを起こしておりました。

両足駆動モーターのピニオンギア

ですが、このピニオンギアは、特殊規格となり入手できません。8T 穴径Φ1.9mm m=0.6ではあるのですが、ギアの長さが、10mm必要です。

他のドクター様のおかれては、割れた部分をワイヤーで巻いて固定したりと皆様ご苦労をされて居られる記事を拝見しました。ですが、私は、時代の利器を活用させていただきました。

3Dプリンター♪※ドラえもん風

日本おもちゃ病院協会では、3Dプリンターにて該当ギアを製作されたドクター様が居られそのギアを配布使用させていただきました。

タフレジン製ギア

穴径

修理実績のあるギアを配布いただいたのですが、本案件のモーターのシャフトは、少し細いせいか、付加がかかる場面で空回りを起こすことがありました。そこで、エポキシ接着剤を併用し接着固定を行います。

接着固定

2点のピニオンギアの交換で無事にエルモは動作するようになりました。

ですが、電池ボックスに正極の接触不良のような不具合もありました。挿入した電池にもよるのでしょうが、正極の電極が曲がってしまい、出っ張りに届かない電極なので、曲げを戻します。

正極電極の曲がり

以上、縫い合わせを元に戻し、修理完了となります。

縫い合わせ

補足ですが、規格違いのネジが多く、分解時に場所と本数は、よくよく注意した方がいいです。


夢の子 ミルル クリスタルと圧電素子交換

ミルル

夢の子 ミルル クリスタルと圧電素子交換

夢の子 ミルルの修理のご依頼です。

ミルルは、女の子なのですが、同じネルルちゃんよりも歌える歌が多い点と学習機能も備えているそうです。

初期設定を行い数回会話すると、全く動かなくなるとのことです。リセットや電池の交換も効果なしで、そのままひと月放置していたら、こちらの記事のユメルと同じように乾電池が空になる症状が観測されたとのことです。同じ症状であれば修理可能ではないかということでご依頼がございました。

状況確認

まず、着ているお洋服を脱がし電池での動作確認を行います。

ボタン電池残量

単二乾電池は、新品が同封されていたのですが、データバックアップ用のボタン電池は、残量ゼロでした。実は、7月下旬より2か月以上お待ちいただいておりましたので、その間、乾電池を抜いているとボタン電池も残量ゼロになりますので、しょうがないです。

さて、ボタン電池、単二乾電池とも新品を入れて起動してみると、うんともすんともでした。当初、ご相談いただいた初期設定すらも起動できなくなっておりました。

故障症状が進行しているようです。

では、ご依頼様にご承諾をいただき、頭部、本体を切開します。ユメル同様なのですが、今回のネルルは、ボタン電池でデータをバックアップするバージョンなので、大掛かりに切り開きます。

切開
結束バンド

ぬいぐるみの修理を行うとだいたい結束バンドで筐体とぬいぐるみがとめてあるのですが、細長いタイプってホームセンターなどではおいてないんですよね。私は、所属しているおもちゃ病院協会より以下をご紹介いただき修理に使用しております。

さてさて、基板や配線の状況を目視確認します。配線の断線もなく、基板端での電圧も確認できました。次にアンパンマン おしゃべりいっぱいことばずかんのタッチペンなどでも故障の多いクリスタルが基板中央に目につきます。

故障

オシロで測定しても発振していません。当初は、まだ発振できていたのだが、数か月経ち劣化も進み発振すらしなくなったようですね。

ユメル、ネルル修理の修理実績が多数ある、おもちゃドクター様の修理記事より、このクリスタルは、32.768kHzと判明しているので交換をしてみます。

クリスタル

無事、初期設定が起動するようになりました。このままの状態で1週間程、連日稼働をさせ動作状態と最終日には、乾電池の減りに異常がないかを確認します。

ですが、すぐお昼寝ができない不具合が見つかりました。同様に就寝もしないことになります。

お昼寝と就寝は、姿勢(傾斜)センサーと胸の圧電素子の2つで実行できます。

まず、横にすることによって、姿勢センサーが横になったことを感知し、胸の圧電素子をトントンすることで、眠くなるといった具合です。

ですが、眠ってくれません。”眠くなったわ~”というセリフすら発しません。

姿勢センサーか圧電素子に不具合がありそうです。ご依頼様にもその旨確認をしたところ、胸ではないが、以前より頭のタッチの反応が悪くなっているとのことでした。では、2つのセンサーをチェックします。まず、姿勢センサーです。

姿勢センサー

姿勢センサーは、首の根本部分に接着固定してあります。ファービー修理の時のように蓋をカパッと開くことが簡単にできないので、思い切って切り開くかどうか悩みました。誤って電極側を分解してしまうと元に戻せない可能性もあります。

ここでもネットよりおもちゃドクター様の修理記事記事を拝見させていただきました。電極のあるであろう箇所からそれた箇所に小さな穴をピンバイスで開けてそこから接点復活剤をスプレーしてみます。コロコロをさせて接点の汚れが取れることを願います。開けた穴は、カプトンテープで塞いでおきます。

接点復活剤で復活できなければ、最終手段としてセンサーの筐体を分解してお掃除してみようと考えておりましたが、センサーの反応の故障は、圧電素子側であったため姿勢センサーは、現状のメンテナンスのみとしました。

圧電素子

目視は、問題無さそうですが、胸の圧電素子を手持ちの素子を交換してみたところ、反応が見事に復活しました。感度も良好です。

ただですが、数日稼働をさせると、やはり姿勢センサーの感度が落ちてきます。やはりですが、分解メンテナンスが必要そうなのですが、元に戻せないリスクもあるので、今回は接点復活剤のスプレーまでとし、今後さらに悪化が進行した場合に最終案として分解掃除を実施しよとご依頼者様とご相談しておきました。

この状態で、1週間の動作を確認します。

  • 初期設定の可否
  • 初期設定時刻での起床、就寝動作
  • お昼寝、就寝動作
  • お歌の動作
  • 留守番モードの動作

などなど。乾電池の異常が減りもなく、無事1週間を過ごせました。

1週間を過ごすと、学習機能も働き、お歌のレパートリーも増え、当初は昭和の同様ばかりでしたが、違う歌も加わりました。

おしゃれは、足元からよ!

なんていう事もおしゃべりします。これにて無事修理完了となります。


メッセージを録音できるおもちゃ

名前不明

メッセージを録音できるおもちゃ

大事なメッセージが録音されており、その音声がでなくなったとのことで修理のご依頼がありました。おもちゃの名前は不明でした。

早速お送りいただきました。底面に音声再生用の押しボタンがあります。

押しボタン

ですが、この手のおもちゃに興味のある方であれば、なんで基板の電極が見えるほどの穴があいているの?という疑問が湧くと思います。ハイ、自分もそうでした。開封するとその理由ははっきりします。

基板

開封すると基板が見え、COBのみが実装されております。電源用の電解コンデンサーは、裏面に実装されていました。さてさて、シルクをよく見ると、RECとかVCCとかGNDとかが見えますよね。

そうです。

このおもちゃは、底面の押しボタンは再生専用で、声を録音する場合は、何か専用の基盤に乗せて、先の電極がポゴピン(※参照)で接続されるような仕様と分かります。

なるほどー。

さて、修理作業に戻ります。分解作業を続けます。

ボタン電池

(*´Д`)はぁ~とため息が出る光景でした。

ボタン電池内蔵なんです。これでは、電池が切れると動作しなくなります。しかも、隙間から緑の何やらが見えます。そうです、アレです。

液漏れ

使用中に電池が底を付き液漏れを起こしておりました。その影響で基板の負極に電解液が付着し電極が剥がれ断線もしておりました。

めくれ断線

さて、動作不良の原因ははっきりしましたが、修理の策を練ります。

  • このままめくれた電極を修復してボタン電池を入れてもまた容量が尽きた時に液漏れしてしまう。
  • ボタン電池も入手の困難(ダイソーで購入できるかどうか基準)なLR42という薄型だった。

そこで、電池ボックスを外付けしてしまおうと思います。

こんな感じ

メリット:外付けにすれば、電池の交換も用意で単三乾電池なので、入手も容易。

デメリット:基板裏面の電極のVCCとGNDから電源をとるので、前述の録音する機材に乗せることは今後できない。

諸々、ご依頼様とご相談し外付けの電池ボックスで対応することになりました。

では、めくれた電極からお掃除をして復活させます。

接着固定

まずが、剥がれた箇所を接着し固定します。次に断線した箇所は二か所になります。そこを半田付けします。

半田付け

ピーピーチェッカーで導通を確認します。

次に電池ボックスの電極をVCCとGNDに接続します。因みに、事前に電極パッドのVCCは、ボタン電池の正極に電極パッドのGNDは、ボタン電池の負極に接続されていることも確認します。

電池ボックス
完成

電池ボックスのリード線は、ぐらつきで取れないよう根本と筐体をエポキシで固めておきます。

さて、メッセージですが、先の基板腐食の進行も今後懸念されるため、別途他の媒体へ録音しておくことをお勧めしておきました。

以上で修理作業は完了です。


早々と、画像の通りきちんと修理してくださり、音声を聞く事が出来て嬉しかったです。

修理の際も、丁寧にメールで連絡して下さり、本当にありがとうございました。

~ご依頼者様のご感想より~